8月24日 晴れ
建築実務の日。
昨日は茶の湯と書道のお稽古のダブルヘッダーで、忙しく走り回る日常から暫し離れ、気持ちを落ち着かせ、意識を集中し、心を整える時間を持ちました。が、合計6時間の正座と神経を研ぎ澄ます時間でもあり、夜になると(リフレッシュもしていたのかもしれませんが、)疲れがどっと押し寄せた感もありました。過ぎたるは及ばざるが如し、と言いますが、いくらスケジュールが詰まっているとは言え、同日に違うお稽古を詰め込むなんて、やはりあまり良いものではなくて、もう一度タイムマネジメントしっかり考えなおす必要がありそうです。(苦笑)
今日は出張の合間で1日神戸に居られることになり、ガッツリと建築日の1日となりました。朝1番で法定の健康診断にスタッフと一緒に病院に行った後は工場の改修工事の現地調査を二件、帰社してからは店舗改装の打ち合わせともうすぐ着工する新築の店舗の打ち合わせと夜までみっちりとお客様に向き合う時間を持ちました。
繰り返し、練ることの発見。
その合間を縫って、来週登壇することになっているリクシルネットワークでのセミナーの資料のまとめを行いました。テーマは相も変わらずいつもと同じ、今の時代背景、情報革命と職人不足の劇的な変化を直視して、現場マネジメントを根本的に見直し、現場実務者の意識改革を行うことによって、リスクヘッジと共に顧客接点を強化して生涯顧客を創造、売り込まずに売り上げを上げることができるマーケティングを構築して未来の売り上げを標榜するための具体的な方法論です。これまでと同じ資料の焼き直しと言ってしまえばそれまでですが、ここ最近の社会の変化はあまりにも速く、新しい情報が次々に入ってきて、その度にそれまでの資料が陳腐化したように思えてなりません。テーマも結論も同じではありますが、切り口を小まめに見直して最新のものにアップデートするようにしています。同じ資料でも、繰り返し見直すことで、新たな発見があったり、今までと違う概念を呼び起こすことが出来たりして、セミナーや講演のご依頼を頂く度に私自身の勉強になっています。
Third Moment Of Truth
新しい概念を見つけることは、情報を整理して行動を起こしやすくする効果があると思っています。昨年から、「真実の瞬間」という書籍のご紹介をしつつ、業界や業態によって顧客とのタッチポイントの違いを明示して、建築という仕事の複雑さと長さ、そしてそれを支える現場の重要性を訴えることが多くあります。「真実の瞬間」というのは業績の低迷に喘いでいたスカンジナビア航空がクルーと顧客の接点こそが真実の瞬間だと(First Moment Of Truth)CAなどが顧客に接する平均15秒間のサービスにコミットしてリピート客を創り出し、業績を大幅に改善させたという話で、顧客接点の意識改革が出来れば新しいサービスの開発や設備投資などしなくても、大幅に業績を向上させることができるのを示唆しています。この事例を元にインターネット業界ではGoogleが顧客とのコンタクトがあるその前に既に勝負は決まっていると(Zero Moment Of Truth)ネット上での情報に広い網を作ることの重要性を示唆されています。翻って建築業界ではどのようになるかというと、顧客に見つけられるまでのZero Moment Of Truth、コンタクトがあってからの接客、見積もり、設計、施工と続く、First、Secondもモチロン大事ですが、最も重要なのは工事が終わってからの顧客に対する価値提供や付き合い方(Third Moment Of Truth)だと私は考えており、それを根本的に支えるのは真摯で誠実な施工にあると思っています。今回、資料のまとめ直しをしながら、「その後の暮らし」に焦点を合わせたThird Moment Of Truthという概念を思いついた次第です。(笑)
スタバに学ぶ。
今読んでいる書籍の中の一冊に「模倣の経営学」という早稲田大学の井上達彦教授の本があり、たまたま昨日読んでいた章が、スターバックスの事例でした。今や世界中で大人気のスターバーックスはもともとヨーロッパ、特にイタリアのカフェの模倣からスタートしているという話ですが、アメリカに持ち帰り、アメリカ人のライフスタイルに合うように改善、修正を繰り返したことで大きく人気を博したとのことですが、有名なのはThird Plasceという概念です。スターバックスはコーヒーを売っているのではなく、家でも仕事場でもないホッと安らげる第3の場所を提供している。コーヒーの味ではなくその概念こそが同社の人気の秘訣だと言われます。そのバックボーンを紐解くと、創業者のハワード・シュルツ氏が顧客が安らげる場所を提供するには、サービスを提供するスタッフが安心して、気持ち良く働ける場でなければならないと、アメリカでは珍しい、パートタイマーにも保険などの社会保障を付加したり、ストックオプションを与えたりと社員だけではなく全体のES(従業員満足)向上に随分と注力されたようです。
Third Moment とThird Place
私が建築業で最も重要だと考えている「その後の暮らし」こそが真実の瞬間(Third Moment Of Truth)であるという考え方は現場でのモノづくりの品質が守れることが絶対条件であり、なんの保証もなく、単価が下がるだけ下がって“今だけ”に生きる職人をかき集めたところで長年に渡る顧客との信頼関係を構築できる訳はなくて、職人に対する社会的保証を担保したり、正社員として未来のキャリアプランを提示して、未来を見据えて現場作業に勤しんでもらわなければならないと考えて10数年前から大工の正規雇用に踏み切って、職人に対する教育、意識改革を行なってきました。奇しくも、thirdというキーワードで繋がったスターバックスも根本の部分では同じ考え方で、そのサービスを世界に認められ、大きな成功を集めたという事例はとても勇気をもらえた次第です。来週のセミナーでもそんな原理原則から積み重ねてマーケティングを構築する重要性を訴えてきたいと思います。ご参加頂く方は楽しみにしていてください。ちなみに、10月25日には大阪で一般社団法人主催のオープンセミナーも開催します。良かったら来てください!(笑)
_______________________________________
職人起業塾6ヶ月コース絶賛募集中
現在、来年開催の鹿児島、大阪の先行予約開催受講者を絶賛募集中です!
現場の改革から業界を変える取り組み、ご一緒出来ることを心から楽しみにしつつ、多くの方のお申し込みお待ちしております!
第8期生【大阪地区 2018年 1月開講予定 事前予約受付中】
第9期【鹿児島地区 2018年 2月開講予定 事前予約受付中】
問い合わせ:https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/お問い合わせ
fbページ:https://www.facebook.com/shokuninkigyoujyuku/
ホームページ:https://www.shokunin-kigyoujyuku.com
__________________________________
「ハウジング・アクティブ・ソリューションズ(HAS)セミナー」に登壇します。
建築業界の最先端のソリューションを提供する企業に混じって職人起業塾の研修の総論を短くまとめてご紹介します。参加費は何と!無料です!
9/21 (木)TKP仙台カンファレンスセンター【定員50名】(初開催)
10/24 (火)TKPガーデンシティ名古屋新幹線口【定員100名】
11/28 (火)品川フロントビル会議室【定員100名】
12/15 (金)TKPガーデンシティPREMIUM広島駅前【定員50名】(初開催)
お問い合わせはこちらまで→https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/お問い合わせ/