震災復興後の消費増税、生き残りへの特効薬。

平成30年8月4日快晴

建築実務の日

昨日は仙台、1番町での職人起業塾の講習終了後、仙台駅までダッシュで走り続けなんとかギリギリ19時前の神戸まで辿りつく最終の新幹線に乗り込むことができて、6時間かけて夜中の1時前に自宅に帰りつきました。ふつー、どう考えても仙台に宿泊して朝の飛行機で帰ってくるべきですが、私、優雅な講師業でなりわいを立てているわけではなく、リアルに地域密着の小さな工務店の代表であり、それなりに役割を持っておりまして、今日はその役割を全うすべく朝から新築の計画をこれから立てようと考えておられる新規のお客様との初回面談、先日の大雨をまだ引きずっての雨漏りの調査2件、クレーム担当として昨日のブログに書いたお客様宅への謝罪と今後の打ち合わせに行ったりと1日中どっぷりと建築実務に勤しみました。

リアルに工務店やってます!

全国各地で建築業の実務者向けの研修事業を行ったり、講演のご依頼をいただいたりと人前で話すことが近年非常に多くなって参りましたが、私の話を「聞いてみたい」「聞いて共感した」「ぜひとも従業員や協力業者の職人さんに聞かせたい!」とよく言っていただけるのは、私がリアルに工務店経営の実業を行っており、机上の空論ではなく、職人上がりの現場から叩き上げで徒手空拳から20年近くもそれなりに事業を継続し、「建築業の評価はすべて現場にある」と言う徹底した現場主義でそれを根本から構築すべく大工の正規雇用、採用、育成に長年取り組んで、一切のマス媒体での広告を排除して来たからに他ならないと思っています。

同じ苦しみを知っている。

夏の暑さも、冬の寒さも、当たり前のことが実践できない歯がゆさも、1つの現場に多くの人が関わってものづくりをする難しさも、建築業界特有のコミニュケーション不全の憤りも、厳しい競争にさらされるマーケットの環境も、全て体験した。どころではなく、今もなお試行錯誤を繰り返しながら地域工務店の理想のモデルを探して戦い続け、悩み続け、挑戦を繰り返しています。研修会や講演会で建築業界の経営者や職人のおっさん連中が(失礼)壇上から押し付けがましくマーケティングやマネジメントの原理原則論をコンサルタントが声だかに叫ぶたびに、(私もそうでしたが、)建築業界のややこしさを知らんのか、お前が自分で1回やってみろ。と心の中でつぶやいた時点で一切の学びは意味を無くしてしまいますが、私の場合は立場の違いから少し違う雰囲気で親近感を持って話を聞いてもらえます。

震災復興と消費税増税

新の講演依頼をいただくのはほとんどが口コミと紹介ですが、ごく稀にインターネット検索で見つけた、ということがあります。つい先日も東京で研修を行っている際に、東北方面の電話番号から携帯に電話入っており、かけ直してみると仙台を拠点にされておられるメディアの方で、なんでも東北電力主催の工務店向けのカンファレンスで講演してもらう人を探しているとのことで、ネットでこのブログを見つけたらしく、講演依頼を受けました。よくよく聞いてみると、カンファレンスを開催する石巻市の工務店にヒアリングしたところ、震災復興が一息つき、期せずして十数年分の需要を先食いする形になった後、消費税の増税に恐怖と不安を感じているとの事で、同じパターンを経験した神戸の工務店に是非とも話を聞いてみたいと言われたとの事。

ペンペン草も生えない建築市場

確かに、石巻市の工務店経営者が言われる通りで、私の起業のキッカケは今、彼らが怯えている消費税の増税で、手間請けの大工として工務店に勤めていた私は復興需要が終わった後の増税で工務店が倒産して自分で仕事を探して稼ぐのを余儀なくされました。その当時、神戸ではぺんぺん草も生えない。と揶揄される程、全く建築の仕事が無くなって多くの工務店が潰れました。私は2年間に渡り、京都、奈良、大阪に出稼ぎに行ってなんとか凌ぎましたが、消費税増税が施行されるのが近づくにつれて同じことが東北や九州で起こらなければいいが、と私も以前から危惧しておりました。それが、いよいよ現実味が増して来たようで、講演依頼を受けた際に聞いた講演テーマは「売上アップセミナー」となっており、生き残って来た工務店の話を聞きたいとのことですが、正直言って増税後に施す特効薬など無いと思っており、何を話すべきかと少し悩んでいます。

外部環境変化に強い経営の地力

今も昔も、先の見通しがつかない、混迷を深める時代には原点回帰、原理原則に立ち戻れと言われます。震災復興が終わり消費税増税の追い討ちがかかり、震災需要の揺り返しの縮小した市場において、残念ながら私には売り上げをアップさせる特効薬は思い浮かびませんが、地域に根ざす工務店は今一度、自分達の存在意義や強みを見直し、地域に必要とされるポジションを見出して貰いたいと思うのです。地域のインフラを守り、暮らしを守る重要な役割を担っている工務店は大手住宅メーカーとは違う生き方、生き残り方があるはずです。外部環境の変化に振り回される事の無い強い経営母体を作るには自社独自のマーケットを作りあげるしかなく、マーケットを作る地道な原理原則に沿ったマーケティングへの取り組みを継続するしかないと私は思っています。既に手遅れとなる事もあるかもしれませんが、まずは社を挙げてマーケティングの入口である「在り方」を見直す、正すところから地域社会に認められる存在になる為の具体的な方法論を模索すべきではないかと思います。そんな話を東北の皆様に熱く語るつもりです、10月16日に石巻でお会いしましょう!

_____以下は告知です!_____

◆近日イベント・セミナー情報 ※ブログ見ました!で特典あります。

◆ボトムアップ式実践型現場マネジメント厚生労働大臣認定研修 受講絶賛申し込み受付中!

厚生労働大臣認定 建築現場における卓越の戦略実践研修6ヶ月コース絶賛募集中!

【第12期】職人起業塾@福岡 2018年9月21日開講(締め切り間近です!お急ぎください)

【第13期】職人起業塾@大阪 2018年11月16日開講(先行募集開始しました)

お問い合わせ、ご質問はこちら→shokunin-kigyoujyuku.com/お申し込み/お問い合わせ/

https://www.facebook.com/shokuninkigyoujyuku/photos/a.1082316871821138.1073741829.1064332290286263/1899011160151701/?type=3&theater

研修へのお問い合わせ、お申し込みはこちらから。

_______________________________________

◆職人的マーケティングへの入り口:一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイト

建築現場におけるマーケティングに取り組んで見たいとお考えの方は一度のぞいて見てください。実践型現場マネジメント理論、公開しています。無料公開のサンプルPDFはこちら

建築業界を現場の改革から変える志のある方、私達と共に未来の作り方を学びませんか!

こちらから→https://www.shokunin-kigyoujyuku.com

_______________________________________

職人的マーケティング論、メールマガジン配信中

元祖職人起業塾での開催内容や最新のマーケティング関連の(個人的な)考察などを低頻度ながら配信しています。無料ですのでよかったら登録してみてください。https://1lejend.com/stepmail/kd.php?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください