「今、金、自分」思考の徹底的排除。

令和元年7月4日曇りのち晴れ

梅雨の中休み

観測史上最も遅くなった梅雨入りは、まるでそれまで溜めていた雨を一気に吐き出すかのように激しい雨を降らせていますが、今日の神戸は中休み。日中は久しぶりに太陽が顔を覗かせました。

毎年更新される観測史上最悪の事態。

明日から東京、来週は九州に出張に行く予定となっており、これから行く先々が豪雨に見舞われているのをテレビの気象情報でみては心配を募らせました。特に鹿児島では観測史上最大の降雨量を記録したとのこと、皆さん無事にお過ごしでしょうか、心よりお見舞い申し上げます。

接点はすみれの卒業生。

今日の昼間は朝活のメンバーであり、27年前まで勤めていた前職の後輩でもある良くんにご紹介いただいた設計事務所さんとの打ち合わせ、というかご挨拶に伺いました。初対面の設計の先生との共通の知り合いが、すみれを卒業して独立した大工たちだったこともあり、大工の育成とマーケティング理論の実践を特徴とする自社のビジネスモデルの説明をさせて頂きました。

職人と設計事務所の共通点。

近年はともかく、少し前まで丁稚奉公的な働き方が主流だった職人の世界と、アトリエ系設計事務所の世界が似通っていたこともあり、若者を育成しなければ未来がない。と言う私の話に随分と共感いただけたようで、全国で職人や施工管理者等の建築実務者向けにマーケティング理論を教え、付加価値を生み出す実践型の研修についても興味を持っていただけたようです。

若者に不人気な業界。

建築設計の世界でも、アトリエ系の事務所にはインターンシップに若者が来ることがあっても、学生が実際就職するのは「修行」と言われる、個人で行われている設計事務所ではなく、大手ハウスメーカーやゼネコンがほとんどで、給与等の待遇面で就職先を選ぶ若者が増えたと言われておりましたが、職人の世界ではそれがさらに顕著になっており、若年層の大工は全国で2000人を切っていると言われる位、ほとんどいないのが現状です。

若者の採用は不安定な未来への投資。

若者に入職してもらうには、待遇面の改善が必須になりますが、上述のどちらの業界も新卒で採用してから3年ぐらいは全くと言っていい位、稼いでくれる事はなく事業所はコストを吐き出すばかりです。対して、大規模建築や土木工事を行っているゼネコンはともかく、住宅等を作っている工務店で3年先まで売り上げの見込みが立っている会社はほとんど皆無といっても過言ではありません。

わかっている事とやることの不整合。

そして、消費税の増税や耐震偽装事件、悪徳リフォーム事件などの外部環境の変化によって繰り返し大幅な市場の縮小が繰り返された建築業界では、先を見通した投資をするのが非常に難しい業界であり、時間がかかる職人の育成に積極的に取り組む事業者は非常に少ないのが実態で、「職人がいなくなると売り上げが作れるなくなるのもよくわかっているが、自社で職人を抱えて育てる事はリスクが高い」と他人に委ねてしまう事業者が大半名のが工務店業界の実情です。

今、金、自分になっていないか?

私はすみれの社内でも、研修やセミナーで職人や施工管理などの現場実務者に対しても、いつも「今だけ、金だけ、自分だけと言う思考を現場から排除しろ」と言い続けています。現場実務を行う従業員に経営者感覚を持ってお客様に向き合ってもらいたいとの意図ですが、喫緊の課題である職人不足の解消に向き合わない経営者は本当に「今、金、自分」の思考ではないと言い切れるのかと少し疑問に思ってしまいます。

priorityの問題?

「高橋さんは大工出身なので、職人を育てることに全く違和感がないので、気楽にそんなことが言えるのだ。」とよく言われますが、営業や設計畑出身の経営者で大工育成に取り組んでいる工務店はいくらでもあり、そこじゃない。と思っています。そして、工務店経営者には大工の育成以外にもやらねばならない事がキリがないほど、いくらでもあります。それは私も同様で、実際今も道半ば、やるべきことに対してできていないことの方が圧倒的に多いと自覚しています。そう考えると職人育成への立ち遅れは、言行不一致と言うよりも優先順位の問題なのかも分かりません。

それでも、職人育成とマーケティングはワンセット。

工務店に限らず、経営者にとって最も重要な事はなんといっても売り上げの確保に他なりません。集客、差別化、クロージング、全体のプロモーションと売り上げを生み出すために行うべき事はてんこ盛りですが、我々ものづくり企業は、契約が売り上げのゴールではなくものを作って完成させなければ売り上げ計上はできません。しかも品質を落とし、クレームになれば利益は一気に吹っ飛んでなくなってしまいます。そう考えるとやっぱり現場人材とマーケティングは一体のものだと理解するべきだと思うのです。

できない理由ではなく、できる方法を考える。

できない理由を探せばキリがありませんが、やらねばならない事に対して目を逸していても未来はありません。現状維持は緩やかな破滅への道と心に刻み、大きな変化にさらされる今後に向けて、私自身もこれまで以上に地道な努力を積み重ねねばと思っています。

自分自身も、スタッフにも、現場に携わるすべての人から「今、金、自分」を優先させる思考を徹底的に排除するように改めて務めたいと思いました。みんな、プライドを持った仕事、やろうぜ!


「工務店経営カンファレンス2019」に登壇します!

ニッポンの家づくりでトップランナーである11の工務店が、7月24~25日の2日間にわたって、新建ハウジングが主催する「工務店経営カンファレンス2019」(会場:東京都、ベルサール半蔵門)に登壇します!ちなみに私はday2です。

【緊急提言!職人不足根治に今すぐ取り組むべきこと。】

全国一斉、建築現場改革・ブランディングセミナー & 実践フォローアップ研修を6月末〜7月に開催します。

〜工務店が抱えるあらゆる問題を解決するブランド構築の糸口は現場にあり〜

売り上げの低下、職人不足、広告反響、集客の低迷、競争の激化、事業継承、採用難等々、工務店を取り巻く環境は厳しさを増すばかりです。全ての問題の解決の鍵は「ブランディング」にあり、今回のセミナーは華やかなプロモーションではなく、ブランド構築の基礎の部分を担う建築現場でのインナーブランディングに焦点を絞って、激動の令和の時代を地域工務店が勝ち残る方法論と職人不足問題の根治的アプローチの具体的な取り組み事例を公開します。また、オープンセミナー終了後、現場マネジメント改革に取り組む職人起業塾卒塾生向けの更なるブラッシュアップを目的としたフォローアップ研修を同時開催。現場実務者による現場改革の実践の輪が全国に広がっているのを体感頂けます。公式HPはこちら→https://www.shokunin-kigyoujyuku.com

全国一斉、建築現場改革・ブランディングセミナー & 実践フォローアップ研修へのお申し込みはそれぞれの地域のイベントページからどうぞ。割引特典については個別にお問い合わせください。

【東京開催】

□日程:7月5日(水)14時~18時30分

□場所:株式会社 Ship セミナールーム

https://www.facebook.com/events/375661006401900/

【福岡開催】

□日程:7月10日(水)14時~18時30分

□場所:パナソニック リビング ショールーム 福岡 2階会議室 福岡市中央区薬院3-1-24

https://www.facebook.com/events/2549830991717642/

【鹿児島開催】

□日時:7月11日(木)14時~18時30分

場所: NCサンプラザ天文館 鹿児島市東千石町2-30 2階E-3会議室

https://www.facebook.com/events/3276643095694608/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください