職人の働き方改革 〜効率化と決別しなければならない理由〜(その1)

平成30年11月27日 曇り

火曜日は朝活の日。

ですが、今朝はいつもの倫理法人会ではなく、水曜日の朝活のBNIのゴルフコンペが催され、やっぱり早朝から自宅を飛び出しました。11月も終わりというのに非常に良い天候に恵まれ、日中は少し暑いくらいの絶好のゴルフ日和、残念ながらスコアはいつも通り振るいませんでしたが、メンバーさん達と和気藹々のとても良いグリーンコミュニケーションができました。幹事を務めて頂きました角岡キャプテンはじめ、メンバーの皆様ありがとうございました。

伝えているつもり、じゃダメ

話は変わって、先日、詰まりまくったスケジュールの合間を縫って夜遅くに淡路島に古民家再生プロジェクトの打ち合わせに行きました。一緒に同行いただいた古民家再生のプロフェッショナルであり、今回も構造検討を担当して頂く建築士の鶴谷先生との帰りの道すがらの会話の中で、「高橋さんて全国飛び回って忙しそうやけど、職人起業塾って要するにどんな研修やってるの?」と改めて聞かれました。私としては何度も繰り返ししつこい位に自分達が行なっている内容の情報発信に努めているつもりですが、情報が氾濫する今の時代、おいそれと伝えたい事は伝わらないのだと改めて思い知りました。一応、事細かに説明をしておきましたが、再度、ここで少し概要の整理をしておきたいと思います。

忍び寄る暗黒

私が代表を務める一般社団法人職人起業塾では仙台から鹿児島までの全国5カ所で職人、施工管理などの建築実務者に15回、半年間にも渡る研修を行なっています。一言に概要を言い表すと建築業界の中で地域を守る役割を担っている地域工務店が抱える構造的問題を根本的に解決するお手伝いとして現場実務者に夢と志を持ってもらう研修といっても過言ではないかと思っています。全国どこに行って訊いても、工務店経営者さん達は現在の職人、施工管理の人員不足を口にされます。そして、もっと危機感を覚えておられるのは、近い未来にやって来る圧倒的な職人不足で、施工能力がない会社はいくら契約をもらっても工事にかかれない、もしくは工事が終わらないと売上げは上がりません。現在の建築実務者の年代別の就業者数の分布を見せると皆さん暗澹たる暗い目をされます。建築業界が抱える問題は数多くありますが、目線を少しあげて若者がこの業界に喜んで入ってくれるようにならなければ、建築業界に未来はありません。

もう職人に職人は育てれらない。

職人不足の解消は、これまで3Kと言われ、不安定かつ社会的保証の無い上に住宅ローンの審査が通らず、自分の家さえ持つことが出来ないと忌み嫌われた業種を若者に入職してもらえる状態に業界のスタンダードを変えなければなりません。そして、現在、職人には若者を受け入れて育てる体力(収入)は持てなくなっており、法人の元請け建築会社しか、若手育成をすることが出来ないことを認識すべきです。若手育成の為にまず初めに行うべきは、他業種に比べて遜色のない最低限の保証です。日給月給制が当たり前の建築業は悪天候が続いたり、体調を崩したり、少し暇になったりすると一気に収入が激減するという不安定極まりない給与体制を排し、最低限、月給制、社会保険、厚生年金の加入という企業としての義務を果たすべきです。そして、肉体労働である職人が年齢を重ね、体力的に生産性が落ちてからも変わらぬ所得を得続けることが出来るキャリアパスを構築しなければ、今まで通り、職人を使い捨ての道具のように扱ってきた業界から脱出できることはありません。

やりたくても出来ない職人育成。

こんな当たり前のことは誰しも分かっておりますが、実際に職人の正規雇用、育成に取り組んでいる会社はほんの一握り、全体からの比率で見ると無いに等しい位の微々たる数の工務店しかおりません。その背景を探ると、決して職人育成をやりたく無いと思っている訳ではなく、やりたくても出来ない事情が垣間見得ます。それは、簡単に言えば、コストが合わないのが最も大きな理由で、現在の受注単価、利益率を鑑みた時、売上利益に寄与しない素人の若い職人の育成に踏み切る、もしくはその前段階として現在付き合いしてくれている大工を社員化するのにかかる金額を捻出することが出来ないからだと考えています。何年も先までゲインが帰ってこない莫大な先行投資をするには工務店を取り巻く環境はあまりにも先行き不透明で、出来るだけ企業の体力温存したい、固定費を増やしたく無いという思いは、同じ工務店経営者として私もわからないでもありません。

