至福の時間と三方少し不満。

令和2年6月6日 曇り

例年より早い梅雨入り。

先日、今週の初めに梅雨入りした九州に続き、四国が昨年よりも5日早く梅雨入りしたと言うニュースが流れました。いよいよ関西も梅雨入りの秒読み段階に入ったようで、今日は朝から重たい雲が空を覆い、晴天続きの爽やかな5月の終わりを示唆しているかのようでした。このところ、現場担当者として携わってきたインターナショナルスクールの新築工事は基礎が終わり、来週の上棟を前に担当者に引き継ぐタイミングとなり、工程通りに基礎工事を終えられたことにほっと胸を撫で下ろしておりましたが、建て方と同時に梅雨入りになりそうな、嫌な雰囲気になっています。

お天気まかせ。

そんなこんなで、午前中は来週の工程について、雨天の際にどのように進めるかの打ち合わせを行いましたが、所詮相手がお天道様であり、私たちのコントロールできる範疇の外、天気予報のみで早々に判断するわけにもいかず、基本的な方針だけを固めて、後は直前の情報を鑑みて来週判断しようと言うことになりました。昔から「土方殺すにゃ刃物は要らぬ、雨の3日も降れば良い」と言われますが、規模の大きい木造建築では上棟工事に十数人の大工の手配とレッカー車、そして10台にも上る大型トラックを用意する必要があり、日程を変えるだけで大きな損失が生まれます。かといって、無理をして工事を進めれば足を滑らせ滑落する危険もあり、材料を濡らしてしまうリスクもあり、本当に判断が難しいところです。最も優先順位を置くのは何か、だけで割り切って簡単に判断できないのが実際のところ、悩ましい限りです。

至福の時間。

話は変わって、昼からは滋賀県に移動、1年前に新築工事を終えてお引き渡しをしたお客様宅に、1年点検のアフターフォローと、別棟のリフォーム工事の相談をいただいて伺いました。お客様から、家具などの調度品が入ってから、皆さんに見てもらってないのでと社員も帯同しないかとお声掛けをいただき、設計と大工のスタッフも伴ってお伺いしてきました。結局、アフターフォローと言うよりは食事とシャンパンをご馳走になり、おもてなしをいただいた感じになってしまいました。自分たちが設計し作った住宅での暮らしにとても満足しているとの言葉もいただき、至福の時間を過ごさせてもらうことができました。

三方少し不満

おいしい食事とお酒をいただきながらお客様といろんな話題で話は盛り上がりました。その中で、三方良しの世界を標榜し社名を変更して株式会社四方継として新たな活動を始めた私たちのビジネスモデルにも話が及び、海外での不動産鑑定をされているお客様に、不動産の世界では「三方少し不満」の取引が昔から最も良いとされていると教えていただきました。場所柄が滋賀県大津市ということで三方良しの本家本元の地だけに、三方良し研究会なるものが開催されており、そこにも参加されているとのことで、「売り手よし、買い手よし、世間良し」の一筋縄では実現しない、商売の理想とされるこの概念について、深い洞察を繰り返されているのだと感嘆させられた次第です。

建設業界にwin winは無い。

8年ほど前、協力業者さんに集まってもらい、四方良しの会と言うネーミングで、勉強会及び、ディスカッションの場を設ける取り組みを始めた時、とある建設機械のリース業者の担当者さんは「建設業界において、win winの関係など絶対にありえない。」とかたくなに言われていました。確かに、表面的には元請け会社とその発注先は利益相反の関係にあり、特に建設業界は厳しいコスト競争にさらされていたこともあり、ずいぶんと無理難題を押し付けられ、辛い思いを積み重ねてきたのだろうと感じましたが、われわれはそうではないと彼の言葉を強く否定して、今に至ります。今では、その会社の改装工事や彼の自宅や親戚の家のリフォームまでもお声掛けいただけるようになり、非常に良好な関係を保っています。

競争社会にあるジレンマ。

建設工事は多くの専門業者が関わり、力を合わせて工事を進めなければ成り立ちません。そう考えると、目先の利益にとらわれて、無理な値引きを押し付けるなど、取引先や職人さんを泣かすなんて事は長い目で見ると、あってはならないことですが、長年の悪習慣として建設業界に下請け泣かせがはびこって来たは事実です。職人集団からスタートした私たちは、そんな事はあってはならないと協力業者に赤字工事は絶対にさせないと、最低保証を付けて工事の依頼をしています。しかし、自社を含めてすべての両者が適正な利益を得ようとすると、どうしても建築コストは高くなりがちで、資本主義経済の厳しい競争社会の中にあっては、欲しいだけ、不思議なだけ請求してくれば良いと言うわけにはいかないのも実際です。

不断の努力が三方良しを支える。

そう考えれば、お客様、私たち、協力業者のそれぞれが、出来る限りの努力をして、「少し不満、程度の利益確保をよしとしよう」と受容することこそが重要なのだと気付かされます。不動産業界で売り手と買い手と仲介者のそれぞれが少し不満と思える取引が最も良いとされるのは、リアルな商売のシーンを考えれば極めて現実的で、真理なのかもしれません。今は亡き、水口健二先生が主催されていたマーケティング戦略塾で、「すべてのコストは消費者が負担する。これを絶対に忘れてはならない。」と繰り返し言い続けておられましたが、関係する全ての業者が、常に余分なコスト抑えるための努力をし続けることが、三方良しの世界を実現するには欠かせないのだと改めて気付かされた次第です。コロナ明けの、次回の関係業者さんとのミーティングではこの考え方を熱く伝えたいと思います。幡社長、素晴らしい気づきをありがとうございました。


四方良しの世界の実現を目指してHP日々更新中!

