平成30年10月15日 曇りのち晴れ
(まじで)オオカミが来た!
昨日の報道で安倍首相が来年10月からの消費税増税を可決された法案通り、来年の10月から消費税を10%に引き上げるのを既定路線として、前回、前々回の様に有識者を集めて検討をすることなく粛々と法案に則って施工する姿勢を表明した。とのことです。ロジカルに考えれば税収を増やすには消費税はあげるよりも、あげるよあげるよ詐欺?を定期的にやり続ける方が経済効果は高いに決まっているのですが、そんな子供じみた政策があるか!と(既にやって来たくせに有言不実行過ぎると恥ずかしくなったのかも知れませんが、笑)どうやら今度こそ本当に消費税は10%になる様です。現在の建築業界の好況の原因はあまり顕著ではないと言われつつも、絶対に消費税増税による需要の先食いなのは間違いなく、10%という衝撃の税率の余波を来年の秋以降、私たちは味合わなければならなくなります。来年一年後のこの季節は厳しい冬になりそうです。
東北へ。
奇しくも、明日は宮城県石巻市で東北電力主催、YKK AP共催の工務店向けセミナーがあり、私もそのイベントに登壇するために今日は前乗りで東北にきています。(※ちなみに、写真は聖地巡礼の江刺ふじわらの里と中尊寺です。)このイベント企画を任された会社が工務店向けにセミナーを開催するにあたり、興味がある内容についてアンケートをとったりヒアリングしたところ、「震災復興が落ち着いて、仕事が薄くなって来たのを感じる今、消費税が10%に増税されたら一体どうなるのか?」という不安を抱える方が多かったらしく、阪神大震災の3年後に消費税が3%から5%に上がった事例を思い出して阪神淡路大震災、消費税の荒波を潜り抜けて生き残った工務店から話を聞いて見たいとの要望に応える形でイベント企画のメディアの会社から私のところにオファーが来ました。丁度、仙台で研修講座を開講した頃で、あまりにいいタイミングに驚いて、誰かの紹介かと質してみればそうではなく、インターネットで検索していたら、私のこのブログが出て来て、この人でいいか、となった様です。笑
増税の荒波を切り抜ける方法。
今回の講演の段取りであれこれとそのメディアの方とやりとりをしていて、講演内容のレジュメを送った後に念押しの様にメールで送られて来たのは、「内容に付きまして、一つお願いがございます。震災後の増税という現状認識はあるものも、先行きの不安を抱えている故、阪神大震災後の増税後どのような状況で切り抜けていったかなどのご自身の経験踏まえお話頂戴頂けるとありがたいです。」という言葉で、私の話を石巻、東北の工務店の方々が聴いて、消費税増税の甚大な影響を躱す事ができるうまいやり方があれば是非!というのは主催する側の立場からすると非常によくわかります。しかし、私の経験則から言わせてもらうと、消費税に限らず、市場の購買意欲が冷え込んだら基本的に打つ手は無く、どうしようもありません。マーケットが温もりを取り戻すまでじっと我慢の子で待つしかないのが正直なところです。これまで通りの売り上げが上げれないのなら、遠方に出稼ぎに行こうが、下請け仕事をやろうが、とにかく厳しい季節が過ぎ去るのを耐えるしかないと思っていて、実際、私は1997年の消費税増税後、2年間に渡り奈良、京都、大阪を転々と出稼ぎに回っておりました。。
残念ながら、どーしようもない。
そんなご依頼に対する私の返信は、「震災後の増税の大きな影響の中でどう切り抜けたか?というご質問に対しては実のところ、どうしようもなく、倒産した工務店が数多くあったのが事実で、 私はその煽りで大工から起業することになりました。消えて行った工務店を数多くみた中で感じたことは、大手の下請けは外部変化に非常に弱い。チラシや広告に頼って新規を追いかけていては市場が冷えた時に全く反響がなくなるということで、脱下請け、脱マスメディアでの反響営業のストック型ビジネスモデルを作り上げなければ生き残れないということです。消費税増税の荒波を乗り切るのは、対処療法ではなく、日頃からの予防に努め、自社独自のマーケットを構築する地道な努力しかないと思っています。私が消費税増税後、マーケティング理論に沿った工務店経営を目指したのはこれまで、耐震偽装、悪徳リフォーム事件、リーマンショックなど繰り返し起こる外部環境の大きな変化に振り回されない経営体制を作りたいと思ったからであり、この度の石巻でもそんなお話をさせて頂ければと思っています。」と書いてお返ししました。
聖地巡礼。
今回、セミナーの開催時間の関係で仙台に前乗りしないといけないことになり、それならばついでに早めに来て以前から絶対に行こうと決めていた平泉と江刺にあるふじわらの里を訪れました。奥州藤原氏三代の栄華を偲ばせる平泉の中尊寺で奥の細道で有名で私が大好きな「不易流行」の概念を俳句を通して提唱された松尾芭蕉翁が詠んだ「夏草や 兵どもが 夢の跡」という歌碑に刻まれた句を見て改めて感じたのは儚い人の世の栄枯必衰の理であり、自ら討って出ることをせずに平和な楽土の建設を夢見て実際に山深い奥州に京を凌ぐとさえ言われた賑わいを見せた平泉の都市を作り上げた藤原清衡、秀衡、泰衡の三代の奥州藤原氏さえ、100年しかその繁栄は続かなかったのは、如何に人の世の持続継続した繁栄が難しいかを物語っています。
民だけが生き残った。
そして、江刺、平泉で感じたのは栄枯必衰の理と共に、それでも民は生き続けているという事実であり、統治者は変われども実体としての国が民を指すのであれば、実は栄枯盛衰というのは表面上のことであり、時代の劇的な変化に翻弄されようとも強かに生き続け、生き残っているのは統治するもの、覇権を目指す者ではなく、民衆であるということ。東北に伝わる英雄達の夢の跡、阿弖流為、伊治呰麻呂、藤原経清、安倍貞任、九戸政実、等々の各時代のトップリーダー達が策を練り、綿密かつ大胆な行動で時代を動かし、未来に希望を見出して来たにも関わらず結局、潰えてしまったのは、目指すべきは民の幸福な暮らしであり、それを目的としつつも、東北の覇者としての立場なり、中央政権に呑み込まれない自立権を守ることへの執着がどこかにあったのだと思います。それは決して悪いことではありませんが、絶対勝てない敵に攻めてこられた時に本当に強いのは国の実体としての民であり、その立ち位置に同化することこそ、生きながらえる唯一の方法論ではないか、なんて思いました。混迷を深める建築業界で自立循環型のビジネスモデルを構築するには、本当の意味で地域に埋没し、同化するべきであり、消費税増税の荒波を乗り越える策ではないかと思います。石巻の工務店の皆さんにそんな事が伝われば良いと思いつつ、平泉を後にしました。
_____以下は告知です!_____
【宮城県石巻市での工務店セミナーに登壇します!】
【私たちが抱えている不安】
•消費増税による消費マインドの萎縮
•人口、所帯数減少、市場の縮小
•大手ハウスメーカー等による市場の寡占化
•急激な職人不足
•デジタル革命による集客の変容
•不明瞭なポスト平成時代の事業継続への不安
建築業界が抱える数々の問題点に果敢に立ち向かう姿勢と根本的な問題解決へのアプローチを考える上で重要な概念をお伝えします。
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