職人採用、育成に必要な4つのタスク。

令和元年9月14日晴れ

心からお見舞い申し上げます。

先日関東地方を直撃した台風の被害が想像を遥かに超えて今も停電が解消されないなどの甚大な影響を及ぼしている様で心を痛めております。支援を求められた方にブルーシートを送る手配をした程度しか出来ておりませんが、私に出来る事が有れば出来る限りのことはさせて頂きたいと思っております、遠く離れていてはすぐに動く事も出来ず、動けても大したことはできませんが、何かありましたらメッセージを頂ければと思います。

UXデザインを学ぶ日。

今日は午前中に中途採用の大工希望の方の面接を済ませてから大阪へ。グランフロント大阪の最上階にあるYahoo!さんのセミナールームにてXデザイン学校の研修に参加しました。4年目となる今年はマスターコースなる上級者向けのクラスに編入させてもらっており、某大手食品メーカーの新規事業部の方からの依頼を受けて5年後100億円の売り上げを見込めるサービスデザインを考案しております。講師の佐藤氏のレクチャーは、最新の事例を紹介してくださり、非常に示唆に富んでいて、数多くのヒントも頂けるのですが、残念ながら我々のBチームはただいま出口の見えない迷路に迷い込んでしまい、今日はあーでもないこーでもないと頭を悩ませるだけの1日になってしまいました。今一度これまでの流れを整理しつつ、5年後の世界を再度強烈にイメージしながら、観察調査を続けたいと思います。

職人育成の悩み。

話は変わって、我々すみれ建築工房は15年前から大工の内製化、正規雇用を行い労働法を完全遵守しながら職人育成を続けている建築業界全体から見ると非常にレアな職人会社でして、職人不足が露骨に顕在化してきた昨今、よく同業の経営者さんに聞かれるのは「職人の内製化に取り組みたいが、募集しても全く応募が集まらない」と言うことで、また、既に職人を雇用している会社の経営者さんには、職人を雇ってもなかなか続かず、すぐ離職してしまうと悩みを打ち明けられます。私たち建築業界は工事を行なってやっと売り上げが立ちます。いくら仕事が有っても工事が出来なければ売り上げにならず、職人不足は事業の存続に関わる深刻な問題です。

職人会社支援やってます。

職人の採用と育成、どちらも簡単に解決する特効薬があるわけではありませんが、私が思うのは職人を育成する会社としての論理的の構築がまずなされているかどうかが問題だと思っていて、意外にその部分をすっ飛ばしたまま職人育成に取り組もうとしている方が少なくないように感じます。私はコンサルタントではないので会社に赴いて経営指南的なことはしませんが、一般社団法人で教育事業を行なっている手前、職人、施工管理者向けの社員研修や、協力業者さんを含めた教育を行いたいと言われる先には極力出向くようにしておりまして、できるだけ多くの会社が職人が誇りを持って働ける良い会社になってもらいたいと思っています。

UX的観点での社内整備

私が考える職人育成をする会社の論理構築を大まかに表すと4つの項目があります。UXデザイン的に考えると、この場合長い期間働いてくれる職人をユーザとして設定し、そのユーザ体験が良いものになるように考えなければ採用も育成もうまくいくわけがないとなります。そんな観点を持たずして、ただ職人不足だから募集してみた、と言うだけでは若者が集まるはずもないし、育成もうまくいく訳がありません。最近、この手の問い合わせをよくいただきますので、参考までに以下にその要点を書き出してみたいと思います。

理念の共有。

まずなんといっても1丁目1番地は、その会社が掲げる理念が職人に理解、そして共感できるものかどうかです。業種業態に関わらずですがやはりこれが非常に重要で、目的が明確になっていない組織は人が続かないのも当然ですが、特に職人は「今だけ、お金だけ、自分だけ」の思考に陥ってしまいやすい業種であることを理解すべきだと思います。「毎日クソ暑い中現場に出て汗を流すのは一体何のためなのか?」と言う問いに経営者も従業員も同じ答えを出せるべきだと思っています。

