知らないことを知ることから始める。

3月7日 晴

 

いかなご漁解禁!

爽やかな突き抜けるような青空となった朝は放射冷却のせいなのか、燦々と陽射しが降り注ぐ割には冷たい風が吹き、すぐそこまで来ている本格的な春を感じることができない寒さでしたが、そこは春、昼からはポカポカといい1日となりました。ニュースでは春の到来を告げる風物詩、イカナゴ漁が解禁になったとのこと、いよいよ春がやってきます。
昨日は2回目となる広島での職人起業塾の説明会を行い、工務店経営者、リフォーム会社の施工担当の方にお集まり頂き、少人数ながらも今後の建築業界、工務店の現場マネジメントについて熱く語って来ました。ちょっとしたグループコーチング形式で、参加頂いた皆さんの意見も伺いながら、建築業界の今後抱えるリスク、そしてそれを突破して生き残るためにこれから必要なことをお伝えしました。皆さん、熱心に私の話を聴いてくださり、「入塾申し込みをします!」と半年間にも及ぶ長い研修にもかかわらず、気持ちよくお申し出をくださいました。

ご参加頂きました皆様、お忙しい中にもかかわらず、長時間お付き合いいただきまして本当にありがとうございました。これから長いお付き合いになりますが、何卒宜しくお願い致します。

 

 

行動=出会いが人生を変える。

昨日の職人起業塾の説明会を行ってみて改めて感じたのは、今まで知らなかった世界に興味を持ち、行動することで、大きく人生が変わるような出会いが往々にしてあるという、当たり前と言ってしまえばそれまでですが、私自身が今まで何度も感じて来た行動が人生を切り開くという真理です。

別に、私に会ったから人生が大きく変わるとは言いませんが、今日の説明会の中でのやり取りでご自身で気付かれた、自分自身が変わらなければならないこと、明日行動に移すべきこと、そして継続して取り組むべきこと、の3つをもし本当に行動に移されたら、半年後、一年後にはご自身に大きな変容をもたらされるのは間違いないでしょうし、そこから(目標設定された)成果を手にする事も難しくもなんともないと思います。せっかくのご縁を頂けた事ですしなんとかこのきっかけを生かしチャンスに変えて頂きたいと思います。

 

 

安定と変化

知らない世界に飛び込んでみる、という行動は実は誰にでも出来る事ではありません。年齢を重ねれば重ねるほど、今まで過ごして来た環境に慣れ親しみ、そこからの変化が疎ましく、面倒臭くなったりするもので、人間の根源的な欲求とも言われる『安定』を求めるのは環境の変化とは真逆の方向です。基本、人はよく知っている世界に住み続けて居たいものなのです。

しかし、今の環境での安定が揺いで不安定になった時、人はやっと重い腰を上げて、自分の知らない新たな世界に飛び込んで行かざるを得なくなります。これはこれでしょうがないのですが、いわゆるケツに火がついた状態で迎える大きな変化は一か八かの博打の様相を呈してしまいます。

安定することを是とするならば博打のような人生を良しと思うことはないと思います。私の場合、これまでギャンブルのような人生を送って来ましたが、実はそれも常にどこかで安定を求めて来たが故でもあります。

 

 

変化が安定を作る。

出来ることならビビりながら危なっかしい橋を渡るのではなく、自信を持ってしっかりと地に足をつけて歩みたいものですが、なんのリソースも持っていなかった私のような学もなくカネもコネも持っていないものにはなかなかそんな訳にも行かなかったというのが正直なところで、とにかく安定した環境に置かれたことがないのですから、致し方ありません。(苦笑)

50歳になる年になってやっとわかってきたのは、知らない世界に飛び込んで新たな知識を得て、自分に対する気づきを持ち、今までと全く違う行動や習慣に取り組むことが結局安定につながるということです。

現在、『サピエンス全史』と言う本を読み進めておりますが、そこには類人猿から進化変容を続けてきた人類の歴史の様々な根源的な変化と安定に向けて人類が行って来た革命についての解釈や解説が非常にわかりやすく書かれています。

サピエンス全史
サピエンス全史

 

知らないことを知る。

認知革命から始まり農業革命、科学革命と続く人類の歩みの中で最も重要だった変革は、知らないことを認知して全く未知の大海原に船を出して領地を拡大した大航海時代にあるとその書籍には書かれています。それまで世界各地でバラバラにひっそりと暮らしていた人類がグローバルにつながりヨーロッパで発達した科学とテクノロジー、宗教観の価値観に圧倒的に押し流された経緯がそこにあるからです。

それまでの人類は自分たちが住む国や地域とつながっている外界以外に大きな興味を持ちませんでした。それは、自分たちが知らない広い世界がこの世にあると言うことを目を向けず、自分たちが住む世界が全てだともう信じてきたからであり、自分たちが知らないと言う自覚こそが世界をグローバルにに結びつけた原動力だとのこと。なるほどなぁと思うとともに、知らないことを知ると言うフレーズがずっと頭にこびりついています。

 

 

自省無くして成長なし。

自分たちが知らないこと、わかっていないことに目を向けると言うのは無知を認識するということであり、解釈を広げると自ら省みると言う行動でもあります。

「自省のみが人を成長させる」とは今は亡き私がメンターとして慕っていたスター社長が残された言葉で、遺言とは少し違いますが、私はその言葉をずっと心に刻み込み、自ら省みる習慣を長年持ち続けて来ました。昨日の職人起業塾の説明会に参加された方も、自ら正さなければならないことがあることに気づき、行動に起こされたと口にされておりましたし、規模感は違いますが『サピエンス全史』で紐解かれた人類の歴史と同じ大きな変革、変容はやはり自分の無知を知ることから始まり、その無知を補う行動=新たな世界に一歩踏み出すしかないのだと思うのです。

 

 

無知と陳腐化。

無知は罪、とも言います。そして全てのモノ、コトはあっという間に陳腐化していきます。何の問題もない(ように思える)安定している状態の時から知らないことを認識する謙虚さを持ち、面倒で厄介ですが、新たなチャレンジを行うこと(変化=不安定)が詰まるところ陳腐化を防ぎ、安定した状態を保つ唯一の方法論なのだと思っています。

毎年の様に新しい事業を立ち上げ、社内の改革をひっきりなしに行い、仕組みやルール、業務フローの改善を繰り返し、新しい知識を取り入れては研修やセミナーにスタッフを送り込む。働いているスタッフとしては通常業務のみでも十分忙しいのに、またなんか新しいこと始めるんや、と面倒で大変だと思いますが、一歩外に出ると自分たちが知らない世界が無限に広がっており、それを知り、吸収することでやっと今まで通りの微妙なバランスに支えられた安定を保つことができることを理解してもらいたいと思います。

「我無知を知る、我行動す。」の精神こそが急激に進む情報化革命の荒波を乗り越える唯一無二の思考であり、これはビジネスに限らず、人の悩みの全ての根源である人間関係においても同じだと思うのです。自己肯定感が重要、と言われるポジティブ思考全盛期の現代の流れでは自分のダメさ加減に目を向けるのは時流への逆行の様に思われるかも知れませんが、バカ明るい前向きポジティブ思考に成長は無いと思うのです。(笑)

さあ、とにかく、まずは新たな世界へ飛び込んでみよう!

 

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