アキラとあきら

令和元年5月6日 晴れのち曇り一時雨

GW最終日。

長かったGWも漸く最終日。私個人としてはそもそも連休でも何でもなくて、普段とあまり変わらない毎日でしたが、それでも昨日の日曜日は1日まるまる完全オフの日として午前中はトレーニング、昼からは心易い仲間とバーベキューを楽しみながら子供たちとドッチボールをしてみたりと楽しい時間を過ごしました。今日はすっかり平常営業に戻り、稼働を開始された工場のクライアント先に新たな機械設備への投資に付帯する改修工事のご相談を受けに現地に伺ったり、設計チームのMTGを行ったりとお休み気分を切り替えて平常業務に励みました。

子供の日に歴史の本を。

昨日のBBQでは、子供の日と重なっていたので、子供達にプレゼントをあげようと思い立ち、近所の本屋さんに立ち寄りました。新元号に改元されてすぐのタイミングなので、この機会に日本の歴史に興味を持ってくれたらいいなー、なんて思い、3人の子供にそれぞれの年齢に応じた歴史の本を買いに行ったのですが、ついでに?iPhoneのamazonアプリのカートに溜め込んだ、買おうと思っていた本のリストを店員さんに告げて、在庫で在るものは購入、無い物はお取り寄せの注文をしておきました。

脱amazon活動継続中!

ネット通販で商品を探して買い物かごに入れらのなら、そのまま注文すればええやん、わざわざ近所の本屋さんで時間と手間ヒマかけて購入する意味ある?と思われるかも知れませんが、私、かれこれ3年くらい前からそれまで使い倒していたamazonをはじめとするネット通販で商品を購入するのをやめておりまして、特に本は絶対に地域の書店で買うようにしています。地域密着の事業に取り組み、次世代を受け継いでくれる子供達に今よりも良い環境を残したいと持続可能な自立循環型の社会、ビジネスモデルを標榜している私にとっては当然の事ですが、それ以前に地域の本屋さんで買いたいと思う理由があります。

オススメ本は全部読む派。

amazonで本を購入しなくなってから、直ぐに本が欲しい!と思わなくて済むように、自宅には常に読む予定の本が在庫?として溜まっている状態にしておりまして、このGWもその在庫を片付けるべく夜中まで読書に励みました。私が読むのは主に小説で、知り合いや尊敬する方が推奨された書籍は片っ端から読むようにしています。昨日読了した池井戸潤さんの「アキラとあきら」は同業の脇口社長が感動した!とアツイ感想をfbで述べられていたのを見て駅の書店で即購入しました。期待に違わず非常に心打たれる良書だったのでここでもご紹介しておきます。

アキラとあきら

amazonのサイト内の作品紹介を以下に抜粋して転載します

内容(「BOOK」データベースより)

零細工場の息子・山崎瑛と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった―。感動の青春巨篇。

著者について

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞、作家デビュー。『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞を、『下町ロケット』で直木賞を受賞。他の作品に、半沢直樹シリーズ『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』、花咲舞シリーズ『不祥事』、『空飛ぶタイヤ』『ルーズヴェルト・ゲーム』『民王』『七つの会議』『ようこそ、わが家へ』『陸王』などがある。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

池井戸/潤 
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞、作家デビュー。『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞を、『下町ロケット』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

無知は罪。

このアキラとあきらを読んで、中小企業の経営者として胸に突き刺さるような痛みを感じると共に、自分がこれまで起業してから20余年、経営者として無知、未熟だったが故に失敗してきた数々の出来事が胸に去来して読んでいて苦しくなりました。ただ、池井戸ワールドのいつものエンディングでは胸がスッとする痛快で爽やかな結末を迎え、重苦しい想いが強い分、読み終えた後の清涼感は他の作品と比してもピカイチだった様に感じました。池井戸さんには今回も本質的な価値、目的意識と誠実さ理想を掲げる事こそが経営においても人生においても最重要であるとの示唆を与えてもらえた様に思います。

小説と同じ原体験と後悔。

この本の冒頭は山崎あきらの実家の工場が倒産して夜逃げ同然で引っ越すところから始まります。実は私は二十歳過ぎに父親から家業を継がないか?と言われた経験があります。私の父は神戸の元町で小さな書店を営んでおり、私は子供の頃からずっとその店にアルバイトとして手伝いに行ってました。父の影響で私が本が大好き人間になったのは大いに感謝しておりますが、その当時、私の周りに熱心に本を読む同世代の人は皆無で、本離れが激しいこのご時世に書店経営なんてまっぴらごめんです。と即、父の申し出を断りました。結局、それから数年で父の書店は無くなってしまいましたが、今振り返って見ても、自分を育ててくれた親の事業をにべもなく断った自分の選択を疑問に感じてなりません。ちょっとした後悔があるのも正直なところ。そんな体験を持った私にはこの「アキラとあきら」は胸に染み入る印象的な一冊となりました。脇口社長、良い本のご紹介ありがとうございました。


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