「安全側思考」が日本をダメにする。#ギリギリチャレンジ

令和3年2月3日曇りのち晴れ

緊急事態宣言延長決定。

兵庫県を含む10の都道府県で3月7日までの緊急事態宣言の延長が正式に決まったようです。小さな規模で営業されている飲食店にしてみれば、時短要請に応えて1日60,000円の給付金がもらえるのは、かなり大きいことで喜んでおられる方もおられると思いますが、そこそこの規模で営業されているお店にとっては目の前が真っ暗になるほどショックだと思うし、大都市圏の経済全体で見るとおいそれとリカバリー出来ない程の大きな打撃になるのは明らかで、大方延長されるだろうとの見通しが大半だったにしても、実際に延長が決まったのを耳にすると非常に厳しい判断をされたと感じてしまいます。

安全側での判断。

兵庫県でも全国でも、新型コロナの第3波による新規感染者数はピークを過ぎたようで少し下降線になりつつあるようですが、重症者数は蓄積して増え続けており、今の段階で緊急事態宣言を解除するわけにもいかないのもよくわかります。また、解除すると一気に弾ける様に街に人が溢れるのも想像に難くありません。とにかく、人の命がかかっている問題だけに、安全側での判断を余儀なくされるのも当然ですし、解除する、しないのどちらの判断をしてもバッシングを受けるのは決まっているだけに、緊急事態宣言を発令したその日に会食をする位、本当は危機感を感じていなかった菅首相も慎重論を重んじて安全策を取らざるを得なかったんだと思います。

ポピュリズムの加速。

先日、このブログでも書きましたが、この一年に及ぶコロナ禍で日本のポピュリズムが一気に加速しているのをひしひしと感じます。SNSが発達したことによって一般市民がいつでも誰でも声を上げれるようになり、特に匿名での発信は攻撃的になりがちで、Twitterなどはこれまで弱いとされていたものが大きな権力を持つ者に対して反旗を翻す格好のツールとなりました。その矛先が政権与党や菅総理に向かう当然の流れですが、そんな集団心理に対して政府が忖度してしまうことこそ、衆愚政治になる入り口で、できるだけ差し障りの無い無難な選択ばかりを重ねて誰も責任を取らないどうしようもない世の中になってしまうのではないかと大いに危惧しています。

リスク無くしてゲインなし。

安全側で判断をすると言うのはリスクマネジメントの基本であり、建築計画を立てる際でも常にそれを意識して判断を積み重ねるのが実は私たちも半ば癖のようになってしまっています。設計の場面でもそうですが、工事のスケジュールや、工事にかかる費用を積算する見積もりでも常に安全側に振っておきたい誘惑に駆られます。しかし、安全面を見てリスクを避けようとすればするほど後期は長くなり、見積もり金額は高くなり、無難なデザイン、設計の建物しか建たなくなります。リスクを取らなければゲインは無いと株式投資の世界では良く言われますが、安全側に寄った判断と言うのは結局チャレンジを排除する考え方でもあり、世の中をくだらないものにしてしまう危険性を内包しているのです。

延期よりも短縮

コロナ感染者のグラフの推移を見てみると、完全にピークが過ぎた様に見受けられます。結局、年末年始に多くの人が動いたのが感染拡大に繋がって、緊急事態宣言の効果が本当にあったかは微妙な感じですし、検証も出来ないのでしょうが、冷静にグラフの示す数字を見ると、あと4日後に緊急事態宣言を解除しても良さそうに見えます。あえて1ヶ月もの長期間の延長に踏み切ったのは、感染者数の推移を見て、解除はいつでも出来るという打算?が働いたとしか思えません。本当に必要な延長の日数を考えること自体をやめて、安全側に逃げた様に映ります。多分、緊急事態宣言による影響の大きな業態の方は、1日も早く通常営業に戻りたいと思って、タイミングを見計らっており、額面通り1カ月丸々延長されることはないと考えておられると思います。政府が考えるのをやめた負担が事業者にしわ寄せとなってしまっていると思います。

ギリギリを狙うチャレンジが未来を切り開く。

銀座のクラブのママさんの窮状を救いたいとお忍びで食事に行って同伴出勤しただけで国会議員が離党や辞職を余儀なくされるセンシティブ極まりない世の中、出来るだけ叩かれない様に大人しくしておくのは大人の選択ではあります。しかし、「安全側思考」がこのままの勢いでどこまでも極まっていくのは本当に恐ろしいと感じます。最近、仲間内で話題によく上る書籍「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」に、沖縄の人々は「目立つ行動をする人物を嫌う」「現状維持を好む」などの傾向があり、その結果、「個性的な人や有能な人材をつぶす」「イノベーションを起こそうとしない」といった問題が起きており、これはそのまま世界から見た日本の縮図であると書かれているとのこと。(まだ読んでません)この同調圧力に弱い国民性にこれ以上安全側思考が強まると、どうしようもなくなるのではないかと心配です。せめて私たちは小さな事からでも無難ではなくギリギリを狙うチャレンジに取り組みたいと思いますし、その気概なくして真の顧客満足など得られるわけがないと思うのです。リスクをとる覚悟と責任を持って仕事に向き合いたいと思います。


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