令和3年2月17日晴れ
三寒四温
今朝も相変わらずいい天気が続きましたが、昨日までのポカポカ陽気はどこへやら、寒のもどりというか、三寒四温と言うのか妙に寒い1日になりました。昨夜は地元の木材活用の啓蒙活動を行っているひょうご木づかい王国学校の定例会があり、昨年末に兵庫県産木材のブランド、多可町町ヒノキで床と天井をリニューアルした弊社3階のショールームにお集まりいただきました。定例会の内容は、今年度初めての会合ということで、今年の事業計画とこの団体がスタートした時に私がメンバー向けに熱心に行っていた資金計画セミナーの進化版を若手工務店経営者のエースであり、職人起業塾の卒塾生でもある浮村社長に行ってもらいました。彼はこの2月から晴れて代表に就任して気力充実している真っ盛りで、木の家づくりを通して山と街をつなぎ、地域を活性化する事業への熱い想いと共に熱心に資金計画の講師を務めてくれました。
木を見て森を見ず
工務店や一部のハウスメーカーの中には自分たちは建築が仕事で、住宅ローン、金融のプロではないので銀行に任せています。と言われる会社が未だにあります。しかし、建築は幸せな暮らしを送るための単なる手段であることを考えたら、「その後の暮らし」を見据えた資金計画はどんな家を建てるかよりもずっと重要であり、資金計画なくして土地探しや家のプランを行なったところで意味はないと思っています。それくらい重要な資金計画ですが、はじめに取り組む事なく、ぼんやりと年収から銀行が融資してくれる上限を計算してそこに当てはまればそれで良いと住宅を建ててしまう人が未だに後を絶たないのは、顧客の暮らし全体を俯瞰して提案出来ていない建築会社に大きな問題があると私は思っています。
世代交代
弱冠30歳の浮村社長の資金計画セミナーは4年ほど前に私が伝えたロジックをさらに進化させて、お客さんにローンシュミレーターを使って参加してもらうワークショップなども取り入れるなど、素晴らしい内容になっていました。ネタ元の私が逆に勉強させて頂いたくらいです。(笑) ここまでしっかりと家づくりの流れを説明出来れば、業績も上がって然るべし、たいしたものだと舌を巻くとともに、そろそろひょうご木づかい王国学校の代表の座を譲るタイミングが来たのだと思わされる内容でした。勉強会の後の懇親会では、私からの動議で、期の途中にはなりますが、浮村社長の代表取締役就任祝いの席で一緒にひょうご木づかい王国学校の代表理事への就任も発表したいと申し出ました。浮村社長は快諾、これから運営委員に諮って、代表交代へと進めていこうと思います。
高校中退万歳!
話は変わって、今日のネットニュースで棋士の藤井聡太さんが高校を中退したとの報道がありました。なんでもこの3月に卒業の予定だったらしく、たった1ヶ月を残して退学し、最終学歴中卒になる判断をされたと聞いて不思議に思われた方も少なくなかったのではないかと思います。私としては、(理由は全く違いますし、比較するのもおこがましいですが、)棋界のニューヒーローが私と同じ高校中退、中卒の学歴になったのを嬉しく思ってしまいました。詳しい事情は分かりませんが、藤井棋士は自分の人生を俯瞰してみた時、高校卒業の学歴がなんの価値もなく、長い人生の中で考えればほんの一瞬とも言えるたとえ1ヶ月だけの期間であっても将棋に打ち込む方が良いとの判断をされたのは本当に素晴らしいと思います。
情熱に突き動かされる熱さこそ若者の特権
そういえば、と、30年以上前になりますが、私も高校を退学する決断をした時、(藤井棋士とは随分とレベルは違いますが、)だらだらと高校生活を送るのが勿体無く、こんなことに時間を費やしている場合ではない、世界は広く、早くその世界を見に行かなければ、と情熱に燃えて退学届を提出しました。結局、海外に出る前に日本をもっと知らねばと、信州に住んだり、東京から北海道までをふらふらとアルバイトをしながら放浪しました。今振り返ればその時間が本当に有効に使えたかはよく分かりません。しかし、情熱を持って人生を転換させる行動を取れたことは後々の私のキャリアを積み重ねるのに大きな力になったのは確かだと思っています。
積極的不登校の少年
今日は、毎月私が主催している原理原則系マーケティングの勉強会、継塾の開催日で夕方からオンライン、オフライン合わせて30名以上の人が参加されました。先月は女子高校生が参加されてましたが、今月は中学生の男の子がお父さんと一緒に来られました。その少年は、積極的不登校をされていて、公立の中学校に通っていないとのことでしたが、大人たちに混じってのワークショップではっきりと意見を言い、積極的に参加されていたのがとても印象的でした。実際、試験に合格することを主眼においている日本の学校教育に社会に出てから通用する力を身につけることは難しいと思っていますし、学歴だけがあってもなんの役にも立たないのを経験則でわかっています。しかし、日本が学歴社会でどんな学生時代を送ったか、どんな学校を卒業したかで見る目が変わるのは事実であり、無責任に学校なんかやめてしまえ、といえない現実もあります。
学歴は才能ではない。
とはいえ、私自身は建設業界で働く実務者向けの研修事業として一般社団法人の代表で講師を務める今の立ち位置で、学歴が誰よりも低く、学歴社会からドロップアウトしたけれども、社会に出てから勉強をして資格をとり、経営者となって20年間事業を続けてきたのは大きな強みであり、子供の頃に高校を退学する決断をして良かったと心から思っています。日本の学校制度に合わず、強靭な肉体を持って、寒い日も暑い日も現場で働く事が出来るのは間違いなく才能であり、少々試験でいい点数を取れるとか、有名大学を卒業したとかよりも生き抜く力は強いと思います。故米長邦雄永世棋聖が「うちの兄貴たちはバカだから東大に行った。私は天才だから棋士になった」という発言は有名ですが、決して負け惜しみではなく、学力よりも学歴よりも大事な事がこの世の中にはたくさんあると、若者に伝えていくのが私の使命ではないかと思っています。
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