株式会社四方継 – 建築、暮らしだけじゃない、その先に –

つむぎ建築舎

つない堂

株式会社四方継


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社長になったギター少年。#職人にこそ夢がある。

令和2年6月5日 晴れ

オフラインでこそ見えるもの。

今日は久しぶりに東京にて職人起業塾の研修講座を開催しました。緊急事態宣言も解除されて、東京都の自粛要請もステップ2に移行したことを受けて、ズームを使ったオンライン講座から、対面式のグループコーチング戻してみましたが、いざ蓋を開けてみると、会場をお借りしている水道橋のシップ社のセミナー室に集まったのは埼玉からの1社2名のみで、静岡や茨城の熟成は皆オンラインによる参加を希望されると言う、少し拍子抜けした感じになってしまいました。私の意気込みが空回りした感が否めませんでしたが、コミニケーションは時間ではなく濃度が重要で、対面しているからこそ汲み取れることや、伝わる部分が必ずあると思っています。少人数の肩の力が抜けた雰囲気にはなりましたが、コーチング形式の研修はやっぱり対面がいいなと感じた次第です。

神戸の後輩と東京で再会。

夕方、研修を終えた後、たまたま東京に来ているとFacebookの私の投稿へのコメントで連絡があった、高校時代に一緒にラーメン屋さんでアルバイトしていた後輩と新幹線の最終電車までの時間、ほんの少しだけですが会う時間を設けました。その彼とは、数年前にSNSを介して私を見つけたと連絡があり、30数年の時間が経過した今も、お互い神戸を拠点に活動していると言うことで、久しぶりに会って酒でも飲もうとやり取りを交わしておりましたが、なかなかタイミングが見つけられず、ずるずると数年間が過ぎてしまっておりました。結局、再会を果たしたのは神戸を遠く離れた東京で、しかも最終電車までの慌ただしい時間になったのは、若干、不思議な感じではありましたが、固く握手を交わし再会を喜びました。

失っていた時間。

私は高校を中途で退学している上に、在学中は一応柔道部に在籍しておりましたが、ほとんどアルバイト生活に明け暮れており、学生時代の想い出がほとんどないと言っても過言ではありません。しかし、不思議なもので数十年ぶりでも後輩と会って昔話に花を咲かせるとすっかり消えていた記憶があれこれと思い出され、なんだか甘酸っぱいような、懐かしい思いが頭の中を駆け巡りました。その彼は、決して多くは無いであろう私とのやりとりを結構細かな事まで覚えてくれており、昔話を披露してくれる度に、そう言えば!とその当時の出来事と共に脳裏に一人暮らしをしていたマンションやアルバイト先のラーメン店、学生時代に入り浸っていた板宿の街並みの映像が浮かび上がり、失っていた過去、は大袈裟ですが、改めて自分が過ごした時間を取り戻した様な気分になりました。

隔絶の記憶。

ほんの少しの時間の彼とのやりとりの中で、高校生だった当時、私のマンションに彼が遊びにきたことがあるとのエピソードが出てきました。なんでも、(高校生だったにも関わらず)彼を家に招いて、私はビールを冷凍庫で冷やしていたらしく、彼は冷凍庫の中で爆発したビール瓶の事を鮮明に覚えておられました。私は全く記憶になかったのですが、一歳年下の彼の事を兄貴ヅラして可愛がっていたんだと思い出したと共に、どちらかと言うとヤンキー系だった私と全く毛色が違う、アーティスト系で髪の毛を伸ばしていた彼が、ギターを買うお金を貯めると言ってアルバイト先にやって来て、目標額を貯めたらさっさと辞めていったのを思い出しました。その時は、俺には関係ねー、と別段、なんのリアクションもしなかったと思いますが、髪をなびかせ飄々と去って行く若かりし彼の姿と共に、一抹の寂しさと、生活の為ではなく、趣味のためにアルバイトをしていた彼に対する羨ましい気持ち、そして、価値観というか、志向の違いをはっきりと認識したのを思い出しました。

職人社会の恩恵。

35年ぶりに再会した彼は、20代の頃から建設業界で独立起業し、小さい所帯ながらも今も立派に職人兼経営者を務められている様で、若い時の音楽少年の面影はすっかりなくなって、経験に裏付けられた自信に溢れた骨太の男になっていました。握手した瞬間に、私と同じ業界に長年おり続け、今も現役で活躍しておられるのは言葉を介せずとも十分に伝わり、住む世界が違うと思っていたのに、結局、私と似た人生を歩んで来られているのを嬉しく感じました。改めて感じたのは、建設業界には夢があるという事です。私自身、学歴社会からドロップアウトしてクズの様な青年時代を送っておりましたが、職人の世界に飛び込んだお陰でなんとか真っ当な道で生きてこれたのですが、(絶対にサラリーマンになれるとは思わなかった、笑)本気でアーティストになるのかと思っていた彼が、彼の本意かは分かりませんが、今では立派に施工会社の社長として活躍しているのも、低いハードルで自営業として起業できるこの業界ならではだったのではないかと思います。そしてタフな状況を乗り越え、人が嫌がる仕事を引き受ける事で、自信と影響力を身に付けられるのがこの建設業界で、文字通り、やる気次第で未来を切り開ける職業だと思うのです。

職人にこそ夢がある。

この度のコロナ禍で全く先行きが見えなくなった現在の日本経済は、そもそも圧倒的な少子高齢化が顕在化してくる事もあり、内需が激減し、構造的な不景気の嵐が吹き荒れる事になると思われます。私たちが生業とする建設業界でも住宅は余りまくり、土地はダブつき、企業の設備投資も減少するのが既定路線です。業界全体を俯瞰してみると、衰退産業なのは間違い無いのですが、常に市場は需給のバランスの上に成り立ちます。市場の縮小より急速に進む職人不足は他の産業に比べてオートメーション化が最も困難な分野でもあり、建設業者ではなく、職人会社だけは現在、既に、需要に供給が追いつかない状況になりつつあります。最近の若者に最も人気がある職業はYouTuberらしいですが、夢があるという点に関して言えば、今後、職人も負けず劣らずのいい職業になるのではないかと思っています。とにかく、現場でのものづくりは最高に楽しいし、建物が出来上がった後の達成感はハンパなく気分を高揚させてくれます。世の全ての学校、学歴社会に馴染めない若者に職人としての生き方の素晴らしさを伝えたいものです。(笑)


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東京改造計画。

令和2年6月4日曇り後晴れ

県外出張解禁。

今日は2ヶ月ぶりとなる東京への出張。緊急事態宣言の収束を受けて、明日予定していた東京の会場で開催中の一般社団法人職人起業塾の講座を通常通りの対面式のグループコーチングに戻したのと、今日は神戸に本社があるファッションメーカーの東京ショールームの改装工事の相談を受けて、日本はおろか、世界中のハイブランドのフラッグシップショップが軒を連ねる青山1丁目での現地打ち合わせでした。提案を考案する為に現地に来たはずが、青山界隈のショールームで最先端のインテリアデザインの勉強をさせて貰う事になりました。やっぱり東京は凄いと感心する事しきりでした。(^ ^)

東京の風景。

緊急事態宣言が解除され、映画館や劇場などの大人数を収容する施設の営業も自粛要請を解かれたにもかかわらず、この数日、またもや新規感染者数が増えてきた東京ではコロナアラートが発令されたとのこと。東京タワーも赤色にライトアップされていました。しかし、日中、青山から原宿界隈を見てみると、街行く人の数も随分と戻っている様で、あまりコロナへの感染リスクを強く意識している様には感じませんでした。しかし、100%の人がマスクを着用している風景はコロナ前のそれとは明らかに違い、以前とは「普通」が大きく変わったのを感じさせれました。そんな東京で、私の目を引いたのは季節外れ?の選挙カーが走り回っていて、東京の改革を訴えている事でした。

滑り落ち続ける僥倖。

神戸にいると全く関係ありませんが、日本の首都、東京都知事選が6月18日告示、7月5日投票の予定で、同時に都議会の補欠選挙が行われる様です。その関係で公示前にもかかわらず精力的に選挙カーが走っていましたが、それは唯一、ホリエモン新党のみであり、巷で噂されているホリエモンこと堀江貴文氏の東京都知事選への立候補が現実性を帯びていると共に強い意気込みを感じさせるものでした。本来なら、来月から東京オリンピックが開催されているはずで、現在、すっかり東京の顔になっている小池百合子都知事が再選される既定路線が固まっていたのでしょうが、コロナの激震が走った事で、まさかの小池批判を掲げた対立候補が立候補するチャンス?というか、政治的空白が生まれた様です。東京都知事としてオリンピック開催を指揮出来るという、歴史に名を残す自治体のリーダー、政治家としてこれ以上ない僥倖は五輪招致に成功した猪瀬さんから、「適法だが不適切」との迷言を残してちっちゃな資金の不明使途で追い落とされた舛添さん、そして兵庫出身の小池百合子さんの手へと廻り廻って来たかと思いきや、そうとも限らない様です。

東京改造計画。

実は、久しぶりの東京出張を前に、(旬の話題に弱い=ミーハーとも言う)私は、書店でホリエモンの都知事選への政策提言をまとめた書籍を見つけて、興味本位で手に取り、読んでみました。数年前、大阪で住民投票が行われ、自治体の枠組みが大きく変わる契機となるか?と随分盛り上がった際に、橋下徹氏の「大阪都構想」を読んで、斬新な切り口とロジカルで実現性の高そうな政策提言に、全てでは無いにしても随分と感心し、賛同した経験もあり、時代の最先端を走るホリエモン氏が打ち出す政策にも興味を惹かれたのでした。読んでみての感想は、別段、新しい世の中を作る程の斬新な提言に溢れていた訳ではなく、若干、期待外れの感は否めませんでしたが、それでも流石!と唸らされる部分も少なからずありました。

ニュースタンダード。

私がホリエモン氏の政策提言に物足りなさを感じたのは、その提言が既存の世界の延長線にあり、新たな世界を作る根本的もしくは抜本的な論調になっていなかったことです。そして、流石!と感じたのも結局は同じ部分であり、時代から一歩進むと誰もついて来ない、時代を読み取った改革は半歩先を常に示すに止まるべきとのマーケティング的な視点に立っておられる事でした。今の世界で当たり前になったニュースタンダードを政策に落とし込む事で、もっと東京都の持つポテンシャルが発揮されるし、現在、コロナ問題が消息したとしても、今後、顕在化してくる東京都が抱えている問題を解決に導くことができると言うのは、リモートワークやzoomを使った対面コミュニケーションを使い倒している多くの人が既に感じていることではないでしょうか。

若者のカリスマの施政。

ホリエモン氏が小池さんの公約破りを列挙して政治屋に改革はできないと正面切っての批判から始まるこの本で、今時の当たり前を駆使して小さくても効果的な自治体の仕組みを作り上げ、東京都を世界有数の刺激的で豊かな都市にするの公約を掲げておられます。自立循環型社会と経済、地方分権で東京一極集中を解消すべきだと考える私とは基本的な思想が違いますが、日本経済の心臓部である東京をテクノロジーの力で凝縮し民営化を進めて無駄を無くすのはステップとして必要だとも思います。既存権益にまみれた大組織の中でホリエモン氏が本当にどれくらいの公約を実現させられるか、一度、お手並みを拝見したいと感じました。多くの信者をバックボーンに国政に打って出た大川隆法氏が未だに一義席も獲得出来ていないですが、若者の支持を取り付けてホリエモン新党が躍進出来るのか?もうすぐ始まる東京都知事選が楽しみです。


現場人材戦力化 WS#2 再開します。@一般社団法人職人起業塾

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ノーリスク、ノーリターン。#昭和世代

令和2年6月3日曇り

With コロナ

緊急事態宣言が解除され、東京もステップ2に警戒体制が移行して劇場等の遊戯施設の営業自粛から解禁されたとのこと。にもかかわらず、今日はまた、東京ではまた新型コロナウィルス感染者が30名越えとの報道がありました。北九州市でもPCR検査の件数を増やしたら、無症状の感染者が多く発見されたとのことで、意外と医療機関にかかっていない人にも広く浸透している事が露見したり、やはりコロナはそんなに簡単に収まってはくれないようです。ウイズコロナと言われる様に、一緒に生きていくしかないのでしょう。

東京、ヤバイくない?

