営業マンゼロ会社の目標達成論

2月1日 曇り時々雪

2月のお朔日

朝活に通い始めてから最近流行りというかすっかりお気に入りになったスタッフとの早朝ミーティングからスタートした2月のお朔日。ミーティングの後、朝礼とラジオ体操を済ましてからいつもの伊川谷総社にお参りに行く頃には雪がチラホラと降り始めて2月らしいお朔日になりました。総社に着くといつもと同じようにひと月の感謝と共に、またこのひと月をモチベーション上げてやるべき事をやると決意を表明。お社の奥の鏡に向かって呟いてきました。

デレゲーションを加速

今日は珍しく、一日中事務所に籠りデスクワーク三昧。夕方からは全体ミーティングを行ってグループと、そこから落としこんだ個人の目標設定の発表と計画を着工予定表に落としこんで目標達成を具体的にどの様に、誰がやるかを社内全体で共有する時間を持ったりと、あれこれ整える一日としました。昨年から取り組んでいながらなかなか上手く機能しなかったスタッフによる自主管理体制ですが今年は組織編成を見直したり、自分達で計画のチェックをして修正してもらうなど、主体性を伸ばしてもらえる様に工夫して使いっ走りでは無いデレゲーションを加速させて行きます。

delegation 名詞

出典:日本語WordNet(英和)

目標なんているんですか?

毎年、事業所もですが、私を含めたスタッフ全員が目標を設定しては個人面談で結果を検証します。当たり前ですが、目標を達成するには努力が必要で、毎日安穏と気楽に過ごしていては絶対に目標達成をコントロールすることなど出来ません。昨年、個人面談の際にある女性の設計スタッフが「目標って立てて目指さないといけないんですか?」と素朴な疑問を私に投げかけて来ました。長年、ひたすら(拡大では無く)向上する事だけを目指し続けてきた私にとっては目から鱗の一言でしたが、営業職で無ければ(言葉にしないにしても)そんな風に思っている人は多いのかも知れんな、と改めて気づかされました。

成長し続けなければならない理由

その際のわたしの答えは、「残念ながら、何の目標も持たずに目の前にきた仕事を片付けるだけでは進歩も発展も無いどころか、どんどんと楽な方に流れていって売上、利益のコントロールも出来ずに破綻してしまうねんで、世の中は変化と進化を続けている以上、現状維持でも緩やかな破滅への道やねん」と説明しましたが、マーケティングを「売り込みをせずに売り上げを作れる仕組み」と定義して、お客様との信頼関係を築くことに注力し続け、これまでお付き合いのあるお客様とそこからのご紹介で殆どの売り上げを作るようにして来たのが、厳しい競争原理が働く資本主義社会においてもこのような「幾らでも勝手に仕事が来るやん」的な生ぬるい考え方を植え付けて来たのだと驚愕したと共に、大きく反省した次第です。

目標が無いのは今だけ思考

成長し続けなければならないもう一つの理由は、スタッフも皆、年を重ねていくという事が有ります。毎年、キャリアを積んで役割を大きくして行く事で昇給して、年齢と共に入り用になる費用が増えるのを賄える様にしてもらいたいし、老後にも備えなければなりません。特に大工は50歳半ばくらいから現場作業から現場の施工管理や設計、全体のマネジメントができる様にならなければ、老いと共に稼げなくなってしまいます。事業所の体制も大事ですが、全てのスタッフは個人的なスキルも同時に伸ばしていかなければ、現状のまま無意に歳を重ねるだけになってしまうと100歳まで生きるのが珍しくなくなった今の時代、厳しい人生の終盤を送る事になってしまいます。確実にやって来る未来に目をつぶってしまう「今だけ思考」は非常に危険です。

営業マンがいない会社は全員営業

そんな事もあって、今年は個人的なスキルや知識、技術的な目標設定だけではなく、数字の目標もスタッフ全員に課することにしました。そもそも設計と大工だけの営業マンがいない会社ですから、全体的に数字に対する意識は低かったのですが、昨年から現場担当に売り上げの数字を意識させて売上の目標を立てさせて自主管理に踏み込んだこともあり、設計部に対しても言われた仕事を自分のペースでこなしていたらそれでずっとメシが食っていけるという風潮が広がればそれがボトルネックになって幾ら受注を取って来ても売上も利益も上がらない事を理解してもらう事にしたのです。いわば、全員営業の体制の会社になったという事ですが、社会人としては当たり前過ぎる気もしています。

成果を出すのはP/PCバランス

そんな取り組みを行いながら、とにかくスタッフに学び、理解して貰いたいのは「成果(目標達成)を求めるなら、成果を出せる状態を作らなければならない」という事で、私が創業間もない頃からずっと意識し続けてきた、それでもなかなか出来ていない「状態管理」という考え方を業務だけでは無く普段の暮らしにも照らして貰いたいと思っています。分かり易くイチローに例えると、もし彼の様に10年連続200本安打といった卓越した成績を残したいならば、バッティング、選球眼、走塁、守備とそれぞれの実力を磨き身に付けなければなりませんが、何よりも10年間休まずにフルシーズン出場出来る基礎体力と体調管理が必要です。その為に10000時間にも及ぶ不断の努力をイチローはしてきた訳で、要は習慣と自己管理が成果を生みだすという当たり前のことです。

P:成果(Performance)を得るためには、PC:目標達成能力(Performance Capability)を高めなければならない。        byスティーブン・R・コヴィー

誰にも真似できないくらいの当たり前。

「当たり前のことを行なうのが何よりも難しい」と言ったのは楽天の三木谷社長ですが、当たり前のことが出来なければ、守らるべきことも守れず、顧客やステークホルダーからの信頼を失い、最終的にはマーケットからの退場を余儀無くされます。逆に、当たり前のことを誰にも出来ないレベルで実行出来れば大きな賞賛と共に、卓越した成果を手に入れる様になるのも想像に難くありません。私達は大した強みも世界に誇れる特色も持ちあわせていませんが、一度きりの人生を価値あるものにする為に事業を通して建築会社として、大工として、設計者として、人として当たり前のことを突き抜けるくらいに行なう事で地域社会に価値を提供していきたいと考えていますし、設定した目標に向かってがむしゃらに努力するのはその入口になると思っています。すみれスタッフのみんな、気張って行こうぜ!(笑)

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今日のアタリマエ

  • 目標なくして成長なし
  • 現状維持は緩やかな破滅への道
  • マーケティングが機能すると営業力も営業思考も衰えさせる
  • 今だけ思考(刹那主義)は自分自身にとっての危険思想
  • 売上も利益も社員全員で作っている、全員で意識すべき
  • 成果を出すのは状態管理次第
  • 成果を出せる状態は習慣と自己管理が担う
  • コツコツと努力を積み重ねれば状態は向上する
  • 当たり前を当たり前じゃ無いくらいやれば卓越した存在になれる

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