答えは現場にあり。

これらのパラドックスに陥っていると言っても過言でない、難しい問題を解決するアプローチが私達、一般社団法人職人起業塾が提供している現場実務者にマーケティング理論を叩き込む、経営者感覚、営業感覚を持って現場で作業だけでなく顧客とのコミュニケーションを担ってもらい、リピート、紹介の顧客の集客装置として現場を活用する仕組みとその実践者への研修です。これまでなかなか為されなかった職人の正規雇用により、教育を施すの職人や施工管理の役割を増やすことで、現場での利益率の増加、また、顧客との信頼関係を強固にすることによって外部環境に左右されにくい集客の質の向上を図り、宣伝広告などの販促費を減らすことによって、職人に付加する社会保障、福利厚生費を捻出できれば、安定した収入、有給休暇が取れる他業種にも決して引けを取らない職人という働き方に変えることが出来ます。要するに現場のマネジメント改革を行わなければ、工務店に未来はなく、それは職人の意識を変え、働き方、実務の内容を根本的に見直さなければなりません。職人による現場作業の効率化と言った目先ではなく、職人が経営理念を理解して、顧客接点で効果性を大きくする取り組みこそが工務店の未来を作る根本的問題解決へのアプローチだと思うのです。もう少し具体的な事例は長くなるので、続きは明日のブログに書きます。(^ ^)

_____以下は告知です!_____

◆今年最後のオープンセミナー@仙台開催します。(残り10席になりました!)

職人起業塾@オープンセミナー@仙台「建築業における真実の瞬間」

日時:2018年12月6日木曜日 14:00〜17:00
会場:PARM-CITY131貸会議室 Room 5C
住所:〒980-0811 宮城県仙台市青葉区 一番町3−1−16
受講料:3000円(受付にて職人進化論。を見たと言って頂ければ無料)
定員20名、先着順。
申し込みFacebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/736186536724033/
問い合わせ先:一般社団法人職人起業塾 〒650-0012 兵庫県神戸市中央区北長狭通5-2-19–503(MYU) Tel: (078)381-5884 メール:お申し込み/ オフィシャルページ:https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/お申し込み/お問い合わせ/

原理原則系マーケティング理論を切り口に建築現場で働く実務者向けに全国5箇所で開催している現場マネジメント改革の研修の概論のセミナーと受講説明会。決して職人を独立起業させるための研修ではなく、現場実務者に経営者感覚を身につけてもらうボトムアップ式のカリキュラムです。職人、施工管理、リフォーム営業等の実務者が主体的に考える現場マネジメント改革を通して圧倒的な現場品質向上、コミュニケーション不全の解消、顧客満足を達成し、成果に結びつける仕組みを作る事で外部環境に左右されない工務店、リフォーム会社の持続的なビジネスモデルへのシフトを目指してもらえます。理論を現場で実践する事に特化したセミナー、研修講座です。

申し込みFacebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/736186536724033/

◆残2回となりました!仙台、東京の職人起業塾講座オブザーバー参加絶賛募集中です。

残り少なくなってきましたので、ご興味のある方は是非ご参加ください!

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◆書籍「職人起業塾」(第2刷)絶賛発売中

品薄でご迷惑をおかけしていた(6ヶ月研修のテキスト本でもある)書籍「職人起業塾」も重版から日が経って漸く流通が復活する様になって来ました。最近はAmazonでも定価で買える様です。私の希望では出来ましたら、Amazonのカートに入れて、近所の書店で取り寄せて頂くのがいいかと思います。地域ビジネスの本だけに。(笑)
もちろん、私にお声がけ頂いても送料無料でお送り致します!

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◆職人的マーケティングへの入り口:一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイト

建築現場におけるマーケティングに取り組んで見たいとお考えの方は一度のぞいて見てください。実践型現場マネジメント理論、公開しています。無料公開のサンプルPDFはこちら

建築業界を現場の改革から変える志のある方、私達と共に未来の作り方を学びませんか!
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