平成30年10月31日 晴れ
第62回元祖職人起業塾
水曜日も朝活の日。今朝も(目覚ましをかけるのをすっかり忘れておりましたが、なんとか)まだ真っ暗な中起き出して張り切って自宅を飛び出しました。昨夜は19時からすみれ本社で毎月開催しているマーケティングを切り口にしたグループコーチングである元祖職人起業塾の開催日で、今月も忙しい時節にもかかわらず30名弱の勉強熱心な経営者やマネージャー、職人など多数の方にお集まり頂き、熱気ムンムンの盛り上がりをみせました。懇親会も勉強会の続きの熱いディスカッションがカリスマ左官の植田親方を中心に展開されて主宰の私も大いに刺激をもらう有意義な時間となりました。皆さま深夜までお疲れ様でした!
百戦百勝
昨日の勉強会のテーマは「百戦百勝の人になる」というお題目でした。スモールビジネスに取り組む中小零細企業では社員全員が売り上げを上げる、利益を残す意識を持つとともに、売り上げをあげるのに寄与できる力を身につけるべきとの観点から、声がかかれば全て受注できる「百戦百勝の人」になる方法論を整理、全員にその力を身につける具体的な取り組みを考えてもらいました。企業が破綻する理由の98%が売上不振だと言われますが、逆に考えると売上だけ上げ続けること出来れば一応、倒産のリスクから逃れることができるという見方も出来ます。本来、企業が目指すべきは売り上げではなく利益なのですが、その前段階として売り上げは絶対に必要です。
分解すれば簡単だ。
「百戦百勝の人」と言うとすごい人の様に思いますが、細かく分解して考えてみると、実はそんなに難しいことではありません。まず初めに参加者の皆さんに「比較検討するまでもなくぜひあなたにお願いしたい」と言って仕事を頼まれた経験をお伺いすると、全員がその経験を持っており、条件さえ整えば勝つことがわかっている勝負の場に立てる事が明らかになりました。問題はそのシチュエーションをいかにパタン化して繰り返し、必要な量を手にするかだけの事、誰もが百戦百勝の人になれる可能性を持っています。
真実の瞬間
問題はレアケースをスタンダードに変える、必要とする量をいかに集めることが出来るかであり、この問題さえクリア出来れば無理な売り込み、一般消費者への強制介入である折り込みチラシなどの効率の悪い販促をしなくても売り上げを作る事が出来る様になります。では、どの様な時に比較検討されることなく特命受注を得られるかというと、その企業や人、サービスが信頼に値する評価を受けているから、と、非常にシンプルですが決して簡単では無い原因を作り出さねばなりません。要するに、顧客接点で「真実の瞬間」と言われるこの会社に頼んでよかった、この人なら大丈夫。と感じて貰える瞬間を持つことが出来るか否かにかかっています。
意図の影響
参加者の皆さんに特命で仕事を依頼された経験からその理由を訊いてみると、仕事への情熱や思い入れ、生き様、哲学などが伝わった時に是非お願いしたい、と言われたとの答えが帰ってきて、信頼を得るための4つの核(誠実、意図、力量、結果)の中の「なんのためにその仕事を行なっているのか?」という「意図」が大きく影響している事が鮮明に浮き彫りになりました。逆に、プロならば求められる仕事ができて当たり前、誠実に確かな仕事をしていても心の在り方が伝わらないと他者との圧倒的な違いが認められないという事だと思うのです。
マーケティングとは影響力。
百戦百勝の人になるには、「百戦百勝は善の善なる者に非ず。 戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者 なり。」と孫子の兵法に書かれているように戦う前に勝敗が決まっており、戦わずして勝つ(集客ができる)状態を作り上げることが必要です。そこに必要なのは出会ってからクロージングに発揮される表面的、顕在的な影響力ではなく、非対面、出会う前に比較検討を排除してもらう位の潜在的な影響力であり、それは圧倒的な強みを有しなければ手に入れることができません。結局、マーケティングとは影響力を拡大する活動自体だと言い換えることもできると思っています。
影響力は習慣によって作られる
そして、影響力は一朝一夕で身に付くものではなく、長い年月をかけてでもコツコツと積み重ねで育てるものだと思っています。今回の元祖職人起業塾参加者の皆さんには、社会的影響力を構成する9つの要素を紹介し、今の自分がどの影響力が必要でそれをどのように伸ばしていくかを質してみました。目標を達成する力である目標達成能力はやはり習慣に基づいて創成されるものであり、忙しい時期にも、このような勉強会に継続して参加することと同じように、普段の生活の中で緊急性の低い重要な「影響力を高める取り組み」に注力する時間を持たねばならないとまとめておきました。
社会的影響力 Social Power
どんなにシンプルでわかりやすい概念も行動に移すことが出来なければ全く意味を成しません、結局は継続した行動に具体的に落とし込むことが出来るかにかかっており、今、何に取り組むべきかを考えるのに、慶應義塾大学の今井芳明教授のサイトに紹介されている社会的影響力の9つの要素が非常にわかりやすかったのでここでも以下に紹介しておきます。習慣に取り組む選択の参考にして頂ければ幸いです。戦わずして勝つ、百戦百勝の人への道を共に歩みましょう!(笑)
①賞影響力(reward power)
受け手が欲しいと思っている報賞を与え手が受け手に与えられる②罰影響力(coercive or punishment power)
与え手の望む行動を受け手が取らなかった場合に、受け手に罰を与える③正当影響力(legitimate power)
高地位の人からの指示、命令には従うべきであると低地位の人が認識する④専門影響力(expert power)
ある領域で専門的知識や技能が高い人が持つ⑤参照影響力(referent power)
「あのような人になりたい」という認識される⑥情報影響力(informational power)
価値のある情報を提供できる⑦魅力影響力(attraction power)
好感度の高い、あるいは魅力的な人⑧対人関係影響力
コネクションに基づいた影響力⑨役割影響力
役割関係に基づいて、自分よりも高地位に相手に対して影響を及ぼすことができる出典:社会的影響力と対人的影響の世界
http://www.ne.jp/asahi/socialpower/yimai/index.html
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