山の現状と地域工務店の役割

5月10日 曇り時々雨


GW明けのよく晴れた日に自転車で50kmの軽いトレーニングをして帰ってきてから鼻水、くしゃみ、咳が止まりません。風邪っぽい症状ですが身体はすこぶる元気で、熱が出るわけでもなくどうやら風邪ではなさそうで、周りの人から頂いたご意見を集約してみると、どうやら黄砂(か、花粉かPM2.5)にやられたようで、対処の方法も思いつかないまま苦しんでいます。(苦笑)

 

 

木の匠の会総会

今日の午前中はリフォームのプランニングをさせて頂いているお客様宅に伺って耐震性能に掛かる躯体の簡単な調査の為に再訪、何と、NPO団体の事務局をお願いしたKさんがお客様の生徒さんだったという事実が明らかになり盛り上がりました。ご縁が繋がっていくというのは嬉しくて不思議なものです。(笑)

昼からは兵庫県が地元産の木材を使って建築をしている工務店を組織して作った「兵庫木の匠の会」の総会に出席、発足から2年目は兵庫県の主導ではなく、民間に運営主体を移してより活発な活動を目指すことになり、同じ理念を掲げるひょうご木づかい王国学校の運営委員会との絡みで、私も副会長の任を頂くことになりました。掛け声だけでなかなか進まない地元産木材の建築資材としての利用に実効性を持たせる取り組みを(問題は山積みですが、、)進めることが出来るように出来る範囲で精一杯の努力をしたいと思います。

 

 

山の現状と地域工務店の役割

総会の後の研修会では丹波市氷上町で製材所を経営されながら、NPO法人サウンドウッズで木材コーディネーターの育成事業等、全国で地域材の活用のスキームづくりを精力的に行われている能口秀一氏をお迎えしての講演をお願いしました。能口さんはひょうご木づかい王国学校の運営員会にも賛助会員として参画頂いているご縁で是非とも工務店のメンバーさんに同社の取り組みを知って頂きたいと考えて依頼しました。以下に、非常に考えさせられることが多かった能口氏の講演内容を大まかですがまとめておきたいと思います。

 

森づくりは2つの視点を持ち持続可能な資源利用を目指すべき

日本は国土の70%が森林に覆われている森林資源国です。森林資源の活用は近年、国を挙げて様々な運動や政策が行われております。能口氏は森林整備は2つの視点が混同してしまっており、それらを切り分けて考えなければならないと冒頭に話されました。
それは、木材生産:山林 環境保全:森林という視点で、両方とも所有者である山主の責任で計画的に整備を続けるべきですが、それが持続的に出来る構造になっていないのが大きな問題ということでした。

 

適正価格での流通しか山を守る方法はない。

特に大きな問題は近年の木質バイオマスの需要の拡大により木材利用を進めてきたが、山元に戻る価格は下落を続けており、低価格帯の木材需要が増え続けることで本来建築資材として活用されるべき良質の木材もごちゃまぜになってしまって価値を失っているということ。その結果、山の価値が下がり、森林所有者は森林に無関心になっていき、持続性が失われて伐採した後に植林を行い、何十年とかけて森を育てることなど不可能になるとのことでした。

能口氏が提示された森を守る解決策、その現状の負のスパイラルを断ち切るには森林を生かす建築という視点が必要となるとのことで、そのためには森林に眠っている良質な木材のデーターを調査すべきでどうしていいかわからなく諦めている山主の意識を変えてもらい、調べると高値で流通できるいいのものがある、それに気づいてもらうことが重要だとのこと。

 

地域工務店の役割

山に眠っている良質の木材を選別して、適正な価格で流通させることで森林の持続性を保つには需要と供給のバランスが必要なのは自明の理ですが、そこで重要なのはエンドユーザーに直接接する私たち地域の工務店ということになる訳で、山主、木こり、製材所等の流通と顧客接点である私たちが力を合わせて共に取り組まなければいくらいい材を産出しても意味がありません。

地域に根ざし、地域の一員としての立場から私たちはもっと山を木を知り、それを伝える取り組みを加速させる必要があることを痛感させられる非常に考えさせられる講演でした。

 

寝言を言ってる場合じゃない。

能口氏の講演を聴きながら頭に浮かんだのは、「理念なき経済は罪悪であり、経済なき理念は寝言である。」という二宮尊徳翁の言葉。地域の活性化にしても、災害の予防にしても、花粉の飛散の問題にしても森林整備、木材利用は森林資源が豊かな日本では非常に重要な課題であり、しかも現在だけの問題ではなく、おざなりにしてしまうと未来へ負荷を残すことになってしまいます。経済性とは需要の開拓であり、地域材の活用の意味と意義を広くエンドユーザーに知ってもらうことを私たちが行わなければならないのだと強く感じた次第です。

とはいえ、一朝一夕で叶うほど簡単な問題ではなく、一つずつ目の前の課題を克服していくしかなのだと思います。まずは、ひょうご木づかい王国学校でエンドユーザーの視点に立った住宅、建築全般の相談窓口があることを広く知ってもらうところから、ぼちぼちと進めていきたいと思います。

 

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