先日の緊急事態宣言の全国解除に伴って、6月から一般社団法人職人起業塾の講座もオンラインから通常の対面型グループコーチングに戻すことを既に決めておりました。実は、私、明日から久しぶりの東京出張となっています。コロナウィルスは感染してから発症するまで2週間程度の期間がかかることを思えば、今日の東京都の発表はGW明けの人々の行動の結果であり、毎日発表される感染者数の推移に一喜一憂してもしょうがないのですが、周りの人に、明日から東京に出張に行くと言ったら、「まじですか?、やばくないですか?」といった反応がやっぱり帰ってきます。

安全地帯。

私としても、一緒に働く従業員やその家族、協力業者の職人さんやお客様、そして進行中の現場の進行を妨げたりとか、絶対に迷惑をかけるわけにはいかないので、絶対に感染するわけには行きません。できれば神戸にヒキコモって安全地帯でじっとしていたい思いもありますが、いつまでも引きこもっている訳にもいかず、どこかで線引きをしなければ経済活動は成り立たないわけで、その基準が緊急事態宣言の発出と解除と定め、最新の注意を払って役割を全うできるように仕事をしていきたいと考えています。

ノーリスク、ノーリターン。

現時点での出張解禁は賛否両論あると思いますが、行くと決めた私をはじめとする昭和世代の人間は、リスクを取らなければリターンを得ることができない。といった考え方がどこか選択基準の根底にあるような気がします。人生はギャンブルではないので一か八か賭けるようなことをするのが正しいとは全く以て思いませんが、逆にリスクがない人生というのも存在しないと思っていて、何をするにせよ、常にリスクは付き纏うものだと思っています。後は程度の差というか、線引きをどこでするかだけのことで、常ににある程度のリスクを担保するのに慣れっこになっているのかもしれません。

リスクしかない。

考えてもみれば、私のこれまでの人生、学校を中退した時も、バケモンしか続かないと言われていた過酷な佐川急便に就職した時も、大工見習いに転職した時も、起業した時も、法人を設立して社員を抱えた時も、土地を購入し金融機関から融資を受けて自社ビルを建てた時も、大工を社員として正規雇用化した時も、福島でメルトダウンした後に関東の現場に向かった時も、台湾に事業所を出した時も、一般社団法人の研修事業を立ち上げた時も、工期の厳しい大規模な建築工事請負をした時も、傍目から見たら馬鹿じゃないの?と思えるようなリスクを背負いながら決断してきた訳で、結局、その積み重ねが今の私なのかもしれません。振り返ると、リスクばかりでした。(笑)

誰もがリスク需要の線引きを決めなければならない。

そんな風に考えれば、緊急事態宣言が解除された今、予防だけ万全にすればリスクと言うには程遠い様に感じます。そして、こんな時だからこそ、対面で人と会い、話しをして想いを聴いたり、伝えたりしたいと思うのです。どちらにしても予測不可能で先行き不透明な今の世界、リスクから逃げ回るだけでは、生き残る事が難しいのも自明の理です。どんなリスクを回避して、どの程度のリスクなら許容するかの線引きは、グローバル化により感染症が世界中に一瞬で広まるこれからの社会で生きていく上で誰もが考え、決める必要があると思います。それこそが、ウイズコロナの世の中で生きていく基本的価値観になると思います。安定は不安定、なんでもテクノロジーを駆使して安全なオンラインで代替できるとの驕りは、やもすれば逃げになりかねません。どちらにも偏りすぎない中庸の道を模索したいと思います。


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鬼滅隊に入隊する理由。

令和2年6月1日曇り

restart

令和になって初めて迎えた新年からもはや5カ月間が過ぎ、あとひと月で今年も折り返しとなります。大きな変化を迎える年になると、覚悟を持って今年のスタートを切りましたが、突如降ってわいたコロナ禍は想像していたよりも格段に大きな変化を私たちにもたらしました。今年以降の事業計画を大きく見直さなければならないことになりましたし、1時は全く先行きが読めない状況に、焦り、慌てましたが、緊急事態宣言の収束に伴って、これまで止まっていたものが次々と動き出し、新たなスタートを切れる下準備が整ってきたように感じています。

幸先の良い御朔日。

そんな上半期最後の月のスタートは、いつものように近所の総社にお一日参りに行った後、やっぱり現場に向い、定例ミーティングの後、トランシットを据えて来週に迫った建て方の準備に親墨の墨出しを行ったりと、建築実務からスタートを切りました。ただ、上述したように世の中はコロナの影響による自粛ムードから随分と通常時に戻ってきており、私の周りも急に忙しくなり始めています。昼過ぎに現場を出た後はミーティングや打ち合わせ、助成金の申請等忙しく走り回ることになり、いい感じのお一日となりました。

なぜ子供向けのアニメを見るのか?

コロナの影響で出張を控えていたこともあり、最近、現場に出ることが多くなり社員の大工達と一緒にランチをとる機会が増えました。会議や勉強会とは違う雰囲気で、何の事無い、たわいもない会話をするタイミングは普段あまりないこともあり、いろんな話を聞いたり、質問されたりします。今日も大工の大ちゃんと2人でラーメンランチに行き、仕事とあまり関係のない話をあれこれ。その中で、今私がNetflixで熱心に視聴している鬼滅の刃の話になりました。残念ながら彼は全く漫画もアニメも見ていなかったようで、話が噛み合いませんでしたが、キングダムやワンピースなどの有名な長編漫画と比べてどうなんですか?とそれなりに興味は持っていたようです。私としては、鬼滅の刃の人気がすごいらしい、と言う噂を聞いて、まだ見始めたところで、何とも評価をするレベルではなく、言葉を濁しておきましたが、大ちゃんに「忙しく、時間もないのになぜ漫画を見るんですか?」と本質的な質問をされて少しどきっとしてしまいました。

たかが漫画、されど漫画。

ワンピースにしても、キングダムにしても、このたびハマっている鬼滅の刃にしても私が睡眠時間を削ってまで見たり読んだりするのは、基本的にはすごくいいから観た(読んだ)ほうがいいと勧めてくれる人がいるからで、人から勧められた本は必ず読むようにしているからです。そして、子供の頃から小説とともに漫画にも親しみ、カムイ伝を読んで、その迫力に心を震わされ、「ビジュアルは映画を越えて、ストーリーは小説を超えた。」と言うコピーに深く腹落ちしたのが、今も心に残っており、漫画やアニメを低俗なものだと侮ってはいけないと考えているからに他なりません。そして、圧倒的に大多数の人から支持される作品はやっぱり胸を打ち、心を震わされるものばかりだと感じています。

