半夏雨に思ふ。

令和2年7月3日 雨

半夏生に降る雨。

大人しくしていた梅雨前線がまたまた活発になってきたとかで、この週末は随分とまとまった雨になるそうです。半夏生の時に降る雨を半夏雨と呼ぶらしいですが、昔から田植えを終えて百姓が一休みできる頃、まとまった雨が続いて川の氾濫などが起こりやすい季節の雨で注意喚起の名前だそうです。ここ数年、夏から秋にかけて50年に1度とか、100年に1度の大雨や、生まれてこの方見た事がないほどひどい被害に見舞われる台風が毎年のように襲来しては大きな被害をもたらしています。避難所に逃げ込んだらコロナの感染が危惧される今、半夏雨があまりひどい雨にならないことを祈るばかりです。

工務店の使命。

二四節気の暦通りに降る雨に足並みを合わせた形のように、今日は朝から漏水関係の問い合わせや相談が事務所に相次いで入りました。私のiPhoneにも創業当時のずいぶん昔から仲良くさせていただいているお客様から電話が入り、私も緊急対応に出動したりしました。決して人様の困った顔を見るのが好きなわけではなく、人の不幸を喜んだりはしませんが、それでも豪雨や台風、地震などの自然災害に見舞われ度に私たち建築業界は否応なしに忙しくなります。因果な商売だと思うこともしばしばですが、今日のように緊急の水漏れで困っておられるお客様宅に行って、即日に問題を解決できた時は嬉しいものですし、それこそが地域に密着した建築会社の最も重要な使命ではないかなんて思います。

施工力こそが本質。

今日も改めて感じたのは、困り事の電話が入った際に、すぐに様子を見に行く事も大事ですが、そこで原因を解明したり応急処置を施していてこそ本当の価値があると思いました。被災現場を見に行ってえらいことですねと、同情したところで何にもならないですし、それから職人を手配しますと時間をかけてしまったら問い合わせから早い対応をしたところで大した意味はありません。現場に必要なのは施工力に基づいた経験と知識であり、実際に工事ができる力なのは誰しもが認めるところだと思います。地域の方が求めているのは、見に来てくれる人ではなく、直してくれる人なのです。

モノづくりの力。

先日のブログにも、建築会社、地域に根ざした工事店こそが時代の変化に押し流されることなく、長きにわたり事業を継続できやすい業態だと書きましたが、それは、地域に住む人のインフラやライフラインを支えている重要かつ不可欠な職種であるというのが非常に大きな要因です。自然災害等で多くの人が困ったときに、頼りになる存在であればこそ、その存在価値を発揮できるわけで、白いシャツを着てネクタイをしめた営業マンが束になっていても非常時には一切役に立ちません。本質的な価値を守り、多くの人に必要とされるようになるには、建築業はやはり、本質であるものづくりの力を蓄え磨くべきだと思います。

つくり手と住まい手の乖離。

しかし、本当に残念なことですが、現在の住宅業界は作り手と住まい手が直接つながって家を作ることが非常に少なくなっています。建売と言われる分譲住宅は、不動産販売に強みを持った会社が建てて、法律に従って10年保証が付加されていると建前上はなっていますが、現実は売りっぱなしでおしまいです。数少ない注文建築の分野では、大手ハウスメーカーと言われる広告宣伝と、営業力に長けた会社が大きなシェアを握っており、しかも、資本力があることを背景に安心をウリにしていたりします。神戸の震災の時もそうでしたが、被災者がハウスメーカーの営業マンに助けを求めても、屋根のブルーシート1枚かけられない、と嘆いていたのを今もよく覚えています。

顕在化し始めた圧倒的な職人不足。

大自然の大いなる力の前には私たち人間はあまりにも無力です。半夏雨も台風もただ黙って受け入れ、やり過ごすしかありませんが、そのリスクを回避するためには私たちのような作り手を育てる会社がもう少し増えていかなければなりません。朝の情報番組で大雨が降りそうな気配を前に昨年の台風で甚大な被害を被った千葉の被災地を取材していましたが、1年近く経った今も未だブルーシートをかぶったままの住宅が数多くあるとの事でした。圧倒的に減少を続ける職人、それを育てる会社が力を失った事により、被災地の復旧、復興が遅れており、これまで水面下で進行してきた職人不足が日本全国で顕在化し始めています。それを防ぐにはつくり手を育てる会社が販売力、その存在と価値の認知を広げる力を手に入れて、住宅販売会社やブローカーの様なハウスメーカー、ビルダーからシェアを取り戻すしかありません。

人材育成はマーケティングと表裏一体。

私が建築会社の経営を行いながら、古典的マーケティング理論を切り口にした研修や勉強会を主催し続けている理由はそこにあり、地域に根ざしたモノづくりの会社が自社の強みを磨き、それを広く知ってもらう力を身につけると同時に、建築会社の本質であるつくり手の人材育成を行える財務体質を整えてもらいたいとの想いを強く持っているからに他なりません。そして、先行投資でもある人材育成とマーケティングの構築は常に一体です。稼ぐ力を身につける事こそが地域を守る存在になれると考えています。そんな無料の勉強会を今月もオンライン併用で開催します。全国どこからでも気軽に参加して頂けますし、原理原則に則った商売の理論構築に向き合ってみる事で視野を広げ、視座を高めるきっかけを見出してもらえる様にしたいと思っています。お気軽にご参加ください。→第83回【元祖】職人起業塾改め「継塾」#無料オンライン開放


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コミニケーションツールとしての散髪。

令和2年7月2日晴れ

カリスマからの学び。

多くの刺激と気づきと学びをもらった津を後にして神戸に戻ってきました。午前中はいつも何かとお世話になっているカリスマ左官、淡路島の植田親方が神戸の観光名所、北野にある異人館の修復工事を建設当時の伝統的な工法で修復されているのをfbで見かけて、後学のために無理をお願いして現場を見学させて貰いに行きました。植田親方にはいつも伝統的な左官技術の素晴らしさと、本質を守りながら最新の技術を取り入れる柔軟さを、業界の第一人者である圧倒的な説得感でご教示いただいています。今回も、神戸を代表する伝統的な建築物を今ではすっかり使うことがなくなった昔ながらの技術で施工されているのを細かくご説明いただき、非常に勉強になりました。世界に誇る日本の技術が廃れない様に次世代の職人に受け継いでもらえる業界にしなければと改めて感じた次第です。

