人生を変容させた3つの出来事。〜その1〜

11月20日 曇天

冬の到来。

24節季で言うところの小雪を明日に控えて、今朝は神戸もめっきり冷え込みました。お天道様も分厚い雲に閉ざされて日中になっても気温が上がることもなく、北の友人からは降雪の便りもちらほら、とうとう冬の到来です。夕方からUXデザインの研修の課外ミーティングに大阪へと出かけると街はすっかり年の瀬の様相を呈しており、道ゆく人もマフラーにコートと完全に冬のいでたちになっておりました。体脂肪が減ってから冬の寒さが骨身に沁みる様になり苦手な季節がまたやってきたのを実感することになりました。

毎週出張の日は続く。

11月も下旬となり、師走にもあと十日あまり、忘年会を中心?にイベントごとも多く、なんとなく忙しない気分になってきておりますが、私といえば相も変わらず毎週のように出張の予定が年末までぎっしり。建築実務の方も随分と忙しくなっておりこんなスケジュールで大丈夫かしらとドキドキしながらも、行くと約束したら行く。の精神でなんとか年末を乗り切りたいと思います。(笑)
大体、研修事業を行なっている一般社団法人職人起業塾の仕事で講演やセミナー、プロモーションを行うのが多いのもありますが、それ以外にも「来てください。」と頼まれるとハイかイエスか喜んで、ホイホイと日本全国飛んで行く私の体質?が飛び回る生活に拍車をかけているようです。私のような者の話を聞いてみたいと言ってもらえるならどこでも行きますよ。と。(笑)

ファイヤー塾に登壇します。

そんな調子で12月は九州熊本の100年の歴史を刻む名門工務店である村田工務店を率いるファイヤー村田社長から、ファイヤー塾なる勉強会でのスピーカーを頼まれました。Facebookでのやり取りの流れで、来てくださいよ、いいですよ!的な軽いタッチで引き受けたのですが、毎月開催されているファイヤー塾のSNSへの投稿を拝見すると非常に盛り上がっており、また、参加されるメンバーさんも建築業界のみに止まらず、広い職種の方が大勢集られる様子。私のいつもの建築業界ネタが通じないことに気づいて、はてどうしたものかと悩んでしまいました。で、出した答えは学校もロクに通っていないただの不良少年だった私がなんとか真人間になって、人様に喜んでもらえるようにと商売を続けさせてもらえている今に至るきっかけをお話ししようと思いつき、いい機会やし、と、これまでの50年の人生を振り返って見ることにしました。

ノリと勢いだけの人生を振り返る。

講演のタイトルは私がこの十数年、コミットし続けて来た「選択と習慣と状態管理」としてそのメタファーを生み出したストーリーとして人生を変容させた3つの出来事を考えてみました。この3つ以外にも人生を大きく変えた契機というか転機はありますが、敢えて3つに絞ってみました。アウトプットは最大の学びとはよく耳にする言葉ですが、冷静に自分のこれまでの人生を時系列と共に、大きく変容させた出来事をピックアップして見るのは大きな気づきというか改めて考えさせられることが非常に多くありました。「そういえば、俺の人生ってこんなノリと勢いだけの無茶苦茶な上に、単に運がツイテいただけやったんや」と、今一度自分の実力の脆弱さと共に、感謝すべきことのあまりの多さ、大きさに愕然とした次第。ただ、良し悪しは別として、これから人生の選択を重ねる私よりも若い方にとって少しでもヒントになればという想いで、今日から3回シリーズで私の生き方というか、人生を決めて来た大きな出来事をご紹介します!(笑)

第一話:親友の死

若い頃から私は、何かの行動を選択する際にいつも、ドラマティックな方を選ぶというおかしな判断基準で選択を繰り返して来たように思います。なぜか?と自分で考えて見ると、子供の頃に読んだ本からの影響が非常に大きいように思います。それは私が書店の経営者の息子として生まれて来たからで、物心ついた時から、いやその前から常に本に囲まれた生活をして来たことに起因のだと思います。とにかく、父親の書斎(というか本ばかりに四方を囲まれた部屋)に入り浸り、手当たり次第に面白い本を読みふけったもので、中学生の時に読んだ本で今も鮮明に脳裏に焼きついている小説がたくさんあります。強烈だったのは「人間の条件」や「青春の門」などで、子供が読むにはあまりにも刺激的すぎました。そんな中でも司馬遼太郎の歴史小説にはどハマりして、「播磨灘物語」「国取り物語」そしてその流れで山岡荘八の「徳川家康」「織田信長」などの戦国武将の生き様に震え、感情移入ハンパない思春期の子供だった私はそんな烈火のような人生を送りたいと心から願ったのでした。

不良へまっしぐら。

そんな私が中学生になり学校の勉強と部活動だけで満足できるはずもなく、面白いこと、刺激的なことにどんどんと突き進むようになりました。それらは大まか、所謂いい子供がすることではなく悪い子がすることばかり。本当に馬鹿でどうしょうもないですが、隣の学校と抗争や!となるとやめときゃいいのに率先して突っ込んでいく始末で、喧嘩や揉め事は日常茶飯事、無免許で単車を乗り回したりその他ここに書くのも憚れる悪行の数々を繰り返しその度に警察のご厄介になり、こっぴどく叱られては性懲りも無くまた悪さをするどうしようもない少年時代を過ごしました。親や親族、世間様には本当にご迷惑ばかりお掛けして申し訳ないことをしたと、今更ながら甚く反省しております。。

人生という物語を生きる。

歴史小説、特に織田信長にすっかり感化されていた私は、自分の人生をどこかで物語だと思う様になっており、自分は物語の登場人物だという感覚があった様に思います。友達が喧嘩に行くのを見て見ぬ振りして、家でじっとしている方が、人生を後から振り返った時、最終的には自分を情けなく思い、辛くなる。という判断は目先のことだけにとらわれない利点と共に、目先のことをまともな判断をできず、取り返しのつかないことになるリスクを背負っておりますがそれはストーリー展開の一つの場面として捉えているから選択していた様に思います。そんな私が自分の人生を余計に俯瞰する様になった事件が17歳の時に起こりました。その事件を境にして、私は自分の人生を人の人生の様に客観視して、それでいいのか?そんな生き方がしたかったのか?と自問自答する様になります。

人の人生を生きる。

その事件とは、小学4年生で転校した際、新しい学校に通い始める前の不安な春休みに友達になりそれから中学校の卒業まで一番の親友と言っていい友達の突然の死です。中学校を卒業して私は(一応)高校に進学、彼は就職して一緒にいる時間は少なくなっていましたが、それでも事あるごとに一緒につるんでいた頃、些細な喧嘩に巻き込まれ、サクッと刺されて数日後、帰らぬ人となりました。その時の怒りとこんなにあっさりと人は死ぬのだというやるせなさは今でも思い出すと胸が締め付けられる様な感覚を覚えますが、とにかく、それまでの人生で最大の衝撃だったことは間違いありません。その時は子供心に絶対に許さん。と復讐を誓ったりもしましたが、悲しいかな人の心は時間と共に怒りや悲しみが緩められる様で、毎年墓参りに行くたびに、彼の生きたかった人生ってどんな人生だったかを考える様になり、私がその人生を生きようと決意する様になりました。
この決意が、その後の私の人生に大きな影響を与えることになったのは間違いなく、手始めに通っていた高校を中途退学するなど、平穏無事な人生と真反対に突き進む様になります。

今日はここまで、明日は人生を変容させた3つの出来事の2つ目を書いてみます、良かったら覗いてください。(笑)

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