ラーメン店で公式LINEに登録しない理由。

令和2年5月28日快晴

基礎コンクリート打設。

今日も朝からやっぱり工事現場へ。工事中のインターナショナルスクールの現場では、何とか予定通り基礎コンクリートを打設することができました。工事期間中何度か雨が降りましたが、大きくスケジュールを狂わされることもなく、これですっかり基礎工事担当になってしまっていた私の役目も1段落、緊急事態宣言も解除されたことですし、そろそろ経営者としての仕事に戻りたいと思います。

ラーメン屋さんのサービス合戦。

ちょうどお昼に立ち上がり基礎の天端レベリングまで首尾よく終わることができたので、帰社する道すがら、やっぱり現場近くのラーメン店でランチをとりました。先日のブログに書きましたが、今私が通っている現場近く、神戸市の北の端から三田界隈は思いのほかラーメン激戦区で、多くのラーメン店が軒を連ね、生き残りをかけたサービス合戦を繰り広げておられます。今日立ち寄った店でも、携帯充電用のコンセントを貸しますとか、ブランケットありますとか、温かいお茶も出しますとか、およそラーメン店では見かけないようなオリジナルサービスを展開されておられました。皆さんとてもがんばっておられます。

オンラインコミュニケーション。

ラーメンをすすりながら、ふと目にとまったのは、公式LINEアカウントにお友達申請をすれば100円割引になると言う告知のカードです。そういえば、この界隈のお店では同様のサービスを多くのラーメン店がされており、替え玉が無料になるとか、ライスが付いてくるとか、特典は様々ですが、オンラインでお客さんとつながるための努力を皆さん熱心にされておられます。800円程度のラーメンで100円割引をすると言うのは、利益率を考えると経営的には非常に勇気の要ることですが、何もしなければただ待つだけの飲食店にとっては、大きなコストを支払ってでも、お客さんとつながりたいと思われるのもわからなくはありません。

残念すぎる事実。

ただ、残念に感じるのは私がどこのお店の公式LINEにも登録していない事実です。しかもそれは、友達申請しての特典に魅力がないわけでも、二度と来る気がないわけでもなく、ただ何と無くQRコードを読み取るタイミングを逃してしまっている程度で、これといって深い理由がある訳でもありません。私もラーメンが百円安くなれば嬉しいですし、おまけで餃子がついてくれば喜んで食べます。多分、オーダーの際に店員さんに「お得ですから公式LINEに是非登録してください!」と笑顔で声をかけられたら間違いなくスマフォでQRコードを読み取って、ありがたく特典の恩恵に預かると思うのです。

店員が登録を勧めない理由。

お店としては、せっかく時間と費用をかけて、顧客と繋がるツールとして公式LINEアカウントの運用を行なっているのでしょうし、お客さんは登録するだけてお得なサービスが受けられる。双方にメリットがあるはずなのに、ラーメン店の人が積極的にLINEへの登録を進めないのは何が原因なのだろうと、考えながらお店を後にしました。私がいくつか思いついた理由としては、①LINEの登録者数が増えても集客に結びついておらず、意味がないと思っている。②お客さんに勧めたら断る人が多くて心が折れた。③なんのためにLINEを導入したか理解していない。④深い理由なく、ただ面倒くさい。⑤経営者が独断で導入して、店員は内容が理解できていない。等々で、本当の理由は何かわかりませんが、どれにしてももったいないのは変わりがないと思いました。

上杉鷹山公の教え。

私が主宰している研修事業「職人起業塾」のなかに、上杉鷹山の経営学というカリキュラムが組み込まれています。破綻しかけの米沢藩を、領民への愛情、相互間の思いやりをベースにして「在り方」を見直し、信頼の輪を広げることで豊かな藩へと大改革を成功させた偉人として有名な鷹山公が当時徳川幕府が改革に失敗した理由、改革を阻害するものとして6つの問題を提起されたと言われます。それは以下の6つですが、このラーメン屋さんのLINE問題も全く同じだと感じた次第です。

  1. 改革の目的がよくわからないこと
  2. 推進者が一部のエリートに限られたこと
  3. 実務者に趣旨の徹底がなされていないこと
  4. PR喚起がなされなかったこと
  5. 改革から生み出される価値を分かち合わないこと
  6. トップが指示命令のみで方法を押し付けたこと

スモールビジネスの鉄則。

これまで待ちの商売と言われて来た飲食店が、来店した客とオンラインで繋がりを持ち、お得な情報やお店のアピールを行なって再訪を促すというのは大きな改革といっても過言ではないと思います。近年、インターネットで食べログやホットペッパーなどのプラットフォームに広告を出して集客を行う手法が広く普及しましたが、その結果、少ない利益をプラットフォーム事業者に吸い上げられる構図が出来上がり、飲食店や美容室などで、お店に残る利益よりも宣伝広告費の方が多くなったという話がいくらでもあります。そんな中、コツコツと店舗に来たお客さんにリピートしてもらえるように繋がりを持つというのはスモールビジネスの事業者にとっては鉄則と言っても良いくらい非常に重要なはずにもかかわらず、LINE登録に対して客も店員もスルーしてしまっている現状は残念でなりません。

何をやるか、どうやるか、何の為にやるか。

何をやるか?よりも、どうやるか?変化を目指しての取り組みはどのレベルで行うかが非常に重要で、システムを導入した時点で、満足してしまっては何をやってもうまくいかないのは自明の理です。そして、どうやるか?よりもどうあるか。なんのためにそれをやるのかという目的意識を明確に持ち、それを全員で共有して向き合うことが、改革、革新の肝なのだと、ラーメン屋さんで改めて勉強させていただきました。激戦地のラーメン屋さんの公式LINEアカウントの残念な運用を他山の石として、自社の取り組みに生かしたいと思います。ごちそうさまでした。


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