継ぐ使命。

昼からは、15年ほど前に新築工事をさせていただいたお客様宅に、メンテナンスのご連絡をいただいて伺いました。「お久しぶりでございます、お変わりなく何よりです。」とご挨拶をしながら、近況を伺うと、工事をさせてもらっていた当時、まだ小学生だった子供が立派な大人になっていたり、お孫さんがたくさんできていたりと、あっという間のように思っていた15年の年月の大きさを感じさせられました。何かあるたびにお声掛けいただき、長いお付き合いができるのは本当に建築屋冥利に尽きるもの。工事を終えた後のアフターフォローはお客様と私達との約束であり、私達が建てた家が次世代に引き継がれる事を考えれば、これからも安心して暮らしていただけるように、永遠に続く会社になるように頑張りたいと思いました。

コロナの思わぬ影響。

夕方、事務所に戻ってきてからしばしの時間を見つけて、近所の床屋さんに散髪に行きました。私は、短髪で髪の毛が伸びるのが目立ちやすい髪型なこともあり、10日に1度、月に3回程度散髪に行くようにしています。このところ、コロナの影響で散髪屋さんが営業自粛しておられていたり、緊急事態宣言明けと同時に改装工事で営業されていなかったりが続き、なかなか散髪に行くことができずに、近年まれに見る位髪の毛が伸びてしまいました。私を含めおっさん連中は大体皆さん同じだと思うのですが、行きつけの床屋さんに行くと「いつもの通りで良いですね?」と言われるがまま、ずっと同じ髪型になってしまいがちです。この度、期せずしていつになく髪の毛が伸びたのでこれを機会にイメージチェンジを図ってみようかと密かに考えておりました。

モデルはブレない男

床屋さんの椅子に座って、マスターに「いつものように」ではなく、何かイメージチェンジをしようと考えていると伝えたのですが、だからといって急に長髪になるわけでもなく、時間をかけてパーマをあてたりしたいわけでもなく、結局普段より少し長めに髪の毛を残しておく程度になってしまいます。どうしたものかと考えてふと頭に浮かんだのは、コロナの間にすっかりハマったNetflixで見た韓国ドラマ『梨泰院クラス』の主人公の短髪だけども特徴的なイガグリ頭です。多分、生まれて初めてだと思うのですが床屋さんで韓流スターの写真を見せて、「こんな感じでお願いします。」と恥ずかしげもなく頼んでみました。マスターは含み笑いをしながら、「髪質も違うし、セットしなければこんな風には、なりませんよ。」と前置きをして、それでも一応、圧倒的にぶれない男として人気を博している主人公のパクセロイに沿った感じで髪の毛を切ってくださいました。

ミーハーなオヤジ。

髪型が変わったくらい、見た目が少し変化したからといって別段、人としての中身が成長するわけはなく、あまり大した意味は無いと思っていたのですが、散髪を終えた後、ガラス窓に映った自分の姿を見てみると少し韓国風の仕上がりになっていて、信念を貫き、「人」と「信頼」を理念に掲げ、韓国経済界でのし上がっていった主人公の面影を自分の中にほんの少しですが見出してしまいました。(笑)  その後、同業の経営者さん達と食事に行ったのですが、その際に、ぶれない男と同じ髪型になった私は、(ミーハーで流行に弱い馬鹿なおっさんだと失笑を買いながらも)私もパクセロイと同じように信念に生きるんだ!的な軽口を叩き、すっかり悦に浸りました。

ノンバーバルコミュニケーションの重要性。

有名なメラビアンの法則の提唱者のアルバート・メラビアンによると、感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合で、ノンバーバルと言われる非言語のコミニケーションの方が大きな影響を与えるとの事でした。私は、2005年に出版され100万部を超えるベストセラーとなった竹内一郎氏の著書『人は見た目が9割』の様な偏った考え方が結構世の中に逆説的な常識としてはびこっているのでは?とずっと違和感を感じていまして、やっぱり見た目よりも中身が大事派を押し通しておりましたが、今回、見た目を変えるとコミュニケーションが変わり、伝える内容が変わり、周りへの影響が変わる事もあるのだと改めて気づくことになりました。非常にわかりやすい見た目に変化を起こすことで、伝えたいメッセージを語るきっかけが生まれたり、意図を汲んでもらえることでコミニケーションが円滑になることも多いのを自分自身のたかが散髪をきっかけに、体感することになりました。髪の毛なんて、寝癖がつきにくければ良いとこれまで全く構いませんでしたが、少しは気をつけて、当分韓流スター風でいってみることにします。ちなみに、少々の無理を言っても叶えてくれる腕利きの床屋さん紹介できます。(笑)


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カリスマ経営者の遺言。#継ぐ価値

令和2年7月1日 雨のち晴れ

2020下半期スタート!

株式会社四方継の第20期の後半戦のスタートなる7月の御朔日は水曜日と言うことで定休日。私は尊敬してやまない三重の先輩経営者の引退記念のゴルフコンペにお誘いを受け、コロナ明け初の県外へのゴルフに津市に来ています。大工から事業を起こされ、三重県でナンバーワンのリフォーム会社に育てあげられて、非公開株のまま22年目に全株式を売却、この度、還暦を機に会長職を退かれ、新たなスタートを切られる神田会長のお祝いに馳せ参じた次第です。天候に恵まれたゴルフのほうは相変わらず残念なスコアでしたが、かなり久しぶりに全国の知り合い、仲間と顔合わせ、和気あいあいとグリーンコミニケーションを楽しみました。コロナによる影響の情報交換もできて、充実した時間となりました。

コロナの影響。

今回全国から集まっておられた、各地で抜きん出た業績を上げられている工務店やリフォーム事業者の経営者の皆さんとお互いの近況報告がてらコロナによる影響や、今後の見通しなどを聞いてみて感じたのは、他の業種業態、特にサービス業に比べ、私達の業界はかなり影響が限定的だと言うことです。もちろん、緊急事態宣言下で世の中が全体的に自粛ムード一色になっていた時の売り上げはどこも下がってはおりますが、そもそも数カ月先まで受注残がある私たちの業態は、急にすべての仕事が止まってしまうことにはならず、また、住宅事業は不要不急ではなく、必要火急なインフラ、ライフラインを支える事業でもあり、地域の人々の暮らしを支える役目を担っており、絶対になくなる事は無いのだと、今回のような急激な変化にも耐えやすい業界だと改めて強く感じました。

