3月21日 雨
京阪神木造住宅協議会活動。
今日も朝から会社を飛び出してひょうご木づかい王国学校の今後の展開についてのミーティングの後、京阪神木造住宅協議会の役員会に出席、昼からは総会、JBNと共催のZEH研修会、そして夜は懇親会と京阪神木造住宅協議会の活動にどっぷりの1日となりました。地域の工務店が集まって、切磋琢磨しつつ勝ち残っていける地力をつけようとするこの団体での取り組み、実は職人起業塾の研修事業化やひょうご木づかい王国学校の運営団体のスタートも元はこの団体から始まっており、毎年先進的かつアグレッシブな活動を展開しております。不肖、私も副会長の任を拝命しておりまして、研修会後の挨拶では参加者の皆様にひょうご木づかい王国学校への支援を(延々と)お願いしておきました。(笑)
ZEH登録ビルダー5000社超え。
今回の研修会ではZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)のトップランナー工務店である九州のエコワークス社の小山社長を講師にお迎えして環境問題と密接に関わっている今後の住宅業界の方向性とトレンドについてのお話を頂きました。国交相のゼロエネルギー住宅と並立した経産省の施策に賛否両論、これまで様々な意見が別れておりましたが、経産省が推し進めてきたZEHビルダーの登録社数は5000社を超えて日本の戸建新築の供給数の半数以上を占めるようになり、既にZEHビルダーに登録してあることが当たり前になりつつあるとのことでした。すみれでも既に認定登録を行っておりますし、4年ほど前から毎年(国交相基準の)ゼロエネルギー住宅の建築を推し進めておりますが、実際はというと地域の中小工務店ではまだまだ普及しているとは言えない現状です。大手ハウスメーカー、ビルダーが牽引している住宅業界全体の流れとの齟齬を感じさせられるお話でした。
パリ協定の衝撃。
小山社長の冒頭の話はパリ協定の説明から、サウジアラビア等の産油国を含む世界中の国が集まり、産業革命以降のCO2の増大を抑え気温上昇を2℃に抑える議定書を採択したのは少し前にニュースでも大きく取り上げられたはご存知の通りですが、世界の先進国に比べて日本政府の取り組みが消極的に過ぎるとのことで、ワースト1、2を争うくらいとのこと。国連広報センターの2050年の世界の天気予報の動画で気候変動のリスクを紹介されてこのままでは日本は世界の流れから取り残されるとの危機感を示されました。
カーボンプライシングのリスク
気候変動のリスクを回避するために世界の流れはカーボンプライシング(二酸化炭素等の温暖化ガスの排出量に応じた対価を支払う社会制度。炭素税等)に向かっており、脱原発を決めたドイツでは2000年以降電気料金は2倍にUPしたとのことでした。同じように10数年後には日本の電気料金も2倍になるとの東日本大震災後の国の試算もあるとのことで、「住宅はイニシャルコストではなくランニングコストで考えるべき」と新築をお考えの方に私は繰り返しお伝え続けている通り、電気を自前で発電して消費する住宅と全てを購入する住宅では、現在考えている資金計画がトータルコストが大きく狂うリスクを抱えていることを改めて認識させられました。世界の流れと同じ様に取り組めば当然、火力発電を圧倒的に削減しなくてはならなくなり、代替エネルギーへの転換は大きなコスト負担を強いられるのかも知れません。
既存不適格住宅のリスク
2020年問題とよく言われますが、現在、高性能住宅と言われている住宅が2020年には義務化になることが建築基準法で決まっており、現在は移行期間という位置付けとなります。すみれでは法改正施行後に不適格住宅にならない様に法改正後から対応はしておりますが、本当にパリ協定の採択を守ろうとするとさらに住宅の性能を上げて、住宅全体でのゼロエネルギー化を進めなくてはならなくなり、自ずと義務基準の上方修正が必要となります。現在の法基準がさらに修正されることも考えておく必要があるのかもしれません。
既築はZEH化、新築はLCCM化
ZEHにこだわり過ぎるのは、本来の家づくりが目指すべき本質を見誤る、といった意見もありますし、私も少なからずその様に思います。しかし、環境問題、エネルギー問題は私たちの暮らしにも深い関わりがあり、関係ないとは絶対に言えません。小山社長は「住まいづくりとエネルギーの調達は別の問題ですが、住まい手がどこから、どのような発電された電気を買う選択をする時代になった。」と説明されておられるとのことでしたが、確かにその通りだと思いました。少し長い目で見ると、化石燃料がそのうち底をつくと仮定すると住宅がエネルギーを自前で作り、消費する様になるのは持続可能な自立循環型社会を目指すなら当然、必要になります。ならば、現在建っている既存住宅もエネルギー損失を抑える改修を行うべき、新築住宅はLCCM※となり全体のCO2発生分を賄えるくらいにCO2の発生を減らしていく住宅になるべきというのが世界の流れの様で、新築時の炭素発生量を考えるとコンクリートや鉄骨に比べると圧倒的に少なく、エネルギーコストがかからない木造建築が主流になるべきというのは私たち現場を知っている建築実務者の肌感覚と沿うものです。地域の木材を使って建築をする私たちの様な工務店が時代の主役へと躍り出るべきだと、勇気を貰うと共に責任を感じさせられる非常に素晴らしいご講演でした。
小山社長、本日は素晴らしいご講話を頂きまして有難うございました。次世代への責任と高い志、非常に感じさせて頂きましたし、私たちも環境への取り組みを加速させていく決意を固めた次第です。
心から感謝します。
※ライフサ イクルカーボンマイナス(Life Cycle Carbon Minus)住宅(以下LCCM住宅と略す)とは、 住宅の建設・運用・解体・廃棄までの一生涯に排出する CO2 を徹底的に減少させるさまざまな 技術導入と、それらを使いこなす省エネ型生活行動を前提としたうえで、太陽光、太陽熱、バ イオマスなどの再生可能エネルギー利用によって、ライフサイクルトータルのCO2収支がマイ ナスとなる住宅のことである。出典:一般社団法人 日本サステナブル建築協会(JSBC)HPより
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オール・オア・ナッシング方式のクラウドファウンディングは目標額に達しなければ全額支援者に返金し、プロジェクトが消滅します。
神戸ハーバーランド木育施設「ひょうご木づかい王国学校」を存続させたい!https://camp-fire.jp/projects/view/21237
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