9月4日 雨のち曇り
明け方にまーまー良く降っていた雨も、出勤して朝礼のラジオ体操を終える頃には上がって小康状態。
今日は昼から(雨で延期を繰り返していた)お客様宅に屋根の調査に行く予定になっており、朝目覚めて雨音を聞いたとき、またかよー、と伺うのを諦めかけておりました。
しかし!一旦雨が止んだ空を見て、行くなら今のうちやっ!と判断して急遽午前中の予定と振り替えてダンプにハシゴを積みこんで走り出しました。
午前中に屋根の調査を済まして庭先でお客様と雑談というか打ち合わせをしていると待ってましたとばかりに小雨がパラパラと、、
足場も無く、ハシゴ一本、一人で大屋根に上るので、少しでも瓦が濡れると非常に危険でして、雨が降り出すタイミングは大げさじゃなく命に関わる大問題です。
とにかく、調査を終えて地面におりて来るまで雨は待っててくれました。
やっぱりな、と、私の意思と天とが通じ合っているのを実感です。(笑)
さて、お題目は今日の屋根調査に行くことになった顛末です。
取引先の商社のI担当さんから電話をもらいまして、
「友達の実家で屋根のリフォームをするらしく、業者に見積りを貰ったらしいんですが、どこか信頼出来る業者さんでも見積りをお願いしたいと頼まれたんですが、お願い出来ますか?」
とのこと。
モチロン、行きまっせ、と今回の調査となりました。
で、どんな工事を予定してるの?と聞くと工事の明細を送ってくれました。
工事項目はというと、
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地瓦調整費
棟瓦調整ラバー止め
鬼瓦漆喰止め
きわのし調整ラバー止め
漆喰斫り取り
漆喰打替
地瓦シリコンラバー止め
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でたっ!
訪問販売系悪徳リフォームの代名詞の様に言われて、一時はその悪名を轟かせたシリコンラバー工事の見積りです。
(近くで工事をしていてたまたま屋根を見かけたと名乗る、作業服の訪問)営業マンの説明によると、
「日本瓦は土を屋根に載せて瓦を葺きます。なので、台風や地震などで瓦が動きやすいのでシリコーンを瓦の継ぎ目に充填してズレない様にしなければ危ないですよ。」
とのこと。
おまけに、
「瓦が無くなっているところがあるので、直さないと雨漏しますよ。」
「漆喰もかなり劣化しているので修理しないといけませんねー、」
と言われたそうで、それを受けて上記の見積りをサラサラ〜と書かれたようです。
私の調査結果は、
①瓦は空葺きといわれる木桟に釘止めの工法になっており、ズレ止めのコーキングなどそもそも必要ない。
②瓦が無くなっているどころか、ヒビが入っている瓦さえ無い。
③漆喰は劣化しているが緊急性の高い程度までは達していないのでそろそろ考えてみるべき。
④樋の勾配が悪く、枯れ葉や水が溜まっており、外壁を汚す一因となっている。
⑤屋根よりも外壁の塗装が経年変化でチョーキング(白化現象)を起こし始めており、3〜5年以内くらいには塗装のやり直しをすべき。
⑥換気扇ガラリが破損して、水が屋内に入っている箇所があるので早急に修理すべき。
たまたま近所で工事をしていて傷んでそうなのを見かけたので屋根の点検を無料でしますよー、と言って来た営業マンとは全く異なった見解と見積り内容となりました。
それにしても、そもそも、屋根瓦のコーキングって今回の様に空葺きでなく、土で葺いていたとしても必要ない工事だと思っています。
良心的なというか、まともな板金屋の社長に聞くと、
「ズレ止めのコーキングをしていた屋根瓦が地震の際に全部繋がったまま一体となってずり落ちた現場を見た事がある。」
といってましたし、
「コーキングが経年劣化で収縮して瓦を引っ張って表面がバキバキに割れているのを見た事が有る」
とも教えてくれました。
一般の方は大屋根においそれと登れませんし、自分の目で確認ができないこともあり、瓦が無くなっている写真を見せられたら信じてしまうしか無かったり、このままだとすぐに雨漏しだしますよ、と言われると工事をしないといけない様に思ってしまいがちだと思います。
悪徳リフォーム問題が騒ぎになった当時は屋根に上がった営業が自ら瓦を割ったり、漆喰をめくったりして、すぐに工事をしないとまずいですよ!と瓦にコーキングをぬするだけの高額な金額の工事を迫ったといいます。
さすがに今はそこまでする会社は無くなっていると思いますが、、
でも50歩100歩。。。
今回の業者の名前を聞いてWEBで検索してみたら、結構まともなホームページが出てきました。
立派な経営理念なども。。。
お客さん曰く、
「ちゃんと写真を見せてもらったし、本社は大阪やけど近くに支社も有るみたいやし、ちゃんとホームページも有ったみたいやし、、」
「私ら素人やから、専門的な事いわれても分からんし、この屋根の上で写真を取って来たと見せられたらそうかと思ってしまうしなー」
との事でした。
やっぱり、安心して相談出来るリフォーム会社がすぐ近くに有り、気軽に声をかけて、相談に乗ってもらえる様な環境を整備する事が重要だと改めて思いました。
兵庫県や神戸市にも一定条件を満たした登録業者を紹介してくれる制度が有るには有りますが、実際はあまり活用されていないようで、今では飾り物的な存在になりつつ有る、と言う声も聞かれます。
行政でダメなら民間、志の高い業者が集まって、まともな業者とはどんな業者で、まともなリフォームってどんな工事か等の選ぶ為の条件など一般のユーザーに知らしめる活動をして、広いネットワークで地域に存在を認められるような、一般ユーザーがいつでも安心して相談出来る様な環境作りをしなければならないと思います。
そんなこんなで、私の場合、『ひょうご安心リフォーム推進委員会』というNPO法人でそんな団体の活動もしているわけですが。(笑)
とにかく!知らない業者の、「無料で屋根を診断しますよー」にはくれぐれもご用心。