カリスマの遺言。

そんなことを思いながら昨夜の宴席の後、いろんな経営者さん達に様々な話を聞かせてもらっておりました。その中でも、和歌山の有名な新築を中心にした事業所の経営者の言葉が強く印象に残りました。その方が口にされたのは、「先代の社長は建築だけではなく、ありとあらゆる事業を行い、先見の明を持っていたことで大きな成功を収めて、和歌山県で誰もが知るような不動の地位を築いたのだが、そのカリスマ経営者から事業を引き継ぐ際に申し渡されたのは、他の業種はさておき、建築の事業だけは絶対に手放すな。と言われた」とのことでした。よくも悪くも建築の事業ばかりを20年以上続けていた私たちとは、レベルが違う大きな視点を持って、財を築かれたカリスマ経営者の言葉に、私がぼんやりと考えていた建築業の位置づけがぴったりと重なった事に驚くとともに、大きな勇気を与えられました。

継ぐこと自体が価値。

そのカリスマ経営者が建築業を旗艦事業として続けるように言われた理由は私には明確に理解できるわけではありません。アミューズメントから金融業、公共工事まで多方面に事業展開されているからこそ見える事もあるでしょうし、私が感じていたのとは全く違う観点からそのように言われたのかもわかりません。しかし、結果として建築の仕事を継続していくべき最重要な事業だと位置づけされたことに大きな意味があると考えます。世界で最も長く存在している企業は法隆寺の建築に携わった金剛組だと言うのは非常に有名です。事業の成長、拡大ももちろん重要ですが、継続していくことに価値の重点を置くならば、人々の営みを支える我々建築業こそ、重い責任も伴いますが、非常に価値のある、そして世の中の環境の変化に強い事業なのかもしれません。神田会長が選択された事業継承のお話を含め、改めてそんなことに気づかされた津での二日間になりました、ご縁に心から感謝いたします。ありがとうございました。

 

 


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自然経営 JINEN KEIEI

令和2年6月30日雨

令和2年の折り返し。

6月も今日でおしまい。令和になって初めて迎えた新年からあっという間に半年が過ぎ、今年も今日で上半期が終わります。今日の神戸は久しぶりに梅雨らしく、1日中強い雨が降り続けました。激しい雨とともに、風も強く淡路島との橋が通行止めになるほど、令和2年の折り返しは今年の上半期を象徴するかのような大荒れの天気になりました。そんな激しい変化があったこの半年を振り返りながら、今週から半期に1度の社員全員との個人面談がスタートしており、あらかじめ入っていた予定以外は、スケジュールは全てすべてスタッフに向き合う時間で埋め尽くしています。

面談の2つの目的。

経営者が社員全員と膝を突き合わせて1時間近くの面談を行うのは、結構な時間とエネルギーを要するもので、良いか悪いかは別として、我々くらいの20人程度の事業所の規模までしかできないのではないかと思っています。面談の目的は大きく2つあり、1つは役割分担した仕事量の進捗確認とそれに対する評価。もう一つは業務改善提案と言う名のスタッフからの経営に対する批判や意見を聞く場となっており、言いたいことを何でも言ってもらい、出来る限り次の半年後の面談までにそれらの問題点を解決するように努力することをを約束します。もちろん私からの要望を伝えることもありますが、基本的にはスタッフに働きやすい環境を提供するためのヒアリングの時間にしています。

改善を繰り返してきた長い歴史。

今の本社ビルに移転してからかれこれ15年間、毎年繰り返し社員の声に耳を傾け、(最近ではずいぶんマシになりましたが)やもすれば愚痴や不平不満とも取れるようなネガティブな言葉と、私への正面切っての批判を聞き続けています。たまに心が折れそうになることもありますが、それでもスタッフにとって皆がやりがいのある、働きやすい職場環境にしたいとの思いでそれらの言葉を真摯に受け止め、(私自身を含め)改善を繰り返してきた歴史があります。もちろん、未だに組織として成熟し、完成形に近づいてきたとは言い難いし、全く思いませんが、それでも人事制度や評価制度、組織の形態自体も毎年のように繰り返し見直して修正改善を繰り返してきました。

水と油。

私としては、もちろんスタッフから不平不満を聞きたいわけではなくて、スタッフ全員にやりがいを持って楽しく安心して働ける環境を提供し、そして未来に希望を持って豊かな暮らしをしてもらいたい一心で、それが私が事業を行ってきた大きな目的の一つです。そして、建築と言う事業は顧客の意図を汲んで計画する、設計する者、見積もりや発注等の事務処理をする者、実際に現場でものを作る者、工事全体を管理する者、そしてアフターフォローを行って顧客の暮らしを守る者と多くの人が力を合わせてこそできる事業で、私たちはその全てを内製化し、すべての業務を設計者と大工に集約してきました。私の持論では工務店は設計士と大工がいればその他の営業や施工管理などの職種は必要ないと考えており、女性の設計と男性の大工の育成をこの20年続けてきました、しかし、水と油のようなこの2つの部署を取りまとめ、全体最適を目指すのは本当に難しく、創業から20年経った今でも、いまだにすべての問題を解消できたわけではありません。

無管理でシームレスな組織

長年の試行錯誤を経て、スタッフ皆が気持ちよく働けて、しかも顧客からの評価を得て事業として自立循環していくために、私がたどり着いた答えは、部門部署の解体と徹底した役割分担と権限委譲セットのでした。男性の大工と女性の設計者がペアとなり、小さな工務店よろしく、お客様や案件に対して2人でチームを組みヒアリングから設計、見積もり、契約、施工、引き渡しまでを行い、当然年間の売り上げ、利益額の目標設定も行い、主体性と責任を持って事業に取り組んでもらう、非常に変わった形になってます。6つのチームがそれぞれ独立した形で事業を行いますが、当然会社としては1つなので全員が同じ目的を持ち、同じ方向向いて助け合うようにしてもらいながら、今季から新たにスタートさせた建築以外の地域コミュニティー事業はそもそも建築のお客様向けのサービスが中心であることから全体的にシームレスにつながるような組織づくりを目指してきました。