人生の間接体験。

実は、私の中では小説もアニメも漫画も映画も舞台もあまり区切りがなく、同じような観点から見ています。それらは全て人様の人生を間接体験する場であり、感情移入して物語の中に入り込むことによって、絶望的な困難やタフな状況から抜け出す心構えや、目的や目標に向かって突き進む固い意志、全体を俯瞰して、戦略や戦術を練って物事に向き合う姿勢などを現実世界ではなかなか巡り会えないドキドキワクワクする体験として人生を生きていく糧とさせてもらっています。人生は予行演習なしの、ぶっつけ本番の選択の繰り返しであり、経験した事がないことが次々と起こります。実際、私の場合は小説や漫画を読むことで、人生の選択を迫られる局面で、今までずいぶんと参考にさせてもらいました。物語そのものよりも、その作品の根底に流れる作者の思想や考え方、メッセージなどのメタファーを感じることで、人生の選択に厚みが出るのではないかなんて思っています。そんなこんなで、鬼を退治する物語のメタファーを探るべく、当分寝不足の日が続きそうです。(苦笑)


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マーケティングの基本は「全集中」#職人起業塾

令和2年5月30日晴れ

オフライン研修会本格スタート。

今日は緊急事態宣言も解除されたのを受けて、神戸三宮のスペースαでオフラインのリアルな対面で企業研修の講師役を務めました。マドリモと呼ばれる、窓や玄関などの開口部のリフォームに特化したサッシ会社の従業員さん向けに、古典的マーケティング理論を切り口にして、現場改革、顧客との接点強化を図り、激しく、そして先行きが見えない外部環境の変化に対応して、生き残って行ける力を身に付けてもらうための研修です。今日は、4ヶ月にわたって全4回行う研修の3回目で、参加者が研修と研修の間に課題を決めて、実践に取り組む最後の1ヵ月のスタートでもあり、いつにも増して熱を込めて語り続けました。

スモールビジネスの鉄則を知る。

今日の研修のテーマは「スモールビジネスの鉄則」としており、潤沢な資本を持たない事業所が、いかに事業を継続し、そこに集う働く人たちが豊かな生活を送れるようになるか、についてマーケティング理論をひもといてわかりやすくレクチャーするとともに、参加者それぞれの立場や役割で実際の業務でどのように実践するかについて考えて貰いました。強みを見出し、それを認知してもらう、ご縁を大切にして売り上げのもとになる間接的な原因の元を作る、そして顧客生涯価値を認知して、未来に希望を持って目の前の顧客満足に精一杯取り組むといった当たり前すぎる簡単な内容ですが、改めて持続循環していくビジネスモデルの全体像を把握することで、一つ一つの業務の精度を高めてもらう事ができると思っています。

概念を学び、実践に移す。

今日は冒頭に3人のレンガ職人の話をして、「今だけ、金だけ、自分だけ」の考え方を捨て去り、他者に貢献したいという高い志、目的意識を持ち、仕事に集中する職人の素晴らしさを全員と共有し、前回策定した経営理念を皆がそれぞれの役割で実践することで、誰からも仕事を依頼したいと思われる職人になるのだと認識を新たにしてもらいました。これも、特別珍しくも新しくもない理論ですが、ぼんやりと知っていても意味はなく、知っているだけではなく、出来ていると言えて初めてその理論が生きることになります。全員が、ただ言われた作業をこなしているでけではなく、街に住まう人の幸せの場所を提供すべく、大聖堂を作っているという自負と誇りを持って働く3人目のレンガ職人になった時、この会社の力はとてつもなく強くなるのだと腹落ちして聞いてくれていた様に感じました。

ニュースタンダードは鬼滅の刃。

私は、とっつきにくく、小難しい様に感じられるマーケティング理論を職人たちに理解してもらえる様に、様々な身近なエピソードを引用して、説明する様にしています。例えば、ルフィーの夢を仲間たちで叶えようと全員一丸になって数々の難局を乗り越えていくワンピースを取り上げて、経営理念という同じ目的を持って突き進む姿に人は感動するし、メンバーにとってもやり甲斐や生きがいを感じることができる。と行った具合です。しかし、最近、私の引用に対して、知られていない事が多くあり、空振りした時の様な一種の寂しさを感じる事が少なからずあります。今日は少し毛色を変えて、最近、ワンピースよりも多くの単行本が売れていると噂を聞いた「鬼滅の刃」から例をあげると、ほぼ全員が知っていおり、とても嬉しくなりました。

全集中。

私が伝えたかったのは、未来の売り上げを作るには、顧客と繋がり続ける仕組みが必要ですが、その前の段階で、目の前のお客様に満足してもらい、圧倒的な評価をもらう事が必要であり、「一生あなたにお願いしたい」と言われるくらいの卓越した存在になるべきだという事です。そのために、目の前の業務、一つずつに対して全集中して打ち込む必要があるという事で、鬼滅の刃の主人公が鬼と戦うシーンで、呼吸を整え、集中力を高めるシーンを例えに出しました。私たちモノづくりを生業とするものは、結局、「全集中」と言葉を発して、客様に、現場に、モノづくりに向き合う姿勢こそが何より重要であり、この基本を絶対に守り抜くことを強く訴えました。塾生の皆さんはきっと、明日からの現場作業の随所で、全集中!と掛け声をかけながら丁寧なモノづくりに励んでくれると思います。(笑)

 


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世界が注目する(日本の)習慣の力。

令和2年5月29日快晴

アウトドアーシーズン。

今日も神戸は雲1つない気持ちの良い青空が広がりました。アウトドアにもってこいというか、外部での工事をやるには最高の天気でしたが、今日はコンクリート養生中と言うことですっかり担当者になっている基礎工事の現場には出ずに会社のテラスで爽やかな風に吹かれながらデスクワークに励みました。それもちょっとしたアウトドア気分。ほんとにいい季節になりました。