当たり前の環境作り。

2つ目は職人が働く環境が他業種に比べて遜色のないものになっているかです。当たり前ですが、建築職人はブルーカラーと言われる肉体労働者であり、暑い、寒い、しんどい、危険、汚いと厳しい条件下で作業を行います。その上所得が低く、保証もなく、先行きも全く見えないでは、若者は一瞬にして逃げてしまいます。職人が有給休暇を取るなんてありえない、なんて昭和時代の思い込みを捨てて完全に労働基準法に適合した社内規則を運用するのが基本中のきそうなのは言うまでもありません。

職人は技術が全てではない。

3番目は人生設計を組み立てられる様なキャリアプランを示せるかどうかです。現場にずっと携わって作業していると技術的な事は多少の遅い早いはあっても誰でも身に付けることができます。しかし、一通りの技術を習得できたから1人前の職人になるかというと決してそんな事はなく、前後の工程の収まりの理解や、資格の取得、工事の事前の打ち合わせ、技術職として施工図をかけること、クライアントとのコミニケーションや、若い人材の育成までできるようになり、なおかつ自分の仕事ぐらいは自分で受注できるようになってはじめて一人前の職人と呼べると私は考えています。

未来に目を向ける

ザ・職人と言われるには意外と多くの役割をこなさなければならず、そのキャリアの積み重ねによって所得も上がっていくべきで、技術と合わせて役割に応じたスキルの向上を目指してもらえるようにキャリアプランを明確に示すべきだと考えます。職人と言う職業は加齢とともに目が見えにくくなったり、生産性が落ちたりするのはやむを得ないことで、誰しもがそこはかとない不安を抱きながらも、自分の将来に目を伏せてしまう現状があります。それが上述の「今だけ思考」になりがちな職人の特徴だと思うのです。一生続けられる仕事として安心してもらえるように未来を提示することが不可欠です。

人の効果性を高める。

4つ目は著しいテクノロジーの進化で、あらゆる作業がAIを搭載したロボットに置き換わる落としている今、ロボットにはない技術以外の人間力を身に付けるための学習をする時間、そしてそれを継続出来る習慣を身につけさせることで、定期的に学び、考える場を提供することです。職人で「仕事が好き」とか「現場で働くのが好き」とか口にする者に限って、顧客の意図を汲み取れないとか、前後の工程への配慮が足らないとかで問題を起こすケースが少なくありません。目的意識の希薄さがそうさせるのですが、自分自身のあり方や人生における哲学の探求を行わないものは、いつまでたっても同じ過ちを繰り返します。技術だけではなく、人がそこにいると言う効果性を高めることに意識を向けてもらうべきで、これは事業所が寄り添って取り組まなければ絶対に前に進みません。技術だけを身に付けたらいい、現場がこなせたらいいと言った考え方を排除すべきです。

職人育成無くして未来無し。

以上、4つの項目を社内で整えることから職人の採用、育成は取り掛かるべきだと考えていますし、私がこれまでの15年間、何度も繰り返し行い続けてきたことでもあります。建築業界の職人不足はこれから加速度的に進んでいくのは誰もが認めるところです、やるなら今すぐにでもアクションを起こすべきですぐに取り組めば5年後にはある程度の成果に繋がるはずです。今日も相変わらずの長文になりましたが、少しでも参考にして頂ければ幸いですし、ぼんやりしていてよく分からないという方はお気軽に私(タカハシ)までご連絡を頂ければと思います。職人無くして完工無し、完工無くして売り上げ無し、建築業の本質であるモノづくりの担い手の育成を志す方には出来る限るのご協力を致します。


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【募集要綱】

募集人数 2名(1名採用決定しました残り1名のみ)

勤務時間 自由 (正社員及びアシスタント)

勤務地 神戸市

給与 勤務時間、日数により応相談

資格、年齢問いません。PC、SNSの基礎知識がある方

業務内容 提携企業の募集、調査、顧客からの問い合わせ窓口、紹介、マッチング、SNS等での情報発信

その他 人とのコミュニケーションが好きな方大歓迎!


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日時:2019年9月25日水曜日 14:00〜16:00
場所:有限会社すみれ建築工房
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