目指すのは自立循環型組織。

部署も、上下関係もなく、リーダーも不在でも、目的を共有し、それぞれが顧客接点で責任を持って役割を全うしながら助け合う組織こそが、全体の事業が回り続けるという、我ながらずいぶんと変わった組織の形になってきたものだと思っておりましたが、この組織形態にして2年が経ち、最近はなんとなくそれぞれが主体性を持って事業を運営してくれるようになってきたように感じています。そもそもスタッフの半分以上が在籍10年を超えており、建築のプロフェッショナルでしかるべき、今更管理するのもおかしな話です。もちろん、うまくいく事ばかりではなく、管理をしていない分、担当者の意識レベルが低い場合はお客様に迷惑をかけることもあります。それは私達の実力だと反省して私が謝罪に出向き、善後策を講じながら、全体の底上げを出来る様に地道な努力を積み重ねています。残念ですが、理論で分かっている事をそのまま実践に落としきれないものです。

トップダウンでも、ボトムアップでもない組織。

近年、ティール型組織と呼ばれる主体性を持った、従来のピラミッド型の管理体制ではなく、個々の個性、才能を遺憾なく発揮できる組織が注目を浴びるようになりました。私としては別にティール組織を目指したわけではありませんが、自律循環型のビジネスモデルを目指せば、結局はスタッフの主体性を認め育むのがごく自然な流れなんだと思っています。最近、改めて組織改革の勉強してみようと思い立ち、そのティール組織をテーマにした書籍「自然経営」を読んでみると、私たちの組織図と全く同じ組織図が掲載されてあり少し驚きましたが、ドラッカー博士が言われたように、最終的には経営者の覚悟と責任を全員が持つ組織を作るべきだとの言葉は、長い時を経て徐々にスタンダードになって来ているのかもしれません。私たちもまだまだ課題は山積みではありますが、トップダウンでもボトムアップでもない個々が輝ける組織を目指して地道な改革を続けていきたいと思っています。


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唯一無二のサッシ施工業者に教わった事。

令和2年7月29日快晴

なさねばならぬ何事も。

今日も神戸はそろそろ梅雨明けも近いのか、と思えるような良い天気になりました。連日報道されるコロナ感染者がまた増加してきつつあると言う報道に少し心の中に不安の種というか、引っかかりを持ちながらも、今週も前向きに、張り切って行動しようと真夏のような青空を仰ぎました。既に先週から、私の行動パターンはコロナ前のそれと遜色ない位まで戻しており、継塾なる勉強会の開催に、人事制度のワークショップ、単独事業者向けの研修、理事を務めるNPO団体の運営委員会と対外的な活動を精力的にこなしています。最大限の注意を払いつつ、コロナと共生しながらも、なすべき事は為す!と強い意志思って進みたいと思います。

逆転の世界で重要なもの。

私の場合、既に行動パターンをコロナ以前に戻しつつあると言いながら、アフターコロナ、ウィズコロナの時代に入り、これまでと全く逆転した価値観が世の中に定着しつつあるのを強く感じています。一見、同じように見えても、本質的には大きく変わらざるを得ないと思っていて、表面的なこと以外に随分と心を砕いています。21世紀に入り、圧倒的なテクノロジーの変化によってもたらされたのは、非常に豊かな物質的な世界でしたが、ここにきて、都会よりもローカル、対面や公共交通機関は非常識、団体行動は悪と全ての価値観が逆転したことを鑑みれば、アフターコロナの世界で重要視すべきは、目に見えないものではないかと思っています。目に見えないものを磨く、強くする、価値を高めると言うと分かりにくいことこの上ないですが、先週末に行った単独企業向けの研修の後、メンバーのみんなと話をしていて、なるほど、と腹落ちた瞬間がありました。

目の奥の光。

それは、4ヶ月に渡って行った今回の研修を終えるにあたり、今回の取り組みの全体像の確認をすべく、研修の終わりは実務のスタートである。と、私が申し上げた時で、当たり前のことの積み重ねである古典的マーケティング理論を会社全員で学んだ住宅サッシ、エクステリアの施工業者は日本に唯一無二であり、皆さんがここで学んだ理論を実践に落とし込むことで、名実ともに日本一のサッシ関連の施工業者になるのだと申し上げた時、皆さんの目の奥に、自信とも核心とも取れるような光がキラリと宿ったのを感じたのです。

結果は確実に状態に由来する。

実際、明日からの仕事は今までと同じように、サッシを組み立てたり、カバー工法のサッシいや玄関ドアを取り付けたり、エクステリアのテラスや門扉を組み立てたりと目に見える部分は同じですが、目的意識を明確に持ち、顧客の立場に立ってもの事を考え、向上心を持って技術の研鑽に励み、目に見えないところで知識の習得を積み重ねれば、全く違う結果が生み出される事は確実で、それをそれぞれが理解し、よしやったろう!と言う気構えが表情に表れていました。2ヶ月後に人事制度改革のキックオフミーティングを行うことも決まり、私もその場に参加して、研修を終えた後のその後の皆さんの変化を報告してもらうことになりました。目に見えない事に意識を置いた皆さんが、どのような成果をあげられるか、今から楽しみでしょうがありません。

熱い想いが道を切り開く。

実は私、一般社団法人で広く全国の職人に対して研修を行ってきて、これまで個別の事業所に対する研修やコンサルティングは全てお断りをしてきました。このたび、松岡社長に熱い口調で依頼、と言うより口説き落とされ、引き受けた個別の事業所向けの研修は本当にやって良かったと心から思います。今後、人事制度を含めた社内制度改革にも深く関わることで、私が提供する価値が具現化できるのだと改めて感じており、松岡社長のおかげでアフターコロナの新しい時代に私が進むべき道を示していただけたように感じています。新たな道を切り開くのは、熱き思いを持った人の求めに応え、自我の固執を捨てた時なのかもしれません。深い学びをいただけたことに心から感謝いたします。


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労災発生!ハインリッヒの法則を断ち切れ!

