平成30年11月13日曇り
読書は人生を変える。
昨日に引き続き、どんよりとした雲が空一面に広がり気温も少しひんやり。季節は秋から冬へと移っているのだと感じる肌寒い朝になりました。このところ、秋が深まってきて夜が長いからなのか、単純に「読書の秋」という言葉に引っ張られてしまっているからなのか、私の中ではやたら読書熱が高まっており、夜ごと、遅くに帰宅してから睡眠時間を惜しんで自分の知らない世界への疑似体験、間接体験に没入できる本の世界に浸り込んでいます。先日の日曜日に参加した喜多川泰さんの講演会でも、本で人生が変わったと言われる太一さんが主催者を務めておられ、1部上場企業を退社してからのエキサイティングな人生に変容するきっかけとなった「手紙屋」と言う本と、その著書の喜多川泰先生に感謝の意を表されておられました。「本」そしてそこに綴られている「言葉」には底知れぬ力があるのだと改めてまざまざと見せつけられ、実感した次第です。
人生を変えた本と作家達。
そんなことを痛い位に感じさせる本を最近読了しました。先週、TEDxkyotoに参加した際、登壇者の書籍を販売しているブースでたまたま見つけて、イベントとは関係がないと思いながらもそのタイトルに強く心を惹かれて購入した1冊は、新興出版社の幻冬舎の代表取締役社長である見城徹氏の著書で、「読書と言う荒野」と言う刺激的なタイトルの見城徹社長が影響を受けた本の紹介と、ご自身の読書論とも言うべき本に対する姿勢を赤裸々な体験とともに書き綴られておられる1冊です。近年、私はビジネス本やエッセイの類は一切手に取ることをやめて、小説ばかりを読むようになっており、ましてや読書論などと言う「本の読み方」を書き綴った書籍など読んだことどころか手に取ったことさえありませんでしたが、挑発的とも言えるタイトルに魅せられてつい購入してしまいました。
我が意を得たり。
今回、衝動買いのようにいつもは買わない類の本を購入し、寝る時間を惜しんで読みふけった理由の1つに、サブタイトルとして本の表紙の隅っこに書かれていた「実践できなければ読書じゃない」という言葉が強く胸に響いたからだと思います。本に限らず、セミナーや講演や研修会に参加して、何かを学ぶ機会は誰しも少なからずあると思いますが、そこでの学びを実践し、自分自身の力に転換できる人は極めて少数で、その実践を継続して本当に身に付けられる人はほとんどいないと言っても過言ではないと思っています。私は2年前から研修事業を始めることになって、全国各地で建築実務者向けの研修やセミナーを行って200回近く人前で話す機会を持ってきました。その研修の講師を務める際に必ず私が口にするのは、「学び一切の価値なし、実践に落として初めて意味をなす。」であり、前からずっとこれは読書にも当てはまると思っておりました。成功法則というと大げさですが、原理原則や真理ははシンプルに様々な本に書かれれてあるし、経営者の方々に訊くとドラッカーやナポレオン・ヒル、スティーブン・コヴィー博士が示された理論を知らない人の方が少ないくらい。見城さんの言葉はまさに我が意を得たりです。
衝撃の書。
多分、この度生まれて初めて読書論的な本を読んで、まず衝撃を受けたのは、今までほとんど話題に上ったことがない私が深い影響受けた書籍や著者の名前が続けざまにポンポンとできたことです。1番驚いたのは、見城氏が中学生時代に読んだと書かれていた五味川純平の「人間の条件」で、私も見城氏と同じ中学生時代に父親の本棚を片っ端から読み漁っていた時期にその本と出会い、激しい衝撃を受けると共に、「人間とは?人としてどう生きるべきか?」と言う人生の大命題を初めて突きつけられたのでした。今では「人間の条件」を読んでから40年近くなりますが、これまでにその本に私と同じように衝撃を受けたと共感してもらえた人に出会ったのはたった1人だけで、高校時代の同級生の岸さんだけが「あの本すごいよな、衝撃やったよな」と私と同じ思いを口にされました。その彼は、今でも唯一付き合いのある高校時代の友人です。
同じ原風景を見ている。
その他にも書き上げればキリがないくらい私が大きな影響を受けた作家の名前と、編集者としてその作家達と深く交わった交友録と言うにはあまりにも重く激しい経験談が列挙されており、尾崎豊、五木寛之、村上龍、つかこうへい、吉本隆明、百田直樹、三島由紀夫と若かりし頃から、もしくは経営者になってから学び直す中で読み返した書籍と作家、アーティスト達がキラ星のごとく次々に紹介されていたのには本当に驚きました。実は、その昔、幻冬舎という出版会社が彗星の如く現れ、次々にベストセラーを連発しているのを遠目に見ながら、初めの内は芸能人を口説いて本を書かせる色物の出版社かと思っていました。それが、読みたいと思える新刊が次々と同社から出版され、それがみるみるミリオンセラーになっているのを目の当たりにして、この出版社は既存の出版社と何かが違う、というのを感じる様になり、幻冬舎に興味を持つ様になっていました。それが、この度、見城徹社長の著書、しかも本に対する「愛情」という表現では追いつかないくらい、人生を構築してきた源と言っても過言でないほどの深く厳しい感情で固められた読書論を読む機会に恵まれ、卓越した編集者としてその名を広く馳せている強烈な個性とその土壌が私と同じ書籍や作家から生み出され、熟成されたのだと知ることになり、嬉しく感じると共に妙に納得した次第です。
読書という荒野
この本を読んで最も印象に残った言葉は読書は「自己検証・自己嫌悪・自己否定」を自分自身に突きつける装置である。という言葉で、目次を読んだだけでこの言葉が脳裏にこびりつきました。最後に、これを読むだけでも大きな示唆をもらえると確信している、読まずに居れなくなる目次を幻冬舎のHPから以下に転載させてもらいます。
見城徹 / 著
出版界の革命児による圧倒的読書論がここに誕生! 読書の量が人生を決める。 本を貪り読んで、苦しい現実を切り拓け。 苦しくなければ、読書じゃない。 読書によって正確な言葉と自己検証はもたらされ、 正確な言葉と自己検証によって深い思考が可能になる。 そして深い思考こそが、その人の人生を決める唯一のバックボーンになるのだ。
【秋元康 激賞!!】 「見城徹の読書は血の匂いがする。ただ、文字を追って『読了』と悦に入っている輩など、足下にも及ばない。書を貪り喰ったものだけが知る恍惚の表情を浮かべている。著者の内臓を喰らい、口から真っ赤な血を滴らせている」
【目次】
はじめに 読書とは「何が書かれているか」ではなく「自分がどう感じるか」だ
第1章 血肉化した言葉を獲得せよ 「自己検証・自己嫌悪・自己否定」は三種の神器 ここではない「ほかの場所」を求めた本 自分を恥じ、深く見つめることを余儀なくされる読書体験 世界の矛盾や不正や差別に怒れ 苦しいほうに身をよじり、自己検証能力を磨け ほか
第2章 現実を戦う「武器」を手に入れろ 吉本隆明・あまりに切ない精神の劇 自己嫌悪と自己否定が仕事への原動力となる ヘミングウェイ・「勝者には何もやるな」 編集者の武器は「言葉」だけだ 努力は圧倒的になって初めて意味がある 実践しなければ読書じゃない ほか
第3章 極端になれ!ミドルは何も生み出さない 五木寛之・「差別構造」を創造力の産物として描き出す作家 石原慎太郎・個体の快楽と掟 大江健三郎・妄想と現実の交換 ほか
第4章 編集者という病い 村上龍・虚無と官能 林真理子・過剰と欠落 村上春樹・生き方を犯すほどの才能 百田直樹・驚異的なオールラウンドプレーヤー 東野圭吾・見事なまでに人間を描く完璧なミステリー 宮部みゆき・『火車』の哀切なラスト 北方謙三・読者を慟哭させ、魂を揺さぶる 坂本龍一・残酷と悲惨に血塗られた崇高で静謐な創造 尾崎豊・自己救済としての表現 ほか
第4章 旅に出て外部に晒され、恋に堕ちて他者を知る 『深夜特急』・人生からの脱獄 今でも強く脳裏にこびりつく五木寛之との旅 村上龍との放蕩 他者への想像力は恋愛で養え 困難は読書でしか突破できない ほか
第5章 血で血を洗う読書という荒野を突き進め 死の瞬間にしか人生の答えは出ない 絶望し切って死ぬために今を熱狂して生きろ 三島由紀夫・自らの観念に殉じて死ぬ生き方 現実の踏み絵を踏み抜かない理想に意味はない 「夢」や「希望」など豚に食われろ ほか
おわりに 絶望から苛酷へ。認識者から実践者へ
出版界の革命児の読書論、超絶!オススメしますので是非ご一読ください!ちなみに、すみれ文庫でも貸し出しておりますよ。(笑)
_____以下は告知です!_____
◆今年最後のオープンセミナー@仙台開催します。(残り10席になりました!)
職人起業塾@オープンセミナー@仙台「建築業における真実の瞬間」
日時:2018年12月6日木曜日 14:00〜17:00
会場:PARM-CITY131貸会議室 Room 5C
住所:〒980-0811 宮城県仙台市青葉区 一番町3−1−16
受講料:3000円(受付にて職人進化論。を見たと言って頂ければ無料)
定員20名、先着順。
申し込みFacebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/736186536724033/
問い合わせ先:一般社団法人職人起業塾 〒650-0012 兵庫県神戸市中央区北長狭通5-2-19–503(MYU) Tel: (078)381-5884 メール:お申し込み/ オフィシャルページ:https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/お申し込み/お問い合わせ/
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