カリスマYouTuberのオンライン勉強会。

このところ現場に出ずっぱりで、たまってる仕事もたくさんあるのですが、アフターコロナのニュースタンダードに対応すべく、朝一番は工務店業界でカリスマYouTuberと言われている本田準一さんによるズーム勉強会が開催されているのを見つけて、これは聞いとかなければいかんと慌てて参加させてもらいました。実は私、ずいぶん前からYouTubeでの配信の重要性に気づき、取り組みかけてはいたのですが、何をやるかよりもどうやるか、圧倒的に質と量が低く、口が裂けてもYouTubeで配信しているなどとは言えないレベルのままこれまでズルズルと来てしまっています。

完全に動画の時代。

今日、本田さんにYouTubeのオープニングとエンディングの動画の作り方をレクチャーいただいた事で、ずいぶんと動画作成へのハードルを下げることができましたし、今後は(私ではないですが、)つない堂とつむぎ建築者のページの中で動画の配信を増やしてもらいたいと思っています。今の時代、このような長文のブログのテキスト等ではなく、もっとハードル低く気軽に親しめる動画の方が時代に合ってるのはよく理解していますし、ニュースタンダードに合わせれるように動画配信を習慣化できるまで(スタッフに)頑張ってもらいたいと思ってます。(笑)

習慣最強説。

話は変わって、私は常日頃、習慣を変えることでどうしようもかった人生を立て直してきた自分自身の経験則から、第二領域と言われる緊急性の低い重要な事柄に対して習慣付けをして取り組むことを社内外に強く推奨しておりまして、習慣が思考を現実化すると、習慣最強説を持論として唱えています。今朝のニュースで、欧米諸国に比べると日本は新型コロナウィルスによる感染爆発が起こることなく、医療崩壊も回避できた事に対する評価が高まっているとの報道がありました。それは、日本人が持つ良き習慣によるものだとの論調で、私としてはとても嬉しく感じた次第です。

日本人が持つ3つの良き習慣。

その習慣とは、1、普段からインフルエンザ対策などでマスクをする人が多く、マスク着用に抵抗が少ない。2、挨拶でお辞儀をする習慣があり、握手やハグといった濃密な接触をする習慣がない。3、屋外から屋内に入るときには靴を脱ぎ室内を清潔に保つ生活習慣がある。の3点で、確かにどれも日本古来より脈々と受け継がれてきた伝統的な習慣で、それが世界を恐怖のどん底に叩き込んだパンデミックから国を守ることにつながったと言うのは本当に素晴らしいことだと思います。習慣の力が環境を整えて、成果に結びつける非常に良い例だと思いました。

聖徳太子
聖徳太子

令和は日本が規範を示す時代。

(私個人の私見ですが)そんな日本人の良き習慣の根底にあるのは、「和の心」だと思っていて、日本で初めての憲法を制定した聖徳太子が、第1条に「和を以って貴しとなす」と定められていることが長い歴史を超えて現代社会の危機を救ったと言っても過言ではないと思うのです。奇しくも、今は令和。聖徳太子が行った律令政治、そして第一条に書き込まれた和の心を大切にすると言う日本人が長い年月を超えて守ってきた考え方や習慣が世界に評価され、また規範となる時代がやってきたように感じています。習慣が運命を、人生を、世界を変える。習慣最強です。(笑)


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ラーメン店で公式LINEに登録しない理由。

令和2年5月28日快晴

基礎コンクリート打設。

今日も朝からやっぱり工事現場へ。工事中のインターナショナルスクールの現場では、何とか予定通り基礎コンクリートを打設することができました。工事期間中何度か雨が降りましたが、大きくスケジュールを狂わされることもなく、これですっかり基礎工事担当になってしまっていた私の役目も1段落、緊急事態宣言も解除されたことですし、そろそろ経営者としての仕事に戻りたいと思います。

ラーメン屋さんのサービス合戦。

ちょうどお昼に立ち上がり基礎の天端レベリングまで首尾よく終わることができたので、帰社する道すがら、やっぱり現場近くのラーメン店でランチをとりました。先日のブログに書きましたが、今私が通っている現場近く、神戸市の北の端から三田界隈は思いのほかラーメン激戦区で、多くのラーメン店が軒を連ね、生き残りをかけたサービス合戦を繰り広げておられます。今日立ち寄った店でも、携帯充電用のコンセントを貸しますとか、ブランケットありますとか、温かいお茶も出しますとか、およそラーメン店では見かけないようなオリジナルサービスを展開されておられました。皆さんとてもがんばっておられます。

オンラインコミュニケーション。

ラーメンをすすりながら、ふと目にとまったのは、公式LINEアカウントにお友達申請をすれば100円割引になると言う告知のカードです。そういえば、この界隈のお店では同様のサービスを多くのラーメン店がされており、替え玉が無料になるとか、ライスが付いてくるとか、特典は様々ですが、オンラインでお客さんとつながるための努力を皆さん熱心にされておられます。800円程度のラーメンで100円割引をすると言うのは、利益率を考えると経営的には非常に勇気の要ることですが、何もしなければただ待つだけの飲食店にとっては、大きなコストを支払ってでも、お客さんとつながりたいと思われるのもわからなくはありません。

残念すぎる事実。

ただ、残念に感じるのは私がどこのお店の公式LINEにも登録していない事実です。しかもそれは、友達申請しての特典に魅力がないわけでも、二度と来る気がないわけでもなく、ただ何と無くQRコードを読み取るタイミングを逃してしまっている程度で、これといって深い理由がある訳でもありません。私もラーメンが百円安くなれば嬉しいですし、おまけで餃子がついてくれば喜んで食べます。多分、オーダーの際に店員さんに「お得ですから公式LINEに是非登録してください!」と笑顔で声をかけられたら間違いなくスマフォでQRコードを読み取って、ありがたく特典の恩恵に預かると思うのです。

