平成30年4月2日 晴れ
2018年度スタート。
1月はいぬ、2月は逃げる、3月は去る。と言いますが正にその通り、2018年もあっという間に四半期が過ぎて今年も残すところ4分の3となり申した。今日は新卒採用をされている会社はこぞって入社式を執り行われており、SNSをのぞいてみると初々しい若者の希望に満ちた笑顔いっぱいの写真が溢れておりました。すみれでは3年連続で大工志望の新卒の若者を受け入れてきたこともあり、今年の採用は見送って、先ずは新卒三年生、二年生の戦力化を整えてから学生の採用を再開する予定となっており、年度のはじめとなる今日も何の特別なこともなく、私といえばいつものように夜明け前から飛び出して仙台へと弾丸出張へと飛び立ちました。
職人起業塾オープンセミナー、ポスト平成の歩き方。
仙台では、建築事業者の実務者向け研修、職人起業塾全15回コースの募集を絡めたオープンセミナーを開催して、年度の初日となる忙しい日にも拘らず10名程の経営者、幹部qの方にお集まり頂いて、これから建築業界が迎える所帯数の減少、消費税増税に伴うマーケットの冷え込み、マーケットの縮小を圧倒的に凌駕する職人不足、そしてデジタル革命の荒波を乗り切って生き残る為に、「ポスト平成の歩き方」と題してこれまでと違うアプローチで未来を創る取り組みを進める必要性を熱く訴えました。
職人的マーケティング論
その取り組みとは、私たちすみれがこの十数年来取り組んできた職人をはじめとする現場実務者への技術以外の教育であり、意識改革です。建築の本質はものづくりであり、評価は現場での成果物にしかありません。建物が出来上がるまでのプロセスを含めて、現場でものづくりの実務に従事する職人や施工管理者、営業、設計が経営者とおなじ感覚を持ち、経営理念の実現という共通の指標を掲げながら作業や顧客とのコミュニケーションを図ることで確実に顧客からの評価を得て、信頼関係を築くことが出来るようになります。その積み重ねが地域に信頼の輪を広げ、自社独自のマーケットの構築が叶うというのが、職人的マーケティング論であり、職人起業塾の研修の趣旨となっています。
大手とガチンコで戦う愚かさ。
マーケティングという言葉はこの10年くらいで随分とよく耳にするようになりました。そもそも、マーケティングの定義は広く、事業活動全てを包括すると言っても過言ではありませんが、最近は集客→クロージングの仕掛けや仕組みをマーケティングと呼ぶことが一般的になっていると言っても過言ではないくらい多くみられます。それ自体は間違っているとは思っておりませんが、溢れるばかりの情報がいつでもどこでも誰もが手にいれることが出来るようになった情報革命真っ只中の今の時代、単に多くの集客が出来れば契約に結びつくかというとそうでもなく、ユーザーの比較検討の能力が圧倒的に高まった今、案件数ばかり増やしても競合他社に勝てなければ忙しいばかりで一切売上にならないのは自明の理です。工務店、建築業界に限らず潤沢な資本をバックにスケールメリットを活かした大手企業と同じ手法、同じ土俵で戦っても中小零細企業には最終的に勝ち目はなく、淘汰、統合されてしまうのは想像に難くありません。
集客は量ではなく質。
そんな厳しい時代を生き残るには競合他社とは違うチャンネルでの質の高い見込み客を集める方法論を確立する必要があり、それは顧客からの圧倒的な評価、信頼を得てこそ出来ることです。
「一生あなたのところにお願いするわ」「友達や親戚が工事をするときは紹介するわね」と顧客に言ってもらえる関係を構築するのには最長にして最も濃密な顧客接点である「現場」にその答えがあるというのが25年間私が建築業界で働いてきた結論であり、現場力の強化(=現場実務者への経営者感覚の落とし込み)こそがご縁を頂いた顧客を生涯顧客として長いお付き合いをしながら、地域で支え合い、共生出来る自立循環型モデルへと地域ビジネスである工務店が生き残って行く唯一無二の道だと考えています。小手先の見込み客の集め方、売り方などではなく根本から会社の体力を養い、蓄える為に現場実務者への技術だけではない、マーケティングの基礎知識の習得を通して人間力、コミュニケーションスキル、経営者感覚を養い身につけてもらう事で地域の工務店に未来を切り開いてもらいたいと思うのです。
蝦夷の武将に学ぶ。
今日の仙台のオープンセミナーでは時代の流れ、建築業界を取り巻く環境、私たちの長年の取り組みとその成果をご紹介しながら、「現場実務者の意識改革と戦力化」への新たな取り組みを全国の仲間と共に行いませんか?と熱く語りかけました。数名の経営者の心に届いたようでしたし、早速受講のお申込みを頂いたお会社もあり、私たち一般社団法人職人起業塾の活動に対して温かな励ましの言葉も頂くことができました。奇しくも私は只今、東北を舞台とした高橋克彦氏の陸奥三部作にどハマりしており、蝦夷に生きた武将たちが最終的には到底勝てない朝廷に抗い、戦略を立て、知恵を絞り生き残り続けた物語にに大いにリスペクトしているところ。それはAmazonやGoogleなど世界を制覇しつつあるデジタル革命の申し子とも言える超巨大企業や、大資本に支えられた大手ハウスメーカーによる建築市場の寡占化に対抗しようと奮闘している自分たち地域に生きる工務店の姿を阿弖流為や藤原経清、九戸政実に見ているのかも知れません。憧れの東北の地に私たちと同じ想いを持った武将、いや工務店経営者や職人をはじめとする現場実務者が集ってくれることを本当に嬉しく思います。東北の皆様、引き続きよろしくお願い致します。
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