卵は後!鶏を育てる決意と覚悟@職人不足解消の処方箋

平成30年11月10日 快晴

朝ドラにもらうモチベーション!

今日も秋らしい爽やかな青空が広がり、絶好の行楽日和というか、イベント日和。あちらこちらで魅力的なイベントが開催されており、行ってみたいなー、参加したいなー、豚饅食べたいなー、なんて思いつつも、結局やっぱり、建築実務のお仕事にどっぷりと浸かり切りました。。
朝の連ドラで現在、私が大いにリスペクトしている安藤百福氏が主人公の「まんぷく」が放映されており、戦後の焼け野原から立ち上がり、事業家として世界の食糧問題の改善に大きな功績を残したと言われる日本を代表するレジェンドの伝説を毎日楽しみにしておりまして、今朝は泉佐野の海岸で始めた製塩業が初めて本格的にスタートした話でした。初めて出来上がった塩のあまりの量の少なさに社員が全員落胆するも、その塩を塩が配給で入らないから塩っけの少ない薄味で悩むラーメン店にプレゼントして涙を流して喜んでもらう姿を見て、萬平さんが「人に喜んでもらう仕事をしたいという夢が一つ叶った」と言い放つシーンにウルっときて、俺もがんばろ!と朝から気合を入れた次第です。

建築は人様に喜んでもらえる仕事。

そんな朝ドラの影響もあり、モチベーションをアゲたまま、朝一番で台風被害から長い間待ってもらっていた屋根修理の現場に行って(予定に入っていなかったですが、)カーポートの修理を行いました。9月から何ヶ月も屋根にはブルーシート、カーポートは壊れたままのみすぼらしい姿だった家が綺麗になったと喜んでもらえたのは私にとってもとても嬉しく、自分の手で人様に喜んでもらえる職人の仕事って本当にいい仕事なんだと改めて感じて、出来ることなら毎日、こんな事を積み重ねたいものだと思いました。当然ですが、毎日現場に出ているすみれの工務部スタッフはお客様に喜んでもらえる事を毎日行なっているはずで、現場で職人として働けるのを少し羨ましく感じたり。こんなにやり甲斐がある仕事なのだと伝えることができれば、職人になりたいという若者は引きも切らさずどんどんやってきてもおかしくないのにな、なんて思います。

人手不足とその原因。

今日の現場には創業時から一緒に現場で作業をしてきた屋根板金工事業の岡村板金の社長がたまたま来られて、若衆と一緒に作業をしていました。「社長自ら現場作業ですか、やりますなー」「現場が回ってないからしょうがないねー」とお互いに言い合いました。(笑)
最近はなかなか会うこともないので、せっかくやし、昼飯でも一緒しようと近くのラーメン店でラーメンをすすりながら、話に出たのはやっぱり人手不足の話と、建築工事業の会社で大命題となっている社内の労働環境の整備についてです。「大工を正社員にして、社会保険や厚生年金でどれくらい費用がかかってるの?」と、岡村社長は自社の社員になかなか正規雇用として社会保険を掛けれていない事に対しての悩みを覗かせておられましたが、私の回答を聞いて「そうか、やっぱりそんなにかかるんか、」とがっくりとうなだれておられました。

やりたい、でも出来ない職人の正規雇用。

「若衆って社員やから社会保険に加入してるかと思ってたよ、」と私が水を向けると、「職人たちが保険を引かれると手取りが減るから嫌やっていうんです、」とこれも建築業界特有の、保険は自分で入りたかったら入る、お金がもったいなかったら入らないという、目先のお金に囚われて不安定極まりない環境に身を置く職人が圧倒的多数を占める建築業界の現状がそのまま縮図として運用されている様子でした。ちなみに、と私が申し上げたのは、15年程前に外注扱いだった大工達を正規雇用として社員にした際、基本的には手取りの給与が変わらない様な賃金体系にして、社会保険、厚生年金に加入する事によって増額する費用は殆ど会社で負担する様にした事で、これが出来ないと職人に他業種では当たり前の社会保障をつける事は出来ないと厳しい口調で伝えました。その当時、7〜8人の大工を正規雇用に切り替えたら経費が年間1000万円余分にかかったんだよね、というのも補足すると、「やっぱり!」とこりゃ無理だ、と諦めた雰囲気を醸しておられました。その気持ち、よーーーーーーく、わかります。(笑)

卵が先じゃない、ニワトリを先に育てる決意と覚悟。

しかし、若者の心が完全に離れたと言われて久しい、深刻な人材不足にあえぐ建築業界は他業種に比べて労働条件、働く環境を同じか若しくはそれ以上にする必要があるのは誰が考えても分かりそうな事で、社会保険、厚生年金に加入するとろくな給料にならない様では、若者は誰もこの業界で働かなくなります。そんなことは十二分に分かった上で、それでもなかなか労働環境の改善に踏み切れない岡村社長の苦悩を痛いほど感じました。偉そうに言っている私にしても、職人の正規雇用、労働法完全遵守に踏み切った15年前から収益構造はガタガタになり、毎年赤字と黒字の境をさまよう事になり、正直、なんてばかな事をしたんだと後悔したことも決して少なくありません。ただ、私たちすみれは「職人の社会的地位の向上」を創業時からミッションに掲げており、事業の目的(=理念)をブレさせてしまっては事業そのものの意味がなくなると歯を食いしばって辛抱しながら、収益構造の改善に努めてきたというのが実際のところで、利益という卵が先ではなく、卵を産む鶏を先に育てたという感じです、、

