職人の働き方改革 〜効率化と決別しなければならない理由〜(その2)

水曜日も朝活の日

今朝も張り切って始発のバスに乗り込み、朝のビジネスMTGに参加してメンバーとの交流、情報交換の場を持ちました。今日のメインプレゼンは電気工事業の林さん、流石に電気を専門とされているだけに、新電力や太陽光発電を使った蓄電池、電気自動車など、最先端の情報を実際にご自分で利用、実践されておられ、改めて電気、エネルギーのお得な使い方についてレクチャー下さいました。そろそろ雨後の筍の様相を呈していた新電力のサービス合戦も落ち着いたみたいですし、改めて、新電力への契約変更、考えてみる事にします。BNIの後はそのまま新幹線に乗り込んで九州、古賀市へ、福岡労働局による卒塾生への助成金支給のヒアリングへの立会いを行いました。濡れ衣を着せられ、不支給になりかけていた助成金申請の誤解が溶けて、わざわざ神戸から行った甲斐がありました。真っ当な事業をしているのが理解されて良かったです。

職人の働き方改革

さて、昨日のブログでは建築業界が抱える構造的な問題について書きました。3K無保証と蔑まれる職人の働き方を変えて魅力的な職業にしなければ、深刻さを増し続ける職人不足は解決せず、「完工無くして売上げ無し」の大原則に則って、需要の縮小よりも早く職人不足による工務店の破綻が続出する可能性があります。かといって闇雲に何も出来ない素人を大量に雇い入れる訳にも行かないのが工務店の現実で、私がよく口にする「職人は効率化を進めるのではなく、効果性を高めなければならない」との考えを進めなければならないと考えています。職人が決められた作業を行うだけではなく、役割を広げ、ひとりの職人がいる事による効果を増す事は、施工管理や営業と言った人員を増やす事なく、工事量を増やし、利益率を高めることにつながりますし、何より、職人の所得を増やし、年齢を重ねた後のキャリアプランを見出す事に繋がります。

職人不足解消に効率化が無意味な理由

これまで建築現場では散々効率を上げる事に取り組んできました。しかし、いくら効率を上げたところで労働集約型の施工現場では、早く工事が進む様になれば、その期間あたりの単価に市場価格が引き戻されます。分かりやすい例では、鉄筋工が鉄筋を結束する手作業に代わって結束機なる機械が開発されて、土間筋の結束の時間が劇的に短縮されました。その結果、5名かかっていた作業を一人で出来る位の早さに効率化されましたが、鉄筋工の受け取る所得が上がったかというと、そんなことはなく、結局、機械を購入する費用が賄えるか賄えないