森友学園問題に見る本物時代の処世術。

6月30日 曇りのち一時晴れ

マーケティングとリーダーシップ

今日は夜明け前に起きだして鹿児島日帰り弾丸出張。【第5期】職人起業塾第11講の講師役として朝から気合いを入れて自宅を飛び出しました。早いもので今回で私の担当するマーケティング理論のレクチャーは終了となり、あとは塾生の皆さんがそれぞれ考案したアクションプランの実践と検証、研修終了後に仕組み、習慣としてその取り組みを定着させることが出来るかを問い、ブラッシュアップしてもらうところに内容は移ります。鹿児島の皆さんはモチベーションも高く、主体性を持って参加してくれている方ばかりなので、私としてはその成果を大きく期待をしているところです。(笑)今回は、私の他にも小田全宏先生にもお越し頂き、リーダーシップ論の研修も行って頂いたこともあり、理論を行動に移すきっかけも掴んでもらえたと思っており、ここから一気に研修に参加してもらって得る成果が加速するのではないか、なんて思っています。私はマーケティングとリーダーシップは一対でありセットだと考えておりまして、また機会があればその内容についてはまた詳しく書いてみたいと思います。

 

話は変わって、、

先日、東京にてJBN(日本工務店協会)の代議員総会があり出席してきました。JBNは全国で唯一無二といっても過言ではない2万社もの工務店が集う大きな団体で僭越ながら私、京阪神を代表して代議員の役を拝命しております。地域のインフラを担う重要な役割を担っている工務店が厳しい環境の変化を乗り越えて存続できる様に切磋琢磨しながら地力をつけて地域に貢献できる様にと様々な活動を行なっている団体であり、代議員総会ではその骨子となる事業計画の承認などをしてきました。議案承認中心の総会のあとは毎回基調講演が行われており最新の情報収集の場としてとても重宝しています。今回も国土交通省の住宅局から今年度の国の施策について詳しい説明をしてくださいました。

 

 

謝罪から 、、

今回の基調講演の冒頭、講演頂いた担当官は演台ではなく舞台の袖に立って、まずは、と謝罪の言葉を述べられました。それは現在の建築業界で利用されている新築住宅向けの助成金の中心的な存在となっている地域型グリーン化事業(長期優良住宅やゼロエネルギー住宅普及のための助成金)の公募開始が大幅に遅れていたことについての謝罪で、つい先日、やっとリリースされて現在各団体(ひょうご木づかい王国学校も含めて)で躍起になって団体登録の準備を進めています。

この助成金事業の公募が大幅に遅れて、非常にタイトなスケジュールになった原因は、業界内では知っている人も多かったのですが、例の森友学園問題の不正助成金申請問題です。学校施設を木造で建てる計画だった森友学園は国土交通省の建築物木質化の助成金制度を利用しており、それが不正受給と糾弾されて事後処理に手を取られて全国の工務店は同じ方が担当していたグリーン化事業の公募を待たされた。ということです。

メディアで取り沙汰されていたニュースがこんなに身近な問題となり、直接影響を受けるとは思っていなかっただけに、なんだか憤りを感じるというよりもやるせない気分になっていましたが、直接、住宅局の担当官から謝罪されて、みんな大変なんやな、と自分達だけではなく多くの人が森友学園に振り回されたのだと同情というか、諦めの感情も少しばかり芽生えたり。。

 

 

規制強化の原因。

住宅局の担当官がもう一つ、本題に入る前に、と、謝罪というよりも説明に時間を割かれたのは今回のグリーン化事業から追加された通達です。それは、これまで助成金受給に必要な申請の書類で建物の工事金額を証明するのに契約書のみで良かったのが、今年度からは領収書や銀行振込票など建築主が実際に支払った支払額を具体的に証明する帳票が必要になったというもので、森友学園問題で、建築会社の請負額を表す契約書が国に提出したものと大阪府に提出したものの金額が大幅に違っていた件に起因していたとのことでした。担当官曰く、「これまでは契約書が建築工事の請負額を証明するにふさわしいと思っていたが、何枚も契約書を作る輩がいることが分かったので、追加の書類を要求することにしました。」とのこと。私たちにとっては助成金の受給申請の際の手続きが煩雑さを増すだけで、傍迷惑な話やなー、というのが正直な感想ですが、冷静に考えて見ると、建築業界全体がもう少し意識を変えなければならないのではないか、なんて思いました。