店員が登録を勧めない理由。

お店としては、せっかく時間と費用をかけて、顧客と繋がるツールとして公式LINEアカウントの運用を行なっているのでしょうし、お客さんは登録するだけてお得なサービスが受けられる。双方にメリットがあるはずなのに、ラーメン店の人が積極的にLINEへの登録を進めないのは何が原因なのだろうと、考えながらお店を後にしました。私がいくつか思いついた理由としては、①LINEの登録者数が増えても集客に結びついておらず、意味がないと思っている。②お客さんに勧めたら断る人が多くて心が折れた。③なんのためにLINEを導入したか理解していない。④深い理由なく、ただ面倒くさい。⑤経営者が独断で導入して、店員は内容が理解できていない。等々で、本当の理由は何かわかりませんが、どれにしてももったいないのは変わりがないと思いました。

上杉鷹山公の教え。

私が主宰している研修事業「職人起業塾」のなかに、上杉鷹山の経営学というカリキュラムが組み込まれています。破綻しかけの米沢藩を、領民への愛情、相互間の思いやりをベースにして「在り方」を見直し、信頼の輪を広げることで豊かな藩へと大改革を成功させた偉人として有名な鷹山公が当時徳川幕府が改革に失敗した理由、改革を阻害するものとして6つの問題を提起されたと言われます。それは以下の6つですが、このラーメン屋さんのLINE問題も全く同じだと感じた次第です。

  1. 改革の目的がよくわからないこと
  2. 推進者が一部のエリートに限られたこと
  3. 実務者に趣旨の徹底がなされていないこと
  4. PR喚起がなされなかったこと
  5. 改革から生み出される価値を分かち合わないこと
  6. トップが指示命令のみで方法を押し付けたこと

スモールビジネスの鉄則。

これまで待ちの商売と言われて来た飲食店が、来店した客とオンラインで繋がりを持ち、お得な情報やお店のアピールを行なって再訪を促すというのは大きな改革といっても過言ではないと思います。近年、インターネットで食べログやホットペッパーなどのプラットフォームに広告を出して集客を行う手法が広く普及しましたが、その結果、少ない利益をプラットフォーム事業者に吸い上げられる構図が出来上がり、飲食店や美容室などで、お店に残る利益よりも宣伝広告費の方が多くなったという話がいくらでもあります。そんな中、コツコツと店舗に来たお客さんにリピートしてもらえるように繋がりを持つというのはスモールビジネスの事業者にとっては鉄則と言っても良いくらい非常に重要なはずにもかかわらず、LINE登録に対して客も店員もスルーしてしまっている現状は残念でなりません。

何をやるか、どうやるか、何の為にやるか。

何をやるか?よりも、どうやるか?変化を目指しての取り組みはどのレベルで行うかが非常に重要で、システムを導入した時点で、満足してしまっては何をやってもうまくいかないのは自明の理です。そして、どうやるか?よりもどうあるか。なんのためにそれをやるのかという目的意識を明確に持ち、それを全員で共有して向き合うことが、改革、革新の肝なのだと、ラーメン屋さんで改めて勉強させていただきました。激戦地のラーメン屋さんの公式LINEアカウントの残念な運用を他山の石として、自社の取り組みに生かしたいと思います。ごちそうさまでした。


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安くてうまいラーメンが食べられるのは幸せなことなのか? #神戸ラーメン紀行三田編

令和2年5月26日 曇りのち雨

アフターコロナ。

昨日の午前0時、ようやく日本全国の緊急事態宣言が解除され、アフターコロナと言われている日常生活に戻るスタートが切られました。私といえば、県外への移動を制限された自粛期間の間、すべての出張の予定をキャンセルし、神戸に居り続けることになった時間を利用して新築木造中学校の基礎工事現場に現場代理人の代理人としてハマっておりましたが、緊急事態宣言解除のタイミングであれもこれもが一気に動き出し、忙しさも倍増です。とはいえ、新型コロナの感染リスクがなくなった訳ではなく、十分注意を払いながら、止めていた経済活動を再開したいと思います。
と言いながらも、今日もやっぱり基礎現場に出て、型枠大工さんの相番をして鉄筋の台直しや、ホールダウンアンカーのセットをしたり、サッシの施工計画の打ち合わせをしたり、現場作業をしながらzoomの勉強会にオンラインで参加したりと職人モードの一日でした。

知られざるラーメン激戦区。

現在、この工事を行なっているのは神戸の北の果てで、すぐそこは隣の三田市との国境でして、このところランチはすぐ近くの三田市街、若しくは北区の端っこでラーメンを食べるのが私の中では最近のトレンドです。長らく三田市に足を踏み入れることがなかったのですが、久しぶりに三田に行ってみると、街の風景も結構変わっていて、特にラーメン屋さんが多くあることに驚きました、理由は定かではありませんが、10年ほどの間にちょっとしたラーメン激戦区になっていたようです。ラーメンフリークの私としては新たな発見に少し嬉しくなって、三田のラーメン店全店制覇を目指して毎日せっせと通っています。完全制覇にはまだ途中ではありますが、最近の三田、北区界隈のラーメンレポを以下にアップしておきます。

熟成豚骨 一番軒

 

博多らーめん六寶

武内製麺株式会社

熟成豚骨 一番軒

武内製麺株式会社

武内製麺株式会社

濃厚熟成味噌らーめんゆうや

武田屋

武田屋

ラーメン専門店 だしと麺

 

ふじた

 

切磋琢磨の効果。

神戸市街地から遠く離れた北区、三田界隈にこんなに多くのラーメン屋さんが存在しているのに驚きましたが、私が驚いたのはお店の多さだけではありません。それは、どこのお店もそれなりに美味しくしかも非常にコスパが高い、さらに割引サービスやサイドメニューを充実させていたりして、どのお店も凄く頑張っておられるということです。この界隈が知られざるラーメン激戦区になったことで、競合店同士の客の奪い合いが熾烈になっている事は想像に難くなく、ラーメン好きの三田の人たちはずいぶんと恩恵を被っているなと思った次第です。しかし、同時に感じたのはせっかく切磋琢磨しておいしいラーメンを提供し、お得なサービスを次々に打ち出すも、お店が継続できる適正な価格まで単価を上げれることができなければ、一生懸命に働いても利益を手にすることが難しく、ビジネスとしてはどこまでも厳しく、先行きに不安を感じるのではないかなんて思います。

