12月21日 晴れ
博多にて。
今日の【第七期】職人起業塾@福岡の講座の為に昨夜、東京から前乗りで来ましたが、あろうことか昨日の夕方東京の講座を終えて羽田空港に向かったら(出発のターミナルを間違えたりもして、)保安検査場の締め切り時間を過ぎてしまい、チケットを取り直して北九州空港に飛んで小倉から博多入りというなんともややこしいことになってしまいました。結局、ホテルにチェックインしたのは日付が今日に変わってから。思いがけず遅くなってしまいダメージを受けてしまいましたが、今朝は早めに起きてホテルに併設されている天然温泉に浸かり、サウナで汗を流してさっぱりとリフレッシュして気合を入れ直して博多駅前のバスターミナルビルの研修会場に向かいました。
アクションプラン検証研修。
今日の研修には次回の研修に参加を検討されている企業の方などのオブザーバーも3名来て頂いたりと少し賑やか目にスタート、第10講と半年にも及ぶ研修も終盤戦に差し掛かって来て、そろそろ塾生の皆さんには座学で学んだことを実務に反映させてトライ&エラー、そして検証と修正を行うフェーズに突入、塾生自身が策定したアクションプランに対する第一回目の検証研修を行いました。今回も早速成果に結びついたと嬉しそうに発表される方、うまくいかなかった、思うようにできなかったとうなだれる方と様々でしたが、出来た!という人にはアクションプランの更なるブラッシュアップを、出来ていない人については修正をしてもらいながら最終講の時に会社に認められ、取り組めるようなプランになるようにと一人ずつに対してグループコーチングを繰り返しました。今日は検証研修の一回目ということで、まだまだ荒削りなところも多いですが、今日も今日とて非常に面白い、いいアイデアを出されていたのでここで一部ご紹介したいと思います。
CASE1創業者の想いをサービスに。
U君が勤める工務店は断熱、気密断熱等の住宅性能に非常に熱心に取り組まれており、地域では住宅性能に特化した工務店として名を馳せているとのこと。以前の職人起業塾の研修で、自社の強みについて発表する機会があり、「性能に特化しています!」と胸を張って答えられましたが、私に「住宅性能の担保はこれから義務化される流れやし、強みにはならなくなる」と指摘され、今回そこを考え直して、自社のUSPをお客様に伝えるフローを作っているとのことでした。実は工務店がUSP(自社独自のウリ)を持つのは実は簡単ではありません、図面さえあれば同じものを誰でも作れますし、今時デザインや素材はネット上に情報が溢れていて、新たな取り組みをしてもあっという間に真似されるし、陳腐化してしまいます。そんな中、U君が絞り出した答えは創業者が身内をヒートショックによる疾患で失ったことに憤りを感じて住宅性能の向上に取り組むようになったというストーリーでした。「そんな創業者の想いに共感して一緒に家づくりに取り組んでいるスタッフがいることが自分たちの強みです、それを来てくれたお客様に伝えます。」と意気揚々と発表をされました。
想い×アクション=USP
それはそれで非常に素晴らしいと思う。と私も素直な感想を述べましたが、「しかし、アクションプランというには弱すぎる」と即ダメ出しというか、再考を促しました。それは想いは所詮想いであり、アクションではないからですが、創業者社長の熱い想いをサービスという形にして顧客の体験にまで落とし込む実体を作り、他社にはない、その卓越したサービスがあることを見込みのお客さんに伝えるべきなのです。U君は暫し考える時間をください、、と頭を抱えておられましたが、全員の発表が終わった最後に、「出来ました!」と会心の笑みで前に進まれました。(笑)
彼の出した新たなプランは家を建てて引き渡した際だけではなく、住み続けたあとも完成時の性能が保持できているかを5年ごとに定期的に検査し続け、お客様にずっと新築時の快適さを保ってもらうというものです。建物引渡し後の定期メンテナンスは殆どの工務店も行っていますし、ハウスメーカーなどは60年保証をつけるなど、暮らしてからの安心を提供できるように留意をしていますが、温熱性能の劣化を測定して保証する会社は前代未聞です。是非ともサービスとして確立させ、住まい手に素晴らしい体験を提供して貰いたいと思います。
CASE2 カウントダウン大工
Tさんは内外装にも木をふんだんに使った住宅で木の良さを伝えることに特化した工務店のまだ修行中の大工さんです。今日の発表ではインスタグラムでの投稿で新たなお客様とのご縁を得るようにとのことでしたが、私からそんなんじゃ全くアカン、ときつくダメ出しをされ。1から考え直さなければならなくなりました。(笑)
結論としてはインスタグラムよりもfacebookの方がまだ向いていること、そして投稿もただ闇雲にアップすればいいと言う訳ではなくテーマを絞ってコンテンツとなる投稿にするべきで、何をやるか、と同じようにどうやるか、も重要だと言うことで、現在、一人前の大工になるべく修行に励んでいる様子を毎日アップするのと同時に既に決まっている棟梁になり、第1棟目の上棟を行う予定の2020年の4月に向けて、カウントダウンを行うことになりました。技術の研鑽の進捗も見えるし、デッドラインを決めて毎日カウントすることで本人の目標達成へのモチベーションの維持にも役立ちますし、後進の大工育成の資料として使えるでしょうし、何より大工工務店としては技術の研鑽に日々取り組む姿を顧客に見てもらえるのは非常に素晴らしく、顧客と繋がり続ける仕組みにもなるかもしれません。
これまでになかった顧客体験を作る。
その他のメンバーのアクションプランもそれぞれ素晴らしいものなりましたし、「実現すればすごいことになるねー」と私も手放しで称賛したものもあります。地域に根ざす工務店が、このようなマーケティング理論に根ざすアクションを考え、実践し、これまでになかった顧客体験を作って新たな顧客と繋がり、またはご縁があった顧客との関係性を深めることが出来れば、少子高齢化、世帯数減のこれからの厳しい時代に突入しても生き残っていけるようになると思っています。本当は全員の発表を紹介したいところですが、今日のところはこのくらいにしておきます。(笑)
各地で開催している職人起業塾の研修は経営者、経営幹部に限り無料オブザーバーとして参加頂いております。ご興味がおありの方はお気軽にお声がけください。
今日のアタリマエ
- 創業者の強い想いはUSPの種
- 想いは形に、サービスに、顧客の体験にしなければ強みにはならない
- 建築は箱を作るのではなく、住み始めてからの暮らしを守る仕事
- 顧客が口に出さない潜在的な不安や感じているだろうリスクを探し、潰す努力が必要
- 技術の習得、上達のレベルなど見えなかったものを見えるようにすると顧客の不安を消せる
- 物語が人の心を惹きつけ、そして動かす。
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