消費税増税の荒波を乗り越える「理論×実践」「概念×事例」@石巻

平成30年10月16日 曇りのち晴れ

石巻にて。

今日は東日本大震災後に訪れて以来の宮城県石巻市に来ています。震災復興も漸く一段落、仮設住宅に住んでいた被災者がほぼ定住先の住居に移られたタイミングで、来年の消費税増税を迎えることになり、ダブルで需要の先食いをやりきった後の先行きの不透明感に苛まされている石巻の工務店さんたちが、一気に需要が冷え込むのが確実視されている来年以降の経営に対するヒントを求めて20年前に同じ状況を味わったであろう神戸の工務店の話を聞いて見たい、と言われた事がきっかけとなり、今回、私にセミナー講師としてお声がけを頂きました。石巻駅から会場へ移動するタクシーの車中から見えたのは全く人気のなくなった仮設住宅の残骸と田んぼの中に作られた新しく建った住宅が並ぶ団地群。解体を待つ仮設団地の寒々とした佇まいは昨日、平泉で感じた栄枯必衰の理に通じるものがあるような、復興需要で忙しかった工務店さん達の焦りの象徴のようにも感じました。

同じ立ち位置、同じ職業。

グラスウール断熱メーカーのワンワールド社、住宅性能は窓から考えるべきと訴えるYKK AP社、設備機器だけではなくHEMSを活用して家電も車も丸ごと省エネ化を行い、太陽光発電を搭載し、ゼロエネルギー化を果たして住宅をイニシャルコストではなく、ランニングコストとして考える事で、住まい手も、作り手もhappyになって環境にも優しい住宅提案のサポートを行うという三菱電機社の3社によるZEH(ネットゼロエネルギーハウス)の必要性と価値についてのプレゼンテーションが第一部。1時間に3社という忙しいプレゼンが終わった後、第2部の基調講演のスピーカーとして「高橋先生」と紹介されて登壇した私が、冒頭に申し上げたのは、「私は先生なんて柄じゃなく、皆様と同じ地域工務店の経営者で、しかもここにおられる誰よりも、学がなく、大した事ない人間です」という事で、「同じ立ち位置で日々悩み苦しみながら工務店の経営を行なっている」という事です。今現在も全く皆さんと同じ実業を、日々悪戦苦闘を繰り返しながら取り組んでいますと、正直に申し上げました。

東北人の洗礼。

冒頭の自己紹介で恥ずかしげもなく自己開示をした事で、アイスブレイクに成功してなかなかの共感を得たかのような印象を持ったので調子に乗って、私を知ってくれている人もいるのではないかと思い、「昨年新建ハウジングで昨年1年間に渡り私が連載していた記事を読んだことがある人!」と挙手をお願いした所、なんと一人も手が上がらないという悲しい結果になりました。ただ、講演を終えた後に挨拶にこられた工務店経営者さんは、「実は、連載毎月楽しみにしておりました」と言ってくれた方も数人おられて、「なんやねん!」と突っ込む場面も。あいかわらずの東北気質?の洗礼を今回も受けてしまいました。それでも講演の間中、ウンウンと頷いてくれる方が複数人おられ、(東北にしては)話しやすい雰囲気にしてもらえたのは感謝することしきりです。それにしても、12月に行うオープンセミナーは盛り上がるように参加型にしようとかと思っていましたが、少し内容を考え直したほうがいいかもしれません。。(笑)

マーケティング思考への転換

震災復興の先食い需要を食い尽くし、消費税増税でどん底に叩き落とされた建築業界で生き残った営業手法 〜外部環境に振り回されない工務店の「在り方」〜と割と凄いタイトルを冠された今回の講演で私が一番伝えたかったのは、これまで通りに普通に営業を続けていたら、時代の流れと共に普通に潰れて消えていくだけだ、という事で、集客の数に血眼になるのではなく、集客の質をあげることに本気にならなければ、「本物の時代」と言われる平成の次の時代には生き残っていけないと声を枯らして訴えました。(笑)
ちなみに、変化するべきなのは売上を支える集客の方法論であり、セールス思考からマーケティング思考へと転換して上っ面では無い本質的なサービス、ものづくり、設計、アフターメンテナンスを行うことで、真実の瞬間と言われる「この会社で良かった」という顧客から卓越した評価をもらえる行動とその選択を顧客接点にある全ての人ができるようになることにより顧客がリピート、もしくは紹介ができる絶対的な安心を提供することです。参考までにと紹介した私たちすみれの創業時からこれまでのビジネスモデル変遷の流れを整理するとこんな感じ。

0.0 大手ハウスメーカー等の下請け工事、接待受注
1.0 地域ミニコミ誌でプチ元請けリフォーム、低価格集客、受注
2.0   チラシ、イベントによる新築、リフォーム、レッドオーシャンガチンコ反響集客、受注
3.0   チラシ、イベント、ブログ、SNS、ポータルサイト等、メディアミックス認知集客、受注
4.0   マーケティング理論の実践、脱マスメディア販促、紹介・リピート集客、特命受注

質の高い集客>現場評価>現場意識改革>経営者感覚移植>学びの習慣

今回の石巻での講演もいつものように当たり前の原理原則論を声だかに叫び、建築業の評価は現場にしかない、現場という最大の顧客接点である職人や施工管理者に対する意識改革を通して、コミュニケーションスキルの向上、学びを実践する前向きで主体的な思考、そして目の前の顧客の笑顔、満足こそが未来の売り上げを作るのだというマーケティングマインドと経営者感覚を植え付けることが、激しい変化の晒され続ける建築業界で外部環境に振り回されることなく生き残る「地力」を蓄える道であり、お互いに信頼、尊敬、感謝の固い絆で結ばれた顧客を如何に増やして自社独自のマーケットを作り上げるかは、経営者が常日頃から概念を学び、実践で裏打ちする習慣を実務担当者と共有するかにかかっていると訴えました。特命受注>最高の現場評価>現場意識改革>経営者感覚移植>学びの習慣という一連の流れは理論的にはそんなに難しいものではく当たり前の理屈ですが、すぐに成果が現れない地道に過ぎる取り組みであり、実際に行動に移し、継続するのは一筋縄では行きません。この度のご縁を機に、東北、石巻の建築業界にマーケティング思考を持って、現場実務者と共に学び、実践に取り組む事業所が1社でも増えてくれればこんなに嬉しいことはありません。また、この度のご縁を下さった主催の東北電力、共催のYKKAP、三菱電機、ワンワールド、そして運営の南北社の皆様、本当にお世話になりました。心から感謝いたします。

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