またもやクレーム発生。(涙)職人本人さえも気づかない失敗を管理するには。

3月6日 曇り


 

クレーム対応からの広島。

今日は昼から広島に職人起業塾広島開催の2回目となる事前説明会を行います。私たちの活動にご賛同頂いたクラウドサービスを提供されている方が顧客に職人起業塾の案内をしてくれて、興味を持ってくださった大工工務店さんからの問い合わせに対応して急遽開催となりました。いいご縁にできるようにと願いながら新幹線サクラで向かっています。

午前中は昨年施工させて頂いた福山から在来線で2駅の小さな町、松永のクライアント先にアフター訪問というか、クレームの現地確認に行って、散々頭を下げてきました。施工直後は分からない、気づかない問題が後々発覚するという情けないことが建築の世界では往々にして起こります。
細心の注意をして施工を進めるようにと担当者には長年口を酸っぱくしていい続けておりますが、未だにそのような事案を完全に潰す事が出来ず、私たちを信頼して工事を発注くださったクライアントに申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、悔しさに唇を噛み締めました。

現地に行って確認してみると今回のクレームの原因は内装仕上げのクロス職人が施工の際に汚れを拭き取るスポンジを綺麗に濯いでなかった事が原因という、なんとも情けない話で、濡らしたおしぼりで壁や天井の目立つ所を拭き取って回りました。

 

 

施工してる本人さえ気づかない瑕疵。

壁紙の施工の際に使用する糊は無色透明で施行中、余計な所に付着したら綺麗に拭きとらなければ後から乾燥した際に白く変色します。クロス職人は常に水を含ませた綺麗なスポンジではみ出した糊を拭き取りながら施工します。どうやらそのスポンジに含んだ水が何度も糊を拭き取っていたからか、糊の濃度が高くなり、拭き取った部分に微量の糊が残留したようです。

ほんの少し残留した糊は乾燥してもすぐには変色することはありませんが、数ヶ月の時間を経て空気中のチリや埃を付着させ、徐々に白く変色していきます。今回も施工から何ヶ月も経ってから壁紙が変色してきたとの連絡がクライアントから入り、今回謝罪に伺った次第です。

クロス職人さんに直接聞いてみたら、「そんなはずはなんだけど、おかしいなー」と施工の際に手抜きをした訳でも、横着をした訳でも無いようで、クレームを引き起こした自覚のかけらもありませんでしたし、自分自身は完璧な仕事をしたと思い込んでおりました。また、すみれの現場担当者は糊を拭き取るスポンジに微量の糊が残留しているなんて見ていてもわかるはずもなく、「管理不足と言われても、どうしようもないです、、」と自分の責任なのは確かですが、今後どうして改善するかもイメージ出来ていない様子で、電話越しに随分と厳しく2度と同じクレームを引き起こさないように、案を考え、報告すると共に、社内での情報共有を行うように伝えました。

 

 

クレーム根絶への遥かなる道。

現場マネジメントを根本的に見直し、現場担当者がしっかりと目的意識を持って施工を行い、建築業者が提供する唯一の成果物である『現場』でクライアントの評価を得ることで、信頼を集め、未来を作っていく。という職人会社の実業の経験則を元に職人的マーケティング論を偉そうにセミナーや講座でしゃべっている私の会社の実際がこのようなクレームを起こすなんて恥ずかしいにも程があり、本当に情けないことで、立つ瀬が無いとはこのことです。

それにしても、、「オレらが取るんは信頼や、目先の銭金やないんや!」と10年以上も言い続け、行動し続けてきても未だに完璧な現場マネジメントに辿り着けない、本当に建築の仕事は難しいもので、毎年目標に掲げているクレーム完全ゼロを実現出来るようになるのか、と、先行き不安になったりしてしまいます。しかし、未来を標榜するには施工ミス、クレームは絶対に根絶やしにしなければならず、いわば未来を叩き潰す最悪の所業に対する取り組みは諦める訳にはいきません。

 

 

結局、意識改革しかない。

結局、今回のクレームの原因を紐解くと、施工の基本が完璧に出来ていないの一言に尽きます。しかし、何十年も施工に携わっている職人が、そんなことを分かってしない訳ではなく、今回のクロスをお願いした方も年間通してこのようなクレームを出すことが無いような信頼している職人さんです。
本人も自覚していないようなホンのちょっとした気の緩み、もしくは勘違いや行き違いがあったのか、いつもは起こらない失敗を起こした直接的、具体的な原因はわかりません。いつも大丈夫だから、任せていたら大丈夫だろう。というすみれの担当者の気持ちも分からなくはありません。

結局、クレームゼロは毎日繰り返されるルーティーンのような当たり前の業務の一つひとつに対して施工に携わる全員が完璧を求める意識を持ち続けるしかありません。要するに、技術の問題ではなく意識の問題なのです。今回のクレームを受けて、今一度、現場管理を厳しくするとかのレベルではなく、現場に関わる全ての職方との目的の共有と、徹底した技術面での確認、原則の履行を徹底できるように意識改革の場を持ちたいと思います。

Kオーナー、この度は本当に申し訳ありませんでした。本日の応急処置だけではなく、今後もご納得頂けるまでしっかりと対応させて頂きます。引き続き宜しくお願い致します。

 

 

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