令和3年2月10日快晴
論語と算盤
火曜日に引き続き、水曜日も朝活の日。火曜日の倫理法人会はビジネス抜きで経営者としてのあり方を見つめ直し、姿勢を正す原理原則を学ぶ時間、それに比べて水曜日のBNIはメンバー間でがっつりとビジネスのサポートをしあう1業種1社限定の異業種ビジネス交流会との位置づけになっており、ひとえに朝会といっても全く逆のスタンスです。私は現在、大河ドラマで渋沢栄一が取り上げられるのを機に、論語と算盤を読み直しておりますが、まさに倫理法人会とBNIは両輪だと思っています。
Givers Gain
BNIなる朝の異業種交流会の理念はGivers Gain(与ええる者は与えられる)となっており、私もその理念に強く共感してかれこれ3年に渡って活動を続けています。本日ビジターゲストとしてご参加いただいたサードビジネスの提唱者であり著作家の清水ひろゆきさんは参加してみての感想で「ギブアンドギブのコミュニティーがリアルに存在する姿を見て非常に感銘を受けました。」と言ってくれておりましたが、まずメンバーに貢献する事を主眼に置いて活動することでメンバー間で信頼の話を広げ、それが全体のビジネスの発展に繋がっていく仕組みは非常に素晴らしく、信頼できるありとあらゆる専門家が揃うチャプターは実際、実業でも大いに役立たせてもらっています。
理念の共有
まさにGivers Gain。共に掲げる理念を深く理解し、実際の行動に移しているメンバーの姿を見ると信頼の絆が深くなり、紹介してあげたい、応援したいと心から思えるようになると同時に理念の共有の重要さを日々感じています。ちなみに、昨夜リフォーム業者の集まりであるTOTOリモデルクラブの「経営革新会議」なる勉強会で、小規模事業者に経営理念は必要か?と言う非常に根源的で深い問いが話題になりました。この勉強会は「やり方」ではなく経営者としての「あり方」を考え直し、経営を革新していこうと言う高い志から生まれた勉強会で、3人の経営者が「何のために事業を行っているのか」と言うテーマに沿って発表されました。
何の為に?との命題
3名の経営者は事業規模も創業してからの年数も様々でしたが、共通していたのは、経営理念を明文化して明確にしていない事でした。「何のために事業を行なっているのか?」との命題にに対する答えは顧客に喜んで貰いたい、従業員に幸せになってもらいたいとの至極真っ当なもので、職業人として、経営者として誰しもが持つ想いではありましたが、その実現に対して深く掘り下げて考えているという印象を受ける事はありませんでした。たしかに、額縁に入れて飾る経営理念が無ければならない訳はなく、上っ面の理念を掲げても意味はありません。しかし、何のために?と問われた時に答えに躊躇うのは大きな問題だと私は感じました。
当たり前過ぎて作る気にならない。
一人の社長曰く、「顧客の為とか、社員の為とか当たり前すぎてわざわざ掲げる気にならない」と言われていました。それは、そもそも社員20人以下程度の小規模事業者に経営理念が必要か?と言う問いであり、実際、そんな堅苦しい、面倒な事をしなくても事業は成り立ちますし、その方は私よりも長く事業を継続されています。私の場合は顧客接点でも、社員間でも、取引先とでもスタッフ全員が同じ判断基準を持ってコミュニケーションを取ってもらいたい、それは常にイマカネジブンではなく、他者貢献、本当の価値、未来を良くする選択です。
理念の必要ない組織
人は基本的に良心を持っていて、特に一緒に仕事をする仲間が悪い判断をするとは思っていません。しかし、人間はそんなに強い意志を持ち合わせていないのも事実だと思っていて、時間に追われていたり、忙しかったり、心に余裕が無くなると、本来選択すべきではない行動を取ってしまうことがあるもので、それが顧客や社員間や取引先との関係に深い溝を作ります。その現実に向き合った時、当たり前の事を絶対に忘れない様に当たり前のことを日常的に繰り返し、心に刻み込む必要があると思うのです。スタッフ全員、そして自分自身がが絶対に間違いを起こさないメンバーになった時、経営理念は必要無くなると思うのです。そんな境地にたどり着けるは甚だ疑問ですが、、
当たり前のことを非常識なレベルで。
私達、株式会社四方継は「四方良しの世界の実現」を理念に掲げています。自分達、顧客、取り引き先、そして地域社会の全てが良くなる選択をスタッフ全員と共に愚直に積み重ねていきたいとの私の願いでもあり、決意表明でもあり、ダイレクトに昨年新しくした社名に反映させました。いつか、もう経営理念など必要ないと言える組織を目指してスタッフと繰り返し、当たり前過ぎることを非常識なレベルまで取り組んで行きたいと思います。経営理念など要らない組織、心から憧れますし、目指したいと思います。