負の連鎖からの脱出は逆転思考。

5月19日晴れ

 

昨日の第五期職人起業塾の開講、第一講の研修講師を務めた後はこれから半年間共に学ぶ塾生の皆さん、彼らを送り出してくれた企業の経営者さん達との懇親会に出席。久しぶりにお会いする関社長の登場もあり(当然の流れのように)二次会、三次会と痛飲、(想定内ではありましたが)今日は大阪のホテルからのスタートとなりました。(苦笑)

 

 

トップランナーのリスク意識。

午前中は福岡の地域ナンバーワンの有名工務店であり、第3期、第4期と職人起業塾に参加いただいている長崎材木店さんの来訪を受けて社員大工における現場マネジメントと労務管理についての意見交換の時間を持ちました。決して簡単では無い職人の内製化に果敢に取り組まれている同社は私たちの思想や理念に共感いただいており、現場品質、顧客満足度の向上を軸にした職人的マーケティングの構築を実践されようと熱心に取り組んでおられます。卒塾生の現在の活躍を聞かせもらったり、実務的な内容の質問も盛りだくさん頂たりと良い意見交換ができたのではないかと思います。そんなもうすぐやってくる圧倒的な職人不足の問題に真正面から向き合われている姿を見て、しっかりと未来を見通している企業経営者はリスクに対する意識が高いモノだと改めて感心させられることになりました。

 

 

原因と結果の法則

職人起業塾の研修では初回に塾生さん全員に自己紹介をしてもらいます。その中で建築業界が抱える問題と社内が抱える問題についても話してもらうようにしておりまして、昨日の大阪の研修でももちろん行いました。塾生さん達が問題意識を持っておられたのは職人不足、若者の入職者がいないこと、中堅の技術者がいない空洞化と人材不足の問題が圧倒的に多かったです。
起こっている事象にはすべて原因があると考えると今の職人不足を招いている根本的な原因を解消しなければもちろん良い結果は生まれません。では根本的な原因とは何か?その解決作とは?を問いかけつつ、その問題解決の1つの方法論がこの職人起業塾だと言うことを懇切丁寧に説明した次第です。(笑)

 

 

職人不足が加速し続ける原因。

以下に現場実務を長年行ってきた私の視点から現在の職人不足になった原因、その流れを整理してみました。

  • 建築業は基本的には将来マーケットが縮小していく斜陽産業である 。
  • 業界に携わる全員が漠然とした将来に対する不安を抱えており、将来を担う人材育成への投資をためらう風潮がある
  • 先行きが不安な以上、現在の収益を最大化することに注力してしまう。
  • 元請け工務店は経営の効率化の名の下、抱えていた大工を外注扱いにして閑散時のリスクを軽減、一般化した。
  • 徹底した分業化とコストカット、コストダウンの荒波が職人の単価を押し下げたまま市場価格として定着
  • 一度下がった単価は競争原理に引きずられて簡単にはあげることができない。
  • 社会的保障もなく賃金も低く肉体的にもきつい仕事には当然若者は魅力を感じないし、親もそんな世界に行かせようとは思わない。
  • 大工を育成していた街の大工工務店は大手ハウスメーカーやビルダーの下請け職人になり、弟子を育てる金銭的余裕などなくなってしまった。

 

 

負のスパイラルからの脱出。

そんなこんなで今現在、建設業に従事している職人も決して満足できる環境でなく、若者にとっては(労働条件、労働環境は)魅力の欠片もなく、若者を受け入れて育てる者もおらんと言う三重苦の負のスパイラルに陥っています。

この問題を解決する答えは明白で、職人と言う職業が魅力的なものになれば良いだけです。良い職業の定義は様々ですが、第一には将来を不安に感じない位の収入があるべきではないでしょうか。社会保障などついてなくてもそれなりの収入があり、貯蓄が出来れば大きな問題ではありません。結局はカネの問題が1番なのです。

要は職人が稼げるようになれば良くて、儲かる職業になれば若者もおのずと集まってきますし離職者も激減すると思っています。職人は稼ぐ方法論=マーケティングを学ぶべきで、儲かる人=信じられる人になるべく意識を変えなければならないと思っています。

昨日の職人起業塾でもある若い大工の塾生さんが、「営業マンよりも大工の方が地位が低くなってしまっているのが悔しい、」と言っておられましたが、それは営業マンの方が稼ぐからに他なりません。稼ぎでひっくり返すことが出来ればおのずと地位もひっくり返ります。そうやって職種間で切磋琢磨することで会社にも利益がより残るようになり、顧客へのサービスの還元もできるようになると思うのです。現在建築業界にはびこる負のスパイラルは真逆の選択をすることで抜け出すことができるはずで、労働環境を整備して、職人が将来に希望を持てるキャリアプランを作り、若者を育てる決意を業界全体が持つべきだと思うのです。

 

 

一人じゃない。

すこし風呂敷を広げて書きすぎたかも知れませんが、実際は企業経営者も現場に携わる実務者も一人ずつが意識を変えて、今だけ良ければ良いのではない、未来を創る選択をするようになるしかありません。職人上がりの経営者であり、自分自身が置かれていた厳しい環境から起業の際に「職人の社会的地位の向上を図る」というミッションを掲げた私が職人起業塾の活動を通して少しでも現場で稼げる方法論と思想を伝えることができればいいと思っています。

歩みはあまりにも遅く、私が今持つ影響力は脆弱に過ぎますが、根本的な問題解決へのアプローチは表面的な対処ではなく原理原則に従うべきであり、こんな地道な方法しか解決策はないのじゃないか、なんて思いながら、千里の道も一歩から、ボチボチと進めていきたいと思っています。とはいえ、本日わざわざ神戸の片田舎までお越し頂いた長崎材木店さんをはじめ、全国に私の考え方に共感してくれる人も確実に増えてきているのもまた事実。コツコツと積み重ねていればいつか沸点を迎えることができるのじゃないか、なんて予感も密かに持ってます。
兎にも角にも、まずは職人起業塾に参加頂いている塾生さん達に成果を手にしてもらえるように集中し、気張ってみたいと思います。皆様、宜しくお願い致します!

 

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