飲食店、繁盛の方程式。

昔から飲食業界で語られる競売の方程式は、繁盛している店よりも少しうまい、もしくは少しサービスが良くてコストが安ければ必ず繁盛すると言われてきました。昭和から平成にかけてそんなビジネスモデルで成長拡大をしてきたチェーン店も少なくありませんが、今回のコロナショックで業容を巨大化した事業所の方が小規模なお店に比べると厳しい経営環境に立たされることが明らかになりました。先行き不透明で、何が起こるか分からないと言われるこれからの時代、特に日本は人口減少が今後顕著になることもあり、薄利多売の時代は本格的な終焉を迎えるのではないかと思っています。

ラーメンフリークにとって幸せな世界。

これまでと全く曲げ薬の逆転の価値観で考えれば、ラーメンフリークの私とすれば、この三田界隈でおいしいラーメン屋さんがたくさんあるすばらしい環境を維持してもらうためには、今も頑張っておられるお店さんに、もっと付加価値の高い商品を開発、提供してもらうえるようになって、少々高くてもご馳走だと思えるようなラーメンを作り、サービス合戦、価格競争から抜け出してもらいたいと思うのです。安くてうまいラーメンがいっぱいある世の中も決して悪くないですが、開店してから5年で半分以上の店が閉店に追い込まれると言われる今の厳しい世の中にあっては、維持継続できるお店のあり方を目指し、我々消費者がそれに対して理解を示し、応援できるような世の中のほうがもっとラーメンフリークにとっては幸せな世界になると思うのです。とにかく、もうしばらくの間、北区、三田市界隈のラーメン、応援活動を継続して参ります。(笑)


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スモールビジネスが主役の時代。#本質的インバウンド。

令和2年5月25日 晴 夏日

現場復帰。

朝夕は涼しい風が吹いて肌寒いくらいですが、今日も神戸は日中の気温が28度まで上昇、完全な夏日となり、現場でコンクリートスラブの上で作業していると体感はゆうに30度を超える暑さでした。今年も過酷な夏の到来を見越して大工スタッフには空調服の支給を決めて、制服として発注しましたが、この調子だと、今年は私も真夏に現場作業をする機会がかなりありそうだと考え、私の分も追加発注してもらうことにしました。以前からそのうち現場復帰を果たしたいと思っていましたが、まさかコロナの影響で職人生活に戻るとは夢にも思っておりませんでした。(苦笑)

新しい生活様式。

さて、本日25日にでも東京などの特別警戒区域を含んで、全国すべての都道府県の緊急事態宣言が漸く解除されるようです。いよいよアフターコロナ社会への第一歩を踏み出すわけですが、政府が推奨するとされる新しい生活や経済活動のスタイルには、ずっとそこはかとない違和感が付きまとっています。すっかりトレンドワードになった「三密を避ける」行動指針は、ウィルスの感染拡大を防止する観点では必要だと思いますが、西村大臣が発表されていた、新しい生活様式、特に新しい働き方については、なんとなくしっくりこない感じが印象として残りました。

違和感の理由。

この、そこはかとない違和感はなんだろうか?とずっと思っておりましたが、昨日のテレビの情報番組で西村大臣がコメントしてるのを見てその理由がはっきりとわかりました。それは、世界が変わるべき大事件が起こったにもかかわらず、彼の思考は全く既存路線の延長だったからで、根本的な価値観の転換に全く対応する意思が見えなかったからでした。今回のコロナ禍を受けて、私の中でリフレーミングすべきだと思っている大きな2つの点が、西村大臣の口から真逆の方向性でこぼれ出て、それを聞いた瞬間にこれはダメだと絶望感さえ感じた次第です。

効率化とグローバル思考。

その2つとは、徹底した効率化思考と成長拡大路線です。西村大臣が経済再生のために必要な製造業の生産体制について、今回のコロナショックでサプライチェーンが混乱して製造業が大きなダメージを被ったことを取り上げて、今後はリスクが大きくなるが、在庫を抱える方向に転換すべきだと言われました。この発言にはまぁまぁ驚いたし、既存路線どころか、一昔前の量産すれば売れる時代のものづくりに後退すべきだと言う論調です。もう一つは、国の経済は成長拡大が必須であり、グローバル化は止めることなく進めなければならない。との発言で、西村氏個人の意見なのか、国の大方針なのかは定かではありませんが、世界を恐怖のどん底にたたきこんだパンデミックの本質を全く見ようと思うしていない驚きの言葉でした。

本質的なインバウンド。

いまだに世界中で国境封鎖が続いている現状を鑑みれば、サプライチェーンの脆弱性の問題は海外の低コストの工場に頼り切るのはやめて、国内で全て部品を賄えるような体制作りと同時に、生産コストが上がる分、ユーザ体験に焦点を当て直して付加価値を高める取り組みを推奨すべきだと思いますし、コロナウィルスの第二波、第三波がいつ起こるかもわからない、また、違う新たな感染症が発生したら今回と同じことを繰り返す可能性があるのを考えれば、国内で経済を回す方法論、単純明快な成長拡大路線ではなく難しくても自立循環型のマーケットの創造、社会の構築を模索するべきだと思います。そもそも、インバウンドとは内面を磨き、その素晴らしさを発信して経済に結びつけるインサイドアウトの方法論です、今こそ、国を挙げて内面強化を図るべきだと思うのです。

変化に対応できたものだけが生き残る。

西村大臣の発言を聞いて、日本政府の中枢部の考え方が、いかに旧態然としていて、変化に対応する姿勢がないのかが顕著に見られたのに対して、一気にこの国の未来に対する心配が募りました。全く何のパラダイムシフトもリフレーミングもないままで、ただ単に感染者数が落ち着けば元の世界に戻ると信じきっているようにしか思えません。やはり、劇的な環境の変化への対応は、恐竜が絶滅したように、体の大きなものほど変化に対応するのが難しく、小さな哺乳類の小動物が生き残ったように、我々のようなスモールビジネスに携わる者が時代の変化に対する適応能力を発揮しなければならないし、そんな時代がやってきたのだと感じた次第です。時代の変化を敏感に汲み取れば、きっと、ピンチをチャンスに転換出来ると思っています。


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