 

*国交相からの通達の引用*
■重要■平成28年度地域型住宅グリーン化事業領収書関係資料提出のお願い(長寿命型、優良建築物型)

『平成28年度グリーン化事業の実績報告の際の追加資料として「建築主からの請負工事代金の支払いが確認できるもの」(事業者が建築主に発行した領収書の写し、建築主からの工事代金の振込記録等、以降「領収書関係資料」という)を提出していただき、補助申請額に問題がないことを確認すること。』

 

程度の問題で済まされない程度。

そもそも、契約書なんてものは工事に着工する前の計画とそれに対する見積もりが根拠となっており契約後に仕様や計画自体が変わることなど日常茶飯事で、工事内容が変わる度に変更契約を巻き直す、追加見積もりや減額見積もりを提出して契約金額を変更するのは珍しくもなんともありません。見積もりは所詮、見積もりで最終的に工事金額を確定するものではなく、それは契約書も同じです。そんな訳で、とりあえず、概算見積もりで契約を締結して、その後に打ち合わせを重ね、詳細を詰めて、(もちろん双方の納得の上で)金額の変更をしながら計画を進めていきましょう。といった契約書の金額をさして重要視しないのは建築業界特有の慣例といっても過言ではありません。森友学園問題で紛糾した二重の契約書問題で記者会見の際に籠池理事長がどちらの契約書も本物です。と胸を張って言い張ったのはそんな慣習にどっぷり浸かりきって、所詮程度の問題だとタカをくくっていたからだと思うのです。

 

 

疑心暗鬼の負のスパイラル。

根本的な部分に目を向けると、上述したように契約金額は工事前の計画と金額に対する施主と工事会社の合意であり、その後実施計画を進めていく中で変更、追加の工事があり、金額の変更があること自体は悪いことでもなんでもなく、致し方ない一面があります。だからと言って、契約金額を補助金を多く得る為に本来の金額を大幅に水増しすることが許される訳ではなく、程度の問題と言って済まされることはありません。

しかし、今回の国交相の追加の通達のように、施主が支払った領収書を提示することを義務化したところで後で工事業者が水増ししていて余分に受け取った費用を施主に返金するなど、制度の網の目を潜る方法論はいくらでもありますし、これまでの悪習をひきづっていたままでは同じことが延々と繰り返され、今回の様なことが露見する度に業界全体への信頼がどんどん失墜してしまうことになりかねません。そして、そんなことがある度に助成金制度の規制が厳しくなり、我々工務店も、ひいてはこれから家を建てようとしている消費者にとっても使いにくくなっていくばかり。こんな調子では誰も得をすることがない疑心暗鬼のスパイラルに陥ってしまいかねません。

 

 

ホンモノの時代に処世術無し

今回の森友学園問題の根は深く、国交相の助成金の不正受給だけではなく、文科省の補助金、また元々騒動の端を発した国有地の常軌を逸した低価格での購入費にかかる財務省との不透明な関係など何重にも疑惑が取り沙汰されておりますが、今回の一連の騒動(というか事件?)を見ていて思ったのは、これまでと今、そしてこれからの時代は圧倒的な変化を迎えており、その時代の変化に籠池理事長はついていけなかった、もしくは今まで通り、暗黙の了解のようにやり過ごせると思っていたことが罷り通らなくなったのに気づかなかったことが最も大きな原因ではないかと思います。

そしてそれはたまたま森友学園の土地の購入費が安すぎると目立ったからこのような騒動に発展しただけで、もう少し大人し目の価格(程度の問題の範囲)で小学校の土地を買っていたら、表面に出てくることなく、今頃はめでたく開校していたことでしょうし、厳密に調べれば程度の差はあれ同じ様な事案は止めどもなく出てくる可能性があると思っています。

