令和2年5月25日 晴 夏日
現場復帰。
朝夕は涼しい風が吹いて肌寒いくらいですが、今日も神戸は日中の気温が28度まで上昇、完全な夏日となり、現場でコンクリートスラブの上で作業していると体感はゆうに30度を超える暑さでした。今年も過酷な夏の到来を見越して大工スタッフには空調服の支給を決めて、制服として発注しましたが、この調子だと、今年は私も真夏に現場作業をする機会がかなりありそうだと考え、私の分も追加発注してもらうことにしました。以前からそのうち現場復帰を果たしたいと思っていましたが、まさかコロナの影響で職人生活に戻るとは夢にも思っておりませんでした。(苦笑)
新しい生活様式。
さて、本日25日にでも東京などの特別警戒区域を含んで、全国すべての都道府県の緊急事態宣言が漸く解除されるようです。いよいよアフターコロナ社会への第一歩を踏み出すわけですが、政府が推奨するとされる新しい生活や経済活動のスタイルには、ずっとそこはかとない違和感が付きまとっています。すっかりトレンドワードになった「三密を避ける」行動指針は、ウィルスの感染拡大を防止する観点では必要だと思いますが、西村大臣が発表されていた、新しい生活様式、特に新しい働き方については、なんとなくしっくりこない感じが印象として残りました。
違和感の理由。
この、そこはかとない違和感はなんだろうか?とずっと思っておりましたが、昨日のテレビの情報番組で西村大臣がコメントしてるのを見てその理由がはっきりとわかりました。それは、世界が変わるべき大事件が起こったにもかかわらず、彼の思考は全く既存路線の延長だったからで、根本的な価値観の転換に全く対応する意思が見えなかったからでした。今回のコロナ禍を受けて、私の中でリフレーミングすべきだと思っている大きな2つの点が、西村大臣の口から真逆の方向性でこぼれ出て、それを聞いた瞬間にこれはダメだと絶望感さえ感じた次第です。
効率化とグローバル思考。
その2つとは、徹底した効率化思考と成長拡大路線です。西村大臣が経済再生のために必要な製造業の生産体制について、今回のコロナショックでサプライチェーンが混乱して製造業が大きなダメージを被ったことを取り上げて、今後はリスクが大きくなるが、在庫を抱える方向に転換すべきだと言われました。この発言にはまぁまぁ驚いたし、既存路線どころか、一昔前の量産すれば売れる時代のものづくりに後退すべきだと言う論調です。もう一つは、国の経済は成長拡大が必須であり、グローバル化は止めることなく進めなければならない。との発言で、西村氏個人の意見なのか、国の大方針なのかは定かではありませんが、世界を恐怖のどん底にたたきこんだパンデミックの本質を全く見ようと思うしていない驚きの言葉でした。
本質的なインバウンド。
いまだに世界中で国境封鎖が続いている現状を鑑みれば、サプライチェーンの脆弱性の問題は海外の低コストの工場に頼り切るのはやめて、国内で全て部品を賄えるような体制作りと同時に、生産コストが上がる分、ユーザ体験に焦点を当て直して付加価値を高める取り組みを推奨すべきだと思いますし、コロナウィルスの第二波、第三波がいつ起こるかもわからない、また、違う新たな感染症が発生したら今回と同じことを繰り返す可能性があるのを考えれば、国内で経済を回す方法論、単純明快な成長拡大路線ではなく難しくても自立循環型のマーケットの創造、社会の構築を模索するべきだと思います。そもそも、インバウンドとは内面を磨き、その素晴らしさを発信して経済に結びつけるインサイドアウトの方法論です、今こそ、国を挙げて内面強化を図るべきだと思うのです。
変化に対応できたものだけが生き残る。
西村大臣の発言を聞いて、日本政府の中枢部の考え方が、いかに旧態然としていて、変化に対応する姿勢がないのかが顕著に見られたのに対して、一気にこの国の未来に対する心配が募りました。全く何のパラダイムシフトもリフレーミングもないままで、ただ単に感染者数が落ち着けば元の世界に戻ると信じきっているようにしか思えません。やはり、劇的な環境の変化への対応は、恐竜が絶滅したように、体の大きなものほど変化に対応するのが難しく、小さな哺乳類の小動物が生き残ったように、我々のようなスモールビジネスに携わる者が時代の変化に対する適応能力を発揮しなければならないし、そんな時代がやってきたのだと感じた次第です。時代の変化を敏感に汲み取れば、きっと、ピンチをチャンスに転換出来ると思っています。
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