令和2年6月27日 曇り

単体社員研修。

今日は昼から取引き先でもある住宅サッシ販売、施工業者の有限会社松岡商会さんの社員研修で、4か月にも及ぶ実践研修の最終講でした。リアルに取引先の職人さんに、信頼を元にしたマーケティング理論をレクチャーして意識を変え、行動を変える実践型の研修を行うのは、私達つむぎ建築舎の現場品質の向上に直結する訳で、協力業者会等で経営者向けに話すのとは全く違います。これまでにも職人起業塾の研修に取引先の職人を受け入れて来ましたが、会社丸ごとの改革のお手伝いするのは今回が初めてで、本当にいい取り組みが出来たと喜ぶと共に、私を理解してくれる経営者がいてくれること、松岡社長には心から感謝しました。

目的意識を持つこと。

現場の意識改革と一言に言っても、その内容は多岐に渡ります。私達建築業が評価を得るには現場で答えを出して信頼を得ることが絶対で、ものづくりに携わる全員が技術と知識の研鑚を行う必要があります。その日の作業が終われば日当が貰える。と言う様な考えの職人がいると、会社の未来は先行き危なくなります。建築と言う人様の命を守る事も危険に晒す事もできる重要な職務を遂行することによって、どのような貢献が出来るか、自分達が生み出す価値についてしっかりと認識して目的を明確に持つ事が非常に重要で、私は技術以前にその部分の意識を変えるべきだと考えて職人起業塾の研修を行なっています。

安全第一。

しかし、その前にまず、何よりも重要なのは安全に対する意識です。建築現場には常に危険が潜んでおり、ちょっとした気の緩みで命を落とす重大事故が発生します。死亡するところまで行かずとも、ちょっと足を滑らせて転落するだけで後遺症が残ったり、電動工具の扱いを誤ると指を落としたりと生涯に渡り不便や不幸を背負うキッカケがそこら中に、毎日潜んでいます。私自身も若い時に左手の腱を切断し、未だに親指はロクに動きません。また、怪我をする本人も大変ですが、労災が発生したら現場も止まり工期は遅れる、お施主様にも嫌な思いをさせる大変な事になり、多くの人が苦しみます。絶対に労災は起こしてはならない、考えうる限りの予防に努め、トラブルを起こさない心身共に状態を整える意識が現場従事者は何よりも重要視すべきです。

ヒヤリハット!

この2ヶ月程、コロナの影響で対外的な活動、県外への出張を全て自粛していた関係もあり、私も久しぶりに建築現場に職人として出ておりました。ものづくりの楽しさ、難しさを改めて噛み締めたのですが、上棟作業の際に邪魔になる足場を撤去しようとしたところ、足を滑らせて落下しかけました、あわやのところで広げた腕に梁がかかり、事無きを得ましたが、それでも肩の筋肉が少し断裂したようで、2週間ほどたった今も左腕が上がらない状態が続いています。もし腕が掛からずに背中から土間コンクリートに散乱してあった足場材の上に落下していたら、と考えると今も冷や汗が出ます。そんな自分の危なかった経験から、それ以後の高所作業ではフルハーネスの着用の徹底を指示して、「絶対に落ちるな」と安全意識を今一度持ち直すように職人達に注意喚起を行いました。

労災事故発生!

私が自分自身で墜落事故を起こしかけて思い出したのはハインリッヒの法則です。1件の重大事故は30件の軽い事故の後に起こり、その30件の軽い事故は300件の事故にはなっていないヒヤリとする体験があると言うもので、普段からの不安全行動の積み重ねが重大事故につながっていくと言う法則です。まさに結果は状態に由来するとの原理原則論で、この機会に現場全体の底人の気を引き締めなければ、大きな事故につながると思い厳しい口調で注意喚起を行いました。しかし、一昨日の夕方現場代理人から電話があり、1人の職員がくぎ打ち機で手を打ち抜いてしまったと残念な報告が入りました。労災事故の発生と言うことで、昨日は現場に行ったり、病院に行ったりとずいぶん慌ただしい1日になってしまいました。


出典:https://www.infraexpert.com/info/network7.html

道具が凶器に変わる瞬間。

私も昔、太ももの骨に釘を打ち込んだことがありますが、コンプレッサーを使ったエア工具は使い方を誤ると非常に危険で、殺傷能力があると言っても過言ではありません。大工をやっていると、その危険性は熟知していますし、適正に使えば何ら問題はありません。しかし、ふとした気の緩みや不安定な体制での作業、無理をした作業をするとその瞬間に便利な工具は凶器に早変わりします。今回は幸いにも骨には当たっておらず、後遺症は残らないようですが、それでも縫合した傷が塞がり、元通りの作業ができるまでには1ヵ月ぐらいはかかります。本人にしても、現場にしても何一つ良い事はなく、私を含め、全員が後悔の念を募らせるばかりです。労働災害の撲滅は環境の整備と、一人ひとりの意識の向上しかありません。ハインリヒの法則をここで断ち切れるように現場に携わる全員とともに、安全な作業が出来る状態を整えてから作業することを強く胸に刻みたいと思います。ご安全に。


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原理原則系マーケティングに取り組んで見たいとお考えの方は一度のぞいて見てください。
全12回の実践型現場マネジメント理論のpdf、動画なども公開しています。
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ミニマム図書館を運営する理由。

令和2年6月23日快晴

夏真っ盛り。

最高の天気が続きます。神戸の日中の気温は31度、今日は着工中のインターナショナルスクールの新築工事の定例会議があり、午前中から現場に向かいました。真っ青な青空の下、屋根の上ではつむぎの若衆が大屋根の屋根仕舞いをしており、野地板を打ち付ける釘打ち機の音と、ケツを追いかけて板金職人がルーフィングを貼るトントンと言う音が響き、のどかで平和な新築現場の風情を醸し出していました。厳しい暑さになりましたが、天気の良い日の外部工事は気持ちが良いものです。

哲学系蔵書増加中!

夕方から、打ち合わせに向かう道すがら、とある方のご好意で、段ボール箱いっぱいの本を譲り受けました。いつもはブックオフに引き取ってもらうらしいのですが、二束三文で売り払う位なら私に譲ってほしいとお願いしました。実は、弊社ではネット図書館なるものを併設しており、主に私が購入した本を書棚に並べて無料で貸し出しを行っています。実際のところは、勉強会や打ち合わせに立ち寄られる知り合いの方やスタッフが利用しているのがほとんどですが、私の方からオススメ本をピックアップして、読んでもらうことも少なくありません。残念なのは蔵書が全て私が読んだ本ばかりなので、私自身が利用することが全くない事でしたが、こうやって本を譲り受けることができれば、私も図書館を利用することができます。しかも、購入して読まねば、と思っていた本を多く頂けた事は本当に嬉しい限りです。

