どうやるか、では無く、どうあるかやろ。

11月8日 曇りのち晴れ

 

出来ない理由。

曇天の広島のホテルからスタート。
午前中は私の編集担当?の広島の出版会社メディアジョンの堀之内くんのアテンドでJBN広島の会長のところへ御挨拶に出向き、職人育成の礎となる職人起業塾の広島開催実現に向けて、ご理解と御協力のお願いにあがりました。

建築業界からすっかり心が離れてしまった若者の入職者を増やすには、他業種に比べて見劣りのしないレベルまで工務店が大工の正規雇用、社会保障整備に取り組まなければならないのは誰もが分かっている事。しかし、そんなに簡単に出来るものではないのが現状です。実際、労働基準法に適合した就業規則を準用して社員大工を雇用している工務店は非常に少なく、おいそれとはそこに踏み切れない理由は山の様に積み上がっています。

 

 

出来ない理由ではなく、出来る道を探す。

これまで、国交省が行なって来た大工育成のプロジェクトは大工の技術を継承させる事に特化、技術面を重視してきましたが、育てる事と企業が収益を上げる事が整合していない、また技術だけを覚えたしても外注の大工さんに比べて社員大工の方が収益を上げられるかというとそんな事もなく、はっきり言って職人の正規雇用に踏み切りそれを継続するのは企業側のメリットが少なく感じられています。

出来ない理由を並べ立ててもしょうがない、学生が大工として就職したいと思える企業にならなければこれから急激に加速する職人不足は絶対に解消されない事を考えると、単純に金額的なメリット、デメリットだけで諦める訳にはいきません。そのジレンマの解消にはこれまでの職人の働き方のままではなく、根本的な変革が必要だと思っています。

要するにどうやるか、という瑣末なことでは無く、どうあるか、という根本的かつ本質的なところにフォーカスするべきだと思うのです。

 

 

技術ではなくマインド。

その解は職人の育成の方向性にあると思っています。技術の習得はモチロン重要ですが、私自身の経験則から言うと、現場に出て作業を繰返していると(モチロン覚える気があってこそですが、)技術は自ずと身に付きます。

そんな事よりも職人は現場で働く事で収益を上げる事に意識を持ち、しかもそれはその場だけの事ではなく、未来の収益につながる思考を持って作業なり、顧客対応なりを出来る様になるべきだと思います。

稼げない職業は衰退し、そのうち市場に淘汰され無くなってしまいます。職人の社会的地位の向上は絶対に自らの自助努力をもって稼げる職人への変革=マーケティング理論の習得と実践が不可欠だと思っています。

 

 

完工無くして売上げ無しの大原則。

いくら集客が得意で、受注を重ねる事が出来たとしても工事が出来なければ一切の売上げは成り立ちません。職人を守り、育てる事が出来なければ5年後、10年後の建築業界は衰退の一途を辿ります。若者を稼げる職人にすべく教育することは間違いなくその解決策になると思ってます。その為に、職人を正規雇用していないとしても、先ずは現場監督や設計士等の実務者が現場基軸のマーケティング理論を習得し、現場重視の社風を作り上げなければならないと考えており、私たちは研修事業を通してその社内風土作りのお手伝いをしています。

そんな職人起業塾の取り組みですが、今回の広島セミナーでも多くの方に共感を持ったとの声を頂く事が出来ました。確実に、そして大きく建築業界は変わりつつあることを肌で感じる事が出来て、すみれが創業時から掲げる『職人の社会的地位の向上』への大きな一歩を進める事が出来た様に思います。

この度のセミナーにお運び頂いた方も、興味があるけど、と言われつつお越しいただけなかった方も ありがとうございました。

お声掛け頂けましたら私はいつでも個別のご説明をさせて頂きますのでどうぞお気軽にお声掛け下さい。

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