大工になるのが夢。若者の面接に思う。

4月25日 晴れのち曇り

 

大工見習い面接。

今日は朝から「大工になりたいんです。」という若者の面接でした。以前、その彼が、まだ中学生の時、クライアントである彼のお父さんから息子を預かってもらえないか?と相談を受けていて、「いまどき、大工になるにしても高校ぐらいは出た方がいいんじゃないですか?」と答えた経緯があります。そりゃそうか、と親子ともご納得頂いたようで、この春からめでたく高校に進学されたとのこと。高校を卒業する段になって、まだ職人への道を希望されていたら、いつでもお預かりします!と言っておりました。

4月も終盤に差し掛かった先日、そのクライアントから連絡があり、息子が入学した建築科の高校では、通学の他に実際に企業に入って、実務経験を積むことになっているので、やっぱり預かってもらえませんか?とのこと。今まであまり聞いたことのない高校のシステムに若干戸惑いながらも今日の面接となった次第です。

中学校卒業、高校入学しか書くことがなかったという履歴書を持ってきた弱冠15歳の若者(というより子供、笑)に話を聞いてみると、子供の頃、近所で現場作業をしていた大工さんを見てかっこいいなーと思っていたらしく、ずっと憧れていたとのこと。中学生になり、進路を考えるタイミングになってその時のことを思い出して今回の進路を選んだとのことでした。

「大工になるのが夢だったことを思い出しまして。」という言葉は大工上がりの私にしてはとても嬉しい言葉で、一も二もなくとにかくやってみるか、と即採用を決めちゃいました。

 

 

若手職人はいないも同然。

若者の職人不足は年を追うごとに深刻化しており、特に大工や左官、石工、建具職人と言った技術の習得に時間がかかる職種ほどその傾向が顕著に現れているとのこと。2015年は若者の技術系技能者が微増に転じたとの報道がありましたが、よく数字を見てみると高齢になったりで減少じた人数の1/10程度しか増えていなかったりします。

大工だけに限ってみると若年層(未成年)の大工見習いは全国で二千人を割っているらしく、47都道府県で割ると一つの県あたりに約四十人、県あたり10の市町村があるとすれば、一つの市に四人しかいない計算になります。冷静に考えてみるといないも同然。

建通新聞社記事
出典:建通新聞社

 

金の卵。

そんな風に考えると、子供の頃から大工になるのが夢だったと目を輝かせて言ってくれる若者がいかに貴重かと改めて感じずにはいられませんが、私の知る限り、中学校を卒業してそのまま大工見習いになり、そのままずっと職人として年齢を重ねて一人前の棟梁になる例はそんなに多くはないというか、ほぼ皆無と言っても過言ではありません。

私も転職を繰り返し様々な職業を経験してきたこともありますので、一度決めた職業を一生やり通すことの難しさは十二分に理解しています。ただ、最終的に大工という職業を選び、25年間続けてきた経験は、ものづくりの楽しさ、お客様に喜んでもらえることの素晴らしさ、技術職としての実現力の大きさを感じさせてもらうことになり、私のような何の取り柄もない人間にも大きな自己重要感を与えてくれました。
この度、ご縁を頂いた若者が今後どのような人生の選択を行うかは私にはわかりませんが、大工という生き方も悪くないってことを何とか伝えることができればと思っています。
Kくん、大変のことも結構あるけど、石の上にもまずは3年、高校を卒業するまでは何とか歯を食いしばってでも頑張ってください。(笑)

 

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