営工設一体論@嵐の中の店舗オープン

平成29年10月23日 台風一過、曇り雨のち晴れ

 

台風おそるべし。

昨夜は散々な目に逢いました。やばいかなーと思いながらも、約束をしていたので名古屋のクライアントのお店に工事を終えた確認とお祝いに(台風21号と共に)駆けつけたところ、結局帰りの新幹線は岐阜と米原の間のトンネル内で停電が発生、新幹線は立ち往生の上に電気が消えてトイレも使えず、換気扇もエアコンも停まってしまったまま、8時間以上も缶詰状態、、神戸に帰ってくるのを諦めて、そのまま京都で折り返し、腰の痛みと寝不足を引きずりながら、今日の予定だった滋賀県草津の物件調査へ時間を早めて向かいました。大自然の力、侮ってはいけません。

 

 

不幸中の幸い

しかし、よーく考えてみると、今日の朝から新幹線どころか在来線も運休が相次いでダイヤはガタガタでしたし、高速道路も通行止めになっているのが何箇所かありました。昨日の名古屋行きを中止していたら、今日の午前中に草津まで行くのは絶対に無理だったと考えると私の身体のことはともかく、仕事の観点からすると、良かったのかも知れません。前向きに過ぎるような気もしますが、過ぎ去った選択を悔やんでも何にも始まらないので、不幸中の幸いだったと思うことにします。(笑)

 

 

想いを形に。

そんな、やばいと思いながらも台風の中、意を決して向かった昨日の名古屋での店舗改装工事の完工チェックですが、クライアントにはイメージ通りの出来上がりになったと喜んでもらえていたし、お店は台風直撃にも関わらず超満員で盛り上がっていたし、現場担当の大工の大ちゃんは今回の店舗の内装仕上げや照明プランを自分が提案したと鼻高々だったし、関東から駆けつけて来られたフランチャイズオーナーは「このテイストで店舗改装してください!」と新たな注文をくださったそうですし、いろんな意味で非常に良かったです。改装計画が持ち上がった当初だけは私も計画立案に参加していて、クライアントの希望をあれこれと聞いていたこともあり、そのイメージが形になったらこうなるのか、と、「なるほど〜」と感心というか納得することしきりでした。

 

 

デザインの陳腐化と不易流行

炭火焼鳥にわ・とりのすけグループのチェーン店は10数年前から私たちすみれで設計・施工・メンテナンスの全てを任して頂いておりまして、そのデザインコードは元々、私がまだ大工として現場でバリバリと働いていた15年程前に「しょっちゅう行きたくなる焼鳥屋」をイメージしつつ、私が(自分好みでもある)デザインを考えてご採用を頂きました。それからチェーン店の基本デザインは1号店、2号店と私が考えた内装イメージを踏襲してきましたが、それから随分時が経ち、店舗デザインのトレンドも大きく変化を遂げています。実は、近年になってこれまでのデザインコードを一新してお店ごとのターゲット層に合わせた内装イメージを実現すべく、試行錯誤とチャレンジを繰り返しています。

 

 

大工の提案。

そんな中、今回の名古屋の店舗は平面レイアウトは決まっておりましたが、内装仕上げについてはなかなかしっくりくるものがなかったようで、着工時に細部の仕様については決まり切っていなかったとのこと。着工してから現場担当で社員大工の大ちゃんがオーナーと話し合いながら、デザインの提案をし、サンプルを取り寄せて現場でリアルなイメージを持ってもらいながら進めたとのことでした。いわば、大工からの素材提案ですが、これができた理由を大ちゃんに聞くと、同じオーナーさんに依頼された以前の現場の時に話していてシャビーなアメリカンな感じが好きだと知っていたからとのことでした。

 

 

現場経験はデザインの引き出し。

その提案は、天井や壁には構造材のOSBボードを化粧張り、大きな壁にはレンガタイルを一度目地材で塗り込んでから部分的に削り出すエイジング仕上げ、古材を使ったテーブルや衝立を現場で製作するなど、大工としての強みを生かし、クライアントの要望を叶えつつコストがあまり膨らまないように配慮した提案になっており社員大工で施工をする自社の強みを生かしたいい事例になったと思います。そもそも、デザインと素材とはかぶる部分もありますが、少し違うもので、今回の様な構造材をそのまま化粧材として利用するというのは素材をよく知っている大工ならではの提案といっても過言では無いと思います。また、机上で設計図面やパース画を書いているだけでは空間としての認識はやっぱり実際の現場のそれとは違いますし、例えば大きな壁のダイナミックさを感じるからこそモルタルとカラークリートを混ぜた素材の提案が思い浮かんだりするものです。

 

 

営工設一体論

最近は建築業界の分業化の流れもあり、設計と施工は全く別物として考えられる傾向があると思いますが、そもそも現場で実際のものづくりを行い、数多くの完成事例を目にする機会の多い大工という職業は、デザインや素材の提案にも優れていておかしくありません。私は若手の社員大工には「時の下手くそな大工なんかありえない、センスが問われるぞ」と言って書道教室に通う様に言っておりますが、職人ってそもそもセンスが良くて当たり前だと思っています。先日、このブログでは営工一体論として職人が営業をこなすべきだとの理論を書きましたが、昔の棟梁と言われた大工さんは意匠を凝らした家づくりを任されていたわけで、施工、営業、設計の全てをこなしていたことになります。今回の現場で大ちゃんが(自分の提案が採用され)えらく喜んでいたこともあり、私たちすみれは自社大工を育成する企業として大工のスキルアップの一環としてセンスを磨き、設計メンバーと一緒になってデザイン提案のできる大工を育てたいと思います。営工設一体のオサレ大工工務店、目指します。(笑)

 

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