本とともにあった人生。

実は私、父親が書店を経営しておりまして、本屋の息子として生まれました。子供の頃から毎日のように父親が持って帰ってきてくれる本に親しみ、中学生位からは勉強はロクにしませんでしたが、その代わりに?ありとあらゆるジャンルの本を貪るように読むようになりました。その当時読んだ戦国時代や幕末の英傑たちの人生は、私の中では間接的な体験となり、人格形成に大きな影響を与えられたと思っていますし、社会に出て、何の知識もないまま勢いだけで独立起業した後も悩みがあるたびに本屋さんに足を運び、先人の知恵を借りるべく本を購入しては読み漁りました。私の人生は本と共にあったと言っても過言ではありません。

本との出会いが人生を変える。

スティーブン・R・コヴィー博士の「7つの習慣」に出会ったのもその頃で、原理原則に従って生きることで、未来に光を見いだすことができるのだと、大きな勇気をもらいました。経営者として三流どころか、全く軸も拠り所も無かった無能な私は、原理原則という軸を見出したことで、これまでの20年間、なんとか事業を続けてこれたと思っています。読書の習慣を持っていたおかげでどうしようもなかった人生を持ち直したと言っても過言ではありません。50歳代も半ば近くなった今、振り返ってみれば私の中にある知識も、人格も、価値観もほとんどが読書によって培われてきたと思っていて、本に親しむ環境をあてがってくれた父親のおかげで何とか人並みに生きて来れたのだと感謝せずには居られません。

人生の糧。

そんな本によって大きな影響を受け続けている私としては、周りの人、特に若い人に読書の習慣を進めずにはいられません。人間誰しもいちどきりの人生を予行演習なしで生きています。私の父親は「読書は人生の間接体験だ」と教えてくれましたが、数多くの人生を体験すればするほど、突然、前置きなしにぶっつけ本番でやってくる人生の岐路で、確度の高い判断、選択ができるようになると思っていますし、ミニマム図書館がほんの少しでもその糧になればこんな嬉しい事はありません。ちなみに、つい先日も地元の山登りイベントで一緒になった20代半ばの女の子に、お勧めの本を質問され、社のミニマム図書館の蔵書の中から喜多川泰先生の本を数冊選び貸し出したところ、「人生に対してすごく前向きに向き合える勇気をもらえた。」と、とても嬉しい手紙を添えて本を返してくれました。図書館を運営していて本当に良かったと思った次第です。オススメ本、たくさんありますので株式会社四方継の近くに寄られた際は、気軽に借りてください。郵送貸し出しも承っております。(^ ^)


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コロナシフトで強化すべきは目に見えないモノ。

令和2年6月22日 晴れ

夕涼みの季節。

神戸は梅雨の合間の好天が続きます。日中の気温は28度、すっかり気分は夏ですが、朝夕は涼しい風が吹き、夕涼みに飲みに行くには絶好の季節。まだ明るい夕方に早めに仕事を切り上げて、明石公園の中にあるカフェにでも冷たいビールを飲みに行きたい誘惑に駆られます。とは言え、コロナによる影響も随分と収束に向かい、私の働き方もほぼ平時と同じリズムに戻りつつあります。今日は昼と夜にそれぞれ理事を務める団体の会合のダブルヘッダー、オンラインだけではなくリアルな会議も復活してきて忙しくなってきました。日の高いうちからゆっくりとするのは当分出来そうにありません。(^ ^)

活動再開。

コロナの影響で進行中の研修以外の活動をすっかり停止していた一般社団法人職人起業塾も今週木曜日からWSを再開します。以前から少し内容を刷新して、アフターコロナの世界に適応すべく、モノづくり起業のブランディングの基礎となる人事制度とその運用についてのサポートを行います。今週はその前日に月に一度の勉強会「継塾」の開催もあり忙しくなってきました。また、7月からは九州で行われる若手大工向けの研修講座の講師を務める事になり、そろそろ出張生活に戻ります。この2か月間、職人、現場監督として建築実務にどっぷりハマりましたが、それもここらで一区切り、今週から建築業界を変える、職人の社会的地位の向上を果たすミッションを進めて行きます。

世界は変わった。

全国的に県を跨いだ移動の制限要請が解かれ、全ての業種で通常通りの営業が可能になった今、実質、アフターコロナの世界がスタートしたと言っても過言ではないと思います。最近、ふと気になったのは、コロナ禍が収まったら何事も無かったかのように元の世界に戻ると思っている人が少なからずおられるのでは無いか?と言う疑問です。言葉の上ではそんな訳ないよね、と言いながら、マスクを常に着用しているから、リアルなイベントや会合に参加するのを控えているからと言って、大きく変化した新しい世界に対応していると勘違いされているのでは?と感じています。

じいさんがZoomを使いこなす時代。

物事には全て、表面的に目に見える事と目に見えないが確実に存在する面の両方が並立して存在します。十数年前からマーケティングの世界でモノからコトへの仕事が叫ばれ続けたのは、その表面的に見えないことを指しており、非接触のコミニケーションが主流になったアフターコロナの世界ではそれが一気に一般化してきたのではないかと思っています。多くの人が家に引きこもり、オンラインで働く環境はネットからの情報収集の機会が一気に増えて、全体的にITリテラシーが高まったことは想像に難くなく、昨年まで建築業界では殆ど使われていなかったzoomでのミーティングが日常生活に溶け込み、私たちよりも年齢が上の還暦近い世代の経営者さえも使いこなすようになったのは最も分かりやすい例だと思います。

本物の時代の加速。

正しい事も、誤ったフェイクニュースも含めてあらゆる情報が溢れかえる情報過多の今の時代、少し疑問を持てばいくらでも情報を集められます。ネット検索のリテラシーが上がると、ビッグワードと呼ばれる表面的で簡単な検索だけではなく、細かな条件を付加した検索を行うようになり、検索トップに上がってくる広告に目をくれずに、もっとリアルな情報を探すようになります。人の心理として、いい情報を見かけると反対意見にも興味が湧くもので、口コミや個人的な評価などに検索の幅を広げると、情報の厚みによって評価が変わるようになってきます。数年前から情報革命による本物の時代の到来が叫ばれてきましたが、コロナの影響でいよいよそれが現実味を帯びてきたと思うのです。