自助の精神と根本的改革。

ただ、絶対に勘違いされたくないのは、私はただ単に職人の地位を上げる為に手取りの稼ぎを変えずに社会保障をつければいいと思っている訳ではないという事です。建築の世界に限らずですが、市場には「通り値」というものがあり、同じ作業をするのに世の中の職人が働いている賃金と全く違う高い賃金を支払う様にするには、その費用を見積もりに反映させねばならず、大きく競争力が損なわれます。そして、請負金額を変える事なく、賃金だけを上げると事業として成り立たなくなります。このジレンマと言っても過言でない非常に難しい問題を解決するには、職人自体が付加価値をつけて稼げる様になる根本的な変革が必要で、決められた作業以外は何にもしない、職人が単なる作業員に甘んじていては絶対に社会的地位の向上などあり得ません。職人の地位向上は職人自身が意識を変えて自助の精神を持ち、作業以外の+@の付加価値を生み出す努力をするべきだと思っています。それは営業でも、設計でも現場管理でもなんでもいいですが、売上、利益の向上につながるアクションを職人は起こすべきで、それが成果につながる様になれば、自然と所得が増え、社会保険や厚生年金の費用くらい軽く捻出できる様になります。

建築は現場が全て!

私が、一般社団法人を立ち上げ、全国で職人をはじめとする建築実務者に対して行なっている研修では、前述の理論を踏まえ、「なぜ、意識を変えなければならないのか」「何をやればいいのか?」「どの様にやればいいのか?」を教えるのではなく、自分で考えて答えを導き出してもらっています。如何なる業態でも事業を継続させるには売上を維持しなければなりません、そして売上とは「顧客数×単価×購買頻度」で表され、時間とともに自然減少する顧客数を維持するには集客が必要ですし、特に建築の様に単価が大きな事業では一般的に購買頻度は低く、常に新規の集客を継続できなければなりません。私が提唱する職人的マーケティング論では以下の5つの当たり前すぎる理論で、この理屈が理解できて実践できる職人を育てることができれば、職人は地方公務員に就職するのと変わらないくらいの生涯所得を得られる様になると考えています。その為には技術以外の教育が必要で、その機会を神戸では無料の勉強会として同業他社の職人や現場監督にも門戸を開き、一般社団法人職人起業塾の研修事業では厚生労働省の助成金を活用してもらいながら金銭的な負担を極力減らして、仙台から鹿児島までの全国五会場で受講してもらっています。
企業は人なり。職人の地位向上と共に工務店の未来もモノづくりの担い手の育成しかないと信じて、理念の実現を目指して気張ってます、詳しくはフッダーの告知をクリックしてください。笑)

  1. 建築業の評価は完工した現場にしかない。
  2. 現場の品質は職人の意識と技術と知識。
  3. 評価を得た顧客から派生する集客は信頼関係の構築が容易である。
  4. 信頼に裏付けされた集客は受注効率が高く収益性が上がる。
  5. 現場でのコミュニケーションが顧客満足を支え、次の質の高い集客を生む。

_____以下は告知です!_____

◆今年最後のオープンセミナー@仙台開催します。(残り10席になりました!)

職人起業塾@オープンセミナー@仙台「建築業における真実の瞬間」

日時:2018年12月6日木曜日 14:00〜17:00
会場:PARM-CITY131貸会議室 Room 5C
住所:〒980-0811 宮城県仙台市青葉区 一番町3−1−16
受講料:3000円(受付にて職人進化論。を見たと言って頂ければ無料)
定員20名、先着順。
申し込みFacebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/736186536724033/
問い合わせ先:一般社団法人職人起業塾 〒650-0012 兵庫県神戸市中央区北長狭通5-2-19–503(MYU) Tel: (078)381-5884 メール:お申し込み/ オフィシャルページ:https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/お申し込み/お問い合わせ/

原理原則系マーケティング理論を切り口に建築現場で働く実務者向けに全国5箇所で開催している現場マネジメント改革の研修の概論のセミナーと受講説明会。決して職人を独立起業させるための研修ではなく、現場実務者に経営者感覚を身につけてもらうボトムアップ式のカリキュラムです。職人、施工管理、リフォーム営業等の実務者が主体的に考える現場マネジメント改革を通して圧倒的な現場品質向上、コミュニケーション不全の解消、顧客満足を達成し、成果に結びつける仕組みを作る事で外部環境に左右されない工務店、リフォーム会社の持続的なビジネスモデルへのシフトを目指してもらえます。理論を現場で実践する事に特化したセミナー、研修講座です。

申し込みFacebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/736186536724033/

◆残2回となりました!仙台、東京の職人起業塾講座オブザーバー参加絶賛募集中です。

残り少なくなってきましたので、ご興味のある方は是非ご参加ください!

_______________________________________

◆書籍「職人起業塾」(第2刷)絶賛発売中

品薄でご迷惑をおかけしていた(6ヶ月研修のテキスト本でもある)書籍「職人起業塾」も重版から日が経って漸く流通が復活する様になって来ました。最近はAmazonでも定価で買える様です。私の希望では出来ましたら、Amazonのカートに入れて、近所の書店で取り寄せて頂くのがいいかと思います。地域ビジネスの本だけに。(笑)
もちろん、私にお声がけ頂いても送料無料でお送り致します!

_______________________________________

◆職人的マーケティングへの入り口:一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイト

建築現場におけるマーケティングに取り組んで見たいとお考えの方は一度のぞいて見てください。実践型現場マネジメント理論、公開しています。無料公開のサンプルPDFはこちら

建築業界を現場の改革から変える志のある方、私達と共に未来の作り方を学びませんか!
こちらから→https://www.shokunin-kigyoujyuku.com

_______________________________________

職人的マーケティング論、メールマガジン配信中

元祖職人起業塾での開催内容や最新のマーケティング関連の(個人的な)考察などを低頻度ながら配信しています。無料ですのでよかったら登録してみてください。https://1lejend.com/stepmail/kd.php?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください