Xデザイン学校台湾ステージ 〜その③ ワークショップ編〜

平成30年6月5日 晴れ

ミッションコンプリート。

昨日に引き続き台中の(おっさん1人で泊まるのはもったいない位オサレな)デザインホテルで朝を迎えました。目覚ましをかけているわけでもないのに、火曜日の朝起きの習慣が身についてしまったのか、いつも通り4時間の睡眠で目を覚まし台中市街を軽めのランニング、気持ちの良いスタートを切ることができました。昨日の昼から台中に入りホテルで少し仕事を片付けてからクライアント先に出向き、重要事項説明を行った後、設計契約を締結、今後の建築業界のスケジューリングのアウトラインを固めるなど、今回の訪台のミッションを全てコンプリートすることができました。。ほっと一息です。

感謝しかありません。

仕事を終えた後はクライアント等が運営されているカフェバーや、京懐石料理、そしてとりのすけ台中本店でおいしい食事とお酒をご馳走になり、いつもながら楽しい時間を過ごさせていただきました。本来接待すべきは私のほうなのに、ごちそうになってばかりで申し訳ない気持ちでいっぱいですが、この御恩には我々の本分である建築の仕事でお返しするようにしたいと思います。H社長、いつも本当にありがとうございます。またお集まりいただきましたスタッフの皆様にも心より感謝いたします。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

日台混合チームでのWS

さて、非常に充実した時間を過ごすことができたこの度の台湾での滞在も残念ながら今日でおしまい、明日からの九州巡業に備えて、夕方のフライトで日本に帰国します。昨日、一昨日と綴ってきたXデザイン学校の台湾ステージでの研修の振り返りを今日ももう少しだけ書いておきたいと思います。前にかいのブログは物係で足をした講義についてのまとめと所感を書きましたが、今回の研修のメインのコンテンツであり、概念を聞いて学ぶだけではなく学んだことを実際に自分でやってみる、ワークショップのヤマ場?として取り組んでの気付きを備忘録として書いておきます。

Moment of Truth

今回のWSのテーマはグループ毎に台北市内をランチタイムを含めて3時間の小旅行に行き、その間の被験者の体験観察を通して私達日本人が「台北の街に来てよかった!」と喜ぶ「真実の瞬間(MOT)」を見つける事で、私も言わば観察される側というか、台北市内を案内され、おもてなしされる側でした。前日の研修1日目の最後に出された宿題は「日本の人は台湾で行きたい場所、体験したいこと、台湾メンバーは日本の友人を案内したいところを考えて来るように。」との事で、まずは私と若い日本人女性デザイナーの行きたいところ、食べたいもの、体験したい事を聴いてもらい、台湾メンバーが「それならここと、ここ!」とサクサクと行き先を決めて出発しました。

ご当地の歴史に触れる。↑

研修会場を出て、まずはMRTに乗って台北駅の隣の北門へ、その昔、台北市街は高い城壁に囲まれており、東西南北の門からしか市内に入ることが出来なかったとの事で、最近、この北門が修復されて観光スポットになっているとの事でした。台湾メンバーに促されるまま、北門を潜ると「ようこそ台北へ!」と門を通って市内に足を踏み入れたことにウェルカム〜!と歓声をあげてもらい気分はアップ!大勢で旅行する気分を味わえる楽しい瞬間でした。(笑)

観光客イエーイ!(笑)↑

北門で少しだけ台湾の歴史を学んだ後は、台北駅の方に歩き、生地と塩と茶を販売する店が多く集まっている市場へと向かいました。観光地としても有名なところで、私は以前に来たことがありましたが、現地の詳しい方にアテンドされたことは無く、いきなり観光客モードで屋台で焼いている焼き鳥を頬張り、目の前でオレンジを絞る生搾りジュースを飲んだり、妊娠した女性に食べさせる?超人気の油飯のお店を見に行ったり、気の良いおばさんにほだされて食べる気もないチマキを買ったり、今が旬のライチを一房だけ買ってみたりと、いつに無くはしゃいでみました。(笑)

本場の本物体験。↑

ランチの前に情報通の?Amyに案内されたのは、漢方薬屋さんで、お店のおじさんに身体の調子が悪いところを伝えると目の前で漢方薬を処方してくれるという、全く日本語も(多分)英語も通じない観光客向けではないお店で、隣に来ていた親子連れは何やら紙に書いた処方箋らしきメモを見せて漢方薬を調合して貰っていました。後で教えて貰ったのですが、中医という脈診をしてくれる医者の様なところで脈をみてもらい、処方箋を書いて貰うのがスタンダードらしく、薬嫌いというか薬を飲まない私としてはその日本には絶対無い漢方薬のシステムは非常に魅力的に思えて、はじめにもっと詳しく訊いて中医で脈診をしてもらい、自分の身体の状態に合った漢方薬を手に入れたら良かったと、少し後悔しました。(日曜日だったので多分やってなかった)

観光客向け王道の体験。→

その後は、台湾茶のカフェでランチを摂り、(私は当初の希望の流れで一応、ラーメンを食しましたが、ラーメン専門店じゃないし、大したことない割にいい値段だった。↓)食後にはチャイナドレスのお姉さんに台湾茶を入れてもらい、また、お茶の淹れ方を教わり自分でも淹れてみる台北観光の王道の体験をしてからタクシーに飛び乗って研修会場への帰途に着きました。

UXデザイナーのプロの実力。

研修会場に戻ってからは、CJM(カスタマー・ジャーニー・マップ)のフレームワークを利用してまずタッチポイントと言われる行動を時系列に並べて、そのポイント毎に観察した内容、被験者が感じた気持ちの上がり下がり、良かった、もしくは悪かった事柄などを大きな模造紙に整理して、その中でインサイト、もしくは「真実の瞬間」を見つけ出し、良い部分についてはピックアップして、悪い部分については問題解決のソリューションをサービスデザインとして提案するショートプレゼンテーションを作成する。というのが当日のゴールでした。このワークは私も何度もやっていますし、行動と感情を整理する程度のことは何ら難しいことは無いのですが、(インサイトを見出すのは難しい)それでも今回のメンバーの皆さんが全く澱む事なくテキパキと作業を進めていく速さは驚きに値するものがありました。

ゴールイメージが違う!

それは「慣れていらっしゃる」というようなレベルでは無く、まさにUXデザイナーのプロの実力をまざまざと見せつけられました。また、それだけでは無く、CJMをほんの30分ほどの短い時間でサクサクと一瞬にして片付ける間に、台北の街を歩いている間、プロデューサー役?のモニカがポイント毎に動画を撮っておられたのを早巻きのショートムービーにして作り上げておられました!それをさも当然のようにリーダー格?のPEIがプレゼン時にスクリーンに投影しちゃうという完成後の高さというよりも、スタート時点のゴールイメージの違いには本当に驚きました。恐るべし台湾UXチーム。と驚嘆しましたが、実はもう一人の日本人のミホさんもスマフォで文字のガイダンス付きの動画を作っておられたようでして、私一人だけレベルが違うのをまざまざと見せつけられ、己の実力を知らされることになりました。。
https://www.facebook.com/yunxiao2/videos/pcb.10156137083572535/10156137070937535/?type=3&theater

本物の体験のジレンマ。

で、ほんの短い時間で直感的に見出したと言わざるを得ない、ワークショップのテーマについてのPEIの発表でのインサイトはやはり漢方薬のお店のくだりで、現地の人しか利用できない(観光客向けになっていない)本物の現地体験を台北に来た日本人は求めている。漢方薬店に行って漢方を購入して喜んでは貰ったが、本物志向として考えれば中医に行ければなお良かったのに、、」との事でした。被験者としての私としては、全くその通りですが、ここで見出すべき問題点は、私たち日本からの(まるっきり観光に来た訳でも無い)日本人が行きたいところは、行きやすいところでは無く、現地の人しか行けないようなところで、私達には特別でも、現地の人には日常生活に馴染みすぎて日本人をアテンドしたいと思わない。行きたいところが分からない、探しても出てこない、特別ではない所ほど特別であるというパラドックスというか、ジレンマの存在こそがインサイトだったのでは無いかと私自身は思った次第。このあたりの感覚をもう少し研ぎ澄まして、実業のアクションプランに落とし込めるようにならねばですが、今回の台湾行でその辺りも大きくヒントを頂けました。

まとめ

そんなこんなで、ワークショップは所詮練習なので短い時間で見出したテーマの精度のことはさておき、私的には若くしてUXデザイナーやUXリサーチャーとして第一線で活躍されている日台両方の若い人達のスキルと能力の高さをひどく確認させて頂くワークショップとなりました。私ももっとスピードをあげて、理論を実装に転換して失敗を繰り返しながらもブラッシュアップする様にしたいと思った。というのが私の今回研修に参加しての所感です。ちなみに、講師陣による各チーム発表の後に話された総括的な講評は以下の通り。

  • 浅野先生:観察的、モノに偏りすぎ、観察というのは個別の行動やモノに囚われてはならない、パターンを見出し、汎用性を持たせるのを、サービスデザインに繋がる。
  • 佐藤先生:調査の報告も経過報告にしても共感を持ってもらうことは非常に重要、やりすぎのきらいもあったけど、グルーピングや視覚的な工夫があればなおよし、
  • 山崎先生:違う文化の者同士がコミュニケーションをとって理解し合うのがサービスデザインの根幹に繋がっている。

兎にも角にも、英語も中国語もロクに話せるレベルに無く、しかもUXデザインに対する概念の理解はさておき、実務で全く使えていない私としては正直おっかなびっくりで今回の研修に参加しました。その結果は2日間の研修とは思えないくらい多くの示唆と気付きを頂きましたし、何より海外のデザイナーと触れ合った時間は大きな刺激を頂けました。心の底から参加して良かったと思いますし、次は台湾メンバーを京都にお招きしてのワークショップがあるらしいので、次も絶対に参加したいと思います。
お誘い頂きました浅野先生をはじめ、Xデザイン学校関係者の皆様、本当にありがとうございます。
そして、引き続きよろしくお願い致します。  See you again Kyoto!

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福岡市博多区博多駅前3-25-24
八百治ビル5F https://aimattain.jp/pg330.html
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