誰もが仕事を頼みたい職人。

本物の時代になった事で注目されるのは、表面的に見えない部分であり、それは一朝一夕で取り繕う事が出来ません。ここに注目して、本質的な価値を高める事こそ、アフターコロナの新しい世界に適応して生き残る術になるのではないかと私は考えています。分かりやすい例は、3人のレンガ職人の寓話です。レンガを積んでいる3人の職人に何をしているかとそれぞれ質問をすると、一人目は「見たとおおりレンガを積んでいるんだ、これでメシを食う金を稼いでるんだ」と答え、二人目は「大きな壁を作っているんだ、これをするには高い技術が必要なんだ」と答え、三人目の職人は「俺は街の人々が集い、祈りを捧げる大聖堂を作っているんだ、皆に幸せを提供するんだよ」と答えます。表面的には同じでも、その思考や想いを深く知ると全く違う仕事だと感じます。

見えないものを磨く時代。

これまでの建築業界は目に見えるものの価値ばかりを追い求めてきたように思います。おしゃれなインテリア、格好いいマテリアル、いい感じの外観と、強烈なモノ志向で、なかなかユーザーの暮らしに焦点を当てた提案に踏み込む会社がありませんでした。あらゆる業界で一般化しているモノからコトへの転換さえままならなかったのが現実です。そんな実情に加えて、本物の時代に注目される目に見えない価値、誰しもが三人目のレンガ職人に仕事を頼みたい、そんな思いを持った人と一緒に仕事がしたい。と感じる部分が注目されるアフターコロナの大きな変化は、これまでの価値観を転換し、根本的な仕事の組み立て方を見直す必要を示しているのではないかと思います。

成果は状態に由来する。

私たち一般社団法人職人起業塾が行なっている人事制度のWSはスタッフに経営者意識を共有してもらえる様に、全員に三人目のレンガ職人になってもらうための下地作りを提供しています。目に見えないものを強化するには、人に向き合い、話に耳を傾け、認め、そして何のために?と言う目的を繰り返し共有するところからであり、その前段階として人事制度で評価の基準と未来へのキャリアプランを示し、経営者がスタッフに対してギブアンドテイクではなく同じ目的に向かって突き進んでいく意思を明確にする必要があると思っているからです。そんなアフターコロナを見据えた今週行うワークショップは残席1名、ご興味がある方は以下からお早めにお申し込みください。^ ^


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アフターコロナのUSPを構築する無料WS #第82回継塾

令和2年6月20日晴れ

2020夏至。

梅雨前線はどこに行ったのか、今日も神戸は青空が広がる良い天気に恵まれました。今日は夏至、1年で1番昼間が長い日で、日中は燦々と陽が降り注ぎ、まさしく夏に至ったと季節の移り変わりを感じる1日になりました。夕方から近くの車両レッカー搬送の事業所に外部照明の増設の打ち合わせに行くことになっており、電気工事の平山さんと待ち合わせをしていましたが、6時半になってもまだすっかり明るく、これでは暗さが分からん、致し方ないと、夕暮れになるまで1時間ほどのミーティングの時間を持ちました。夏至を満喫です。(笑)

アウトプットに学びあり。

今日は早朝からスタッフとのコーチングセッションを行ったり、昼からは2世帯住宅の新築を計画中のご家族にお越しいただき、スタッフを交えて大勢でカスタマージャーニーマップのワークショップのファシリテートとほとんど事務所にての業務に勤しみました。夜は来週に開催を延期した月に1度の勉強会、元祖職人起業塾改め継塾の資料作り。この勉強会は毎月、古典的マーケティングの基礎理論、コンセプトを取り上げ、ワークショップ形式で参加者の皆さんと考え、意見をシェアして様々な角度からマーケティングコンセプトの理解を深め、実践につなげるヒントを得る勉強会で、主宰する私自身にとっても欠かせない学びの場となっています。

混迷の時代こそ原理原則。

今月のテーマはマーケティング(自社独自のマーケットの構築と定義しています。)の構築に欠かせないとされるUSP(ユニークセリングプロポジション=競合に差をつける自社独自の強力な売り)となっており、アフターコロナの世界で価値観が大きく転換された今こそ見直すべき重要なコンセプトです。我ながら非常にタイムリーなテーマだと思いながら資料まとめましたが、別段タイミングを合わせたわけではなく、年間プログラムで決めていたままなのですが、このタイミングの良さは激変する時代こそ原理原則を見直すべしと言うことの表れなのかもしれません。

アフターコロナの3つの流れ。

アフターコロナにおける経営環境を冷静に見てみると、3つの大きな要素があると思っています。1つ目は世界を巻き込んだ厳しい景気の減退。これまで人手不足と言われ続けていた雇用環境が、失業率の増加が危惧される状況に変わりました。デフレーションの再燃です。2つ目は静かにそして確実に進行している人口減少による国内需要の衰退、これはコロナとは直接関係がありませんが、景気とは国内需要の高まりがあってこそと考えると、頃の騒動が収束した後も景気回復の足を引っ張る根本的な原因になります。マスマーケット、反響営業が奏功しなくなるのは目に見えています。3つ目はテクノロジーの革新による無価値化の広がりと情報革命が定着のフェーズになったことによる非常にセンシティブな消費者の嗜好です。AIによる自動化でこれまで人の手を介して行ってきた事業が一瞬にして無料で提供されるようになった例は、枚挙に暇がありませんし、全国民がマスクを着用し、自粛警察が地方都市にも出現する風潮は情報伝達が圧倒的に変わったからだと思わざるをえません。

時代に適応した強み。

上述したような厳しい経営環境の変化に正面から向き合えば、今年の秋以降、来年にかけて売り上げを維持していくことの難しさに自然と想いが及びます。新しい環境に適応して生き残るには当然、今まで通りの経営手法を押し通すだけでは無理があります。企業倒産の原因の98%は売り上げの減少だと言われます。売り上げはどのような業態であっても、顧客数×単価×購買頻度の方程式が当てはまることを考えれば、そのそれぞれに対して時代にあった強みを磨き、実践していく必要があると考えます。そこで重要になってくるのは、情報過多の時代にあって選ばれる理由となる自社独自の強み= USPです。アフターコロナの世界で通用するUSPを今こそ見直す時だと思うのです。

USPの定義

USPの概念をはじめに提唱したロッサー・リーブスはその著書「Reality in Advertising」の中で、3つの定義を掲げています。

  1. 広告は顧客への提案でなければならない:単なる言葉の羅列や宣伝文句ではなく「この商品を買えば、こういう利益を手にする」と伝えるべきだ。
  2. その提案は独自のものであること:競合が同じ提案をできない、あるいはしないもの。
  3. 提案は強力であること:大衆を動かす力がある提案をする。

このUSPの定義を改めて見直してみると明確な構成要素があり、闇雲に自分たちの得意なものをUSPとするのではなく、顧客目線に立った客観的事実を重ね合わせて見いだすべきだと気づかされます。最近は企業の強みをUSPの上位概念としてコアコンピタンスとして言い表す様になりましたが、以下の5項目がそのチェック項目だと言われています。

  1. 模倣可能性(Imitability):他社による模倣の可能性が低い
  2. 移動可能性(Transferability):幅広い展開が期待できる
  3. 代替可能性(Substitutability):唯一無二の存在
  4. 希少性(Scarcity):特性が珍しい
  5. 耐久性(Durability):陳腐化しない

未来に繋がる光を見出す。

以上の条件をアフターコロナでの市場環境への適応(人口減少→反響営業、マスマーケットとの決別、デフレ→高付加価値サービス、商品への転換、情報過多社会→情報提供の質と手法の独自性確立)と掛け合わせて、自社のウリ、強みを固め、情報を発信出来ればすぐそこまで来ている大きな荒波に飲み込まれる事なく、生き残っていけるのではないかと思っています。決して簡単なわけはないですが、今、マーケティングへの取り組みを見直さなければ、パラダイムシフトした世界では生き残って行けないと思っています。今月の継塾では参加者の皆さんに新たなUSPを見出すきっかけを提供できればと思っていますし、多くの参加者の知見の集積は必ず何かしらのヒントになると思います。開催日時は6月24日(水)19時〜開催。zoomを使ったオンラインも併用しますので全国どこからでも参加可能でしかも参加費は無料、お気軽にお問い合わせください。先行き不透明なこの世界、未来につながる光を見出す場になれば幸いです。(笑)
お申し込みはこちら→https://www.facebook.com/events/272724447177791/


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ゴッドハンドに学ぶ。#職人の美学

令和二年六月一九日 曇り

元町のゴッドハンド。

今朝、久しぶりに事務所の朝礼に出席、ラジオ体操をしてみたらやっぱり左肩が横から上がらずに中途半端な体操になってしまいました。先週、建前に参加して足を滑らせて落下しかけて、間一髪のところで左腕で身体を支えて難を逃れましたが、その代償に肩の筋肉を少しばかり断裂している様でなかなか良くなりません。とはいえ、元町にあるゴッドハンドの整体師さんに施術をしてもらったおかげで(横からは上がりませんが)前方からはなんとか上に腕が上がるところまでは戻しています。一昨日、2回目の治療に行った時は30分ほど肩の筋肉をほぐしてもらっただけで随分と痛みが収まり、肩も上がる様になったのには正直驚きました。さすが、ゴッドハンドと自称するだけのことはありますね、と最大限の賞賛をしてきました。

マス・オオヤマ世代。

私たちの世代でゴッドハンドというと、マス・オオヤマこと大山倍達氏です。今は昔、そんなことを口にしても殆どの人には理解してもらえないと思いますが、日本が戦後の植民地から主権を取り戻し、復興への道を歩むと時期を共にして世界を股にかけて空手で活躍し、世界転回した極真空手を創設した、空手バカ一代や四角いジャングルなどの梶原一騎先生の劇画にも多く登場した大山倍達氏は私にとっては永遠の憧れの的であり、やっぱりゴッドハンドと言えば彼をおいて他にありえません。ですが、元町整骨院の院長にこの度治療を行なってもらい、動かなかった肩が見る見るうちに痛みがなくなり、可動域が広がるのを体感して、確かにこの人もゴッドハンドだと思いました。

底知れぬ未知の世界。

整体の先生によると、交通事故やこの度の私の怪我の元になった落下事故で瞬間的に筋肉に衝撃を与えると身体を守るために筋肉内にカルシュウムが一気に生成されるらしく、それが固まって痛み共に強張って動かなくなるとの事でした。施術を受けながら、それを揉みほぐして血流を増やし、カルシュウムを血液に戻すことで、衝撃で動かなくなった筋肉が動き出し、痛みが治まるとのロジックを聞かせてもらいました。もちろんそんな事は聞いたことが無い初耳ですし、それが最近になって発見されたというのも信じ難い話でしたが、自分自身の身体で証明されて大いに納得した次第です。人の身体というか、自然という神の造形にはまだまだ未知の部分が多くあるのかも知れません。

市場原理の中のゴッドハンド。

そんな院長の話を聞いて、私が「整体って随分と建設的なんですね」口にすると、「当たり前じゃ無いですか、整体は理論ですよ、」との返事が返ってきました。表面的な見た目はマッサージと変わらない様に見えても、その内容は全く違うことに気づかされました。そして、ゴッドハンドと言わしめる技術を持っているにも関わらず、超低料金で施術を行われていることに対して、有り難いような、申し訳ないような、勿体無いような、様々な感情が入り混じった複雑な想いを抱きました。同時に、これってあらゆる職業に当てはまるし、特に職人の世界と同じだと思ったのです。私の周り、知り合いには卓越した技術を持った職人さんが何人かおられます。仲良くさせて頂いている左官の植田親方のように長い年月をかけて身につけた技術と経験、そして知識を持った職人の親方は唯一無二の存在であり、まさにゴッドハンドの域に達しておられます。しかし、その卓越性をひけらかす事なく、高慢にも尊大にもなる事なく、年齢を重ねた後も謙虚に学ぶ姿勢を持ち続けられていると共に、高額な費用を請求することもありません。

職人の美学。

折角の類い希なスキルがなんだか勿体無い気持ちも否めませんが、職人としての生き方を選択するとはそんなものなのかも知れないと、元町のゴッドハンドの施術を受けた帰り道考えてしまいました。残念ながら、私は現場に従事する職人の第一線から引いて、自分の手でものづくりを行う仕事ではなくなってしまいましたが、自己研鑽を続け、独自の価値を生み出しつつも、驕らず、妥協せず、信念と誇りを持って生きる職人的な生き方、美学の様なものは持ち続けたいと思います。ゴッドハンドを自称するまでにはならずとも、所詮職人、されど職人だと言える様になれれば最高です。


今こそ内部からの強化を図る一般社団法人職人起業塾 WS再開します。

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