令和2年12月2日快晴
超夜型人間の朝活
水曜日は朝活の日、今日も夜明け前から起き出してみっちり2時間BNIビジネスミーティングに参加しました。この時期の早朝6時半と言うと外はまだ真っ暗で、かすかに朝日が昇ってくる東の方向が赤く染まり始める位の時間、夏の早朝も気持ちが良くて好きですが、冬の凛とした空気感が漂う夜明け前の時間も(3年も朝活を続けていると)すっかり好きになりました。私はそもそも超夜型人間で、朝起きるのが苦痛だと思っていた一昔前から比べると、今ではすっかり朝起きに対してポジティブな印象を持っており、まるで天地がゆっくり返った位の大きな違いです。人は環境に合わせる生き物だと言いますが、まさにそうだと体感しています。
53歳のパラダイムシフト
天地がひっくり返る位の意識の転換のことをパラダイムシフトと言います。スティーブン・R・コヴィー博士の「7つの習慣」にある女性の様に見える絵が実は老婆を描いた絵であるというのは有名で、見方や解釈で世界は全く違う事実になると言われます。実は最近(また)私にそのパラダイムシフトが起きました。それは芳村思風先生の感性論哲学に書かれてある「考えるな、感じろ」と言う言葉の意味がようやく腹の底から理解できたことで、「人間は考える葦である」とのプラトンの有名な言葉にあるように、私は考えるからこそ人間だと思い込んでいた節があり、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」と言う有名な成功哲学を信じ込んで来ました。ただ、ぼんやり考えているだけで何でも思い通りになるとは思っておらず、思考→行動→習慣のプロセスを踏めば、大抵のことは達成するのが原理原則だと思っていたし、長年その実践に努めて来ました。
男子に二言無し。
しかし、自分自身の事はさておき、経営者となって、事業所を率いるリーダーともなれば、自分が行動するだけで良いわけは無く、スタッフに事業計画を伝えて動いてもらわなければなりません、また、一般社団法人職人起業塾で行っている研修事業は企業から職人等の現場実務者の従業員を預かって、原理原則論を中心に理論を教え込みますが、これも実際の業務に反映されなければ全く意味も価値もありません。自分だけではなく、他者を動かすのに私がとってきた手法は理論構築であり、ロジカルに理詰めで追い込んで行き、最後には「やります。」と言わざるを得ない状況を作る事です。それは、自分が子供の頃から、「男子に二言無し」とか「吐いた唾は飲まない」と言った昭和真っ只中の価値観にどっぷりとハマり、それが前提条件として成り立っているものだとばかり思い込んでいたからに他なりません。
言葉と裏腹は珍しくない。
しかし、実際は、やる。と言ったからやる訳ではないし、分かりました。と言ったから心底納得した訳でもない、結局、やるはずの事をやらない、進むはずの事が進まないなんて事が数多く起こります。私は、どんなに納得してなくても、最終的にやると言ったらスッパリ諦めてやるし、口と裏腹の行動を取るなんて子供の所業だと長年思っておりましたが、どうやら世の中はそんなに単純には出来ていなかった様で、このおかしな現象はやらない者の個人的な問題ではないか、と片付けてしまおうとしていました。しかし、その傾向は年々加速している様に感じて密かに悩んでおりました。
「考える人」は石の様に動かない。
芳村思風先生が提唱し、行徳先生が世に広めたと言われる感性論哲学は思考ではなく感性こそが人間が重きを置く重要なことで、考えるのではなく、感じろ。との言葉はその概念を如実に、端的に言い表しています。行動を決定するのは脳の新皮質と言われる思考回路ではなく、脳幹周りの感情を司る部分だと言われていますが、確かに人は考え込むと動かなくなり、感動すると即行動に移します。これが真実だとすれば、私が得意として来た理詰め、理論武装、論破、ロジックで人を追い込んで行くやり方は、行動を促すどころか、逆に凍りつかせて人の動きを止めてしまう所業です。ひょっとしたらこちらが本当じゃないのかと今頃になって気づいたのです。
関ジャニ∞の村上くん
先日、実践人の会の勉強会に参加した際、パネラーとして登壇された行徳先生の口から「関ジャニ∞の村上くんを知っているか?」との意外な言葉がこぼれました。なんのことかと思いきや、なんでも村上君が感銘を受けた本と言うことで芳村思風先生と行徳先生が対談した「今こそ感性の時代」という書籍を紹介したらしく、10年ほど前に出版された書籍であるにもかかわらず、今になって増刷を重ねる爆発的な売れ行きを見せているとの事でした。偶然にも感性論哲学にもう一度学び直すべきではないかと思っていたタイミングでもあり、事業所のミニ図書館、つむぎ文庫の書棚にあったその本を改めて読んで見ました。私は感性論哲学を全く知らなかった訳でもなく、芳村思風先生や行徳先生の本も何冊か読んでいるはずなのに、その本に書いてあること全てがずっしりと腹に響き、今までの自分の思考が真逆だったと気づかされたのでした。
今こそ感性の時代
この本には、なぜ論理思考がダメで感性を磨く必要があるのか、その事でどのような効果があるのかがわかりやすく書かれており、なぜ野生の動物には無く、人間だけが特性として持つと言われてきた理性が意味を為さないか、その理由を延々と書き連ねています。その中で行徳先生の十八番と言われる野鴨の話ももちろん語られており、これからの混迷の時代を乗り切るには理性ではなく、野性(感性)が必要であり、人は考えるのではなく感じろ。と繰り返し書かれています。そこに書かれている引用やエピソードは、なるほど!と共感させられることばかりで、読み進めれば進めるほど、その度合いは深まって、これまでの自分の価値観が音を立てて崩れ去るのを感じました。まさにパラダイムシフトです。今日から、年末に向けてスタッフとの個人面談をスタートしたのですが、その面談の中でも、これまで理詰めで行動を促してきたことの謝罪と、我々が目指す四方良しの世界の実現に共感(感じて)してもらえるか?と丁寧に話し合いました。パラダイムシフトが新たなステージへの鍵になる事を大いに期待しつつ、感じてもらえるコミュニケーションを心掛けたいと思います。
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