ほんのちょっとしたきっかけでグレーゾーンでなんとかやり過ごしてきた過去が全て暴かれ、世論や警察などの国家組織を動かすほどの騒動になるほど、情報が増幅されて拡散される今の時代。まさに、嘘偽り、ごまかし、偽物が追い詰められ追い落とされるホンモノだけが生き残る事を許される時代へと変わってしまっているのでは無いでしょうか。

とはいえ、世の中の慣習はそんなに清廉潔白ではなかった訳で、その清算を兼ねた変化をするしか生き残る術は無いのだと思う今日この頃、聖人君子のように生きてきたわけではない自分自身にも自問自答を繰り返しています。根本的に意識を変えなければいけないようです。(苦笑)

 

_________________________________________

職人起業塾6ヶ月コース@福岡絶賛募集中
※福岡開催締め切り間近です!【残席5名】

福岡開催につきましては助成金活用希望の方は今月末の申請手続を行う準備を現在既に進めておりますので急ぎお申し込みをお願いします。
現場の改革から業界を変える取り組み、ご一緒出来ることを心から楽しみにしております。
多くの方のお申し込みおまちしております!

第7期生【九州地区:福岡会場  9月1日~2月22日 申込〆期6月30日まで】
第8期生【広島地区:広島会場 10月13日〜4月12日 申込〆期7月30日まで】
第9期生【鹿児島地区 2018年 1月開講予定 事前予約受付中】
第10期【大阪地区 2018年 2月開講予定 事前予約受付中】

問い合わせ:https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/お問い合わせ
fbページ:https://www.facebook.com/shokuninkigyoujyuku/
ホームページ:https://www.shokunin-kigyoujyuku.com

先日の福岡でも大好評頂きました実践型マーケティングマネジメントの総論のセミナーです。

「現場のマネジメント意識が業界を変える!」
現場実務者の戦力化で利益を生み、工務店の未来を切り開く~ 

10月からの【第8期】広島での職人起業塾初開講を前に経営者、経営幹部向けに総論を紐解くセミナーを開催します。また、現場実務者戦力化のための研修費全額を賄う補助金活用の申請資格等の実務も合わせてご説明します。
企業は人なり、理念の実践こそが未来を切り開くとお考えの経営者様は是非ご参加ください。

日時:平成29年7月4日(月) 14時~17時30分
会場:まちづくり市民交流プラザ北棟4FギャラリーA 広島市中区袋町6番36号
参加費:3000円  定員30名

_________________________________________

イベントのご案内。

毎年恒例!夏の富士山登山、今年も行きます!

詳細、お申し込みはこちら→https://www.facebook.com/events/1372228686164849/?acontext=%7B%22action_history%22%3A%22[%7B%5C%22surface%5C%22%3A%5C%22page%5C%22%2C%5C%22mechanism%5C%22%3A%5C%22page_upcoming_events_card%5C%22%2C%5C%22extra_data%5C%22%3A[]%7D]%22%2C%22has_source%22%3Atrue%7D

スクリーンショット 2017-06-27 10.49.56

多可町産ヒノキの伐採体験キャンプ 腐りにくい家を建てる木を見に行く旅

 私が代表を務めているひょうご木づかい王国共催、加美林業研究クラブ主催で山と街と人を繋ぐイベント、山を知り、感じ、楽しむイベント開催します!

詳しくはこちら→https://www.facebook.com/events/1690458584582360/?acontext=%7B%22ref%22%3A%223%22%2C%22ref_newsfeed_story_type%22%3A%22regular%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D

スクリーンショット 2017-06-27 14.40.49

親子で体験 木と小刀でマイバターナイフを作ろう!

この週末、7月2日ひょうご木づかい王国学校で開催です!
詳しくはこちら→https://www.facebook.com/events/418866408508457/?acontext=%7B%22ref%22%3A%223%22%2C%22ref_newsfeed_story_type%22%3A%22regular%22%2C%22action_history%22%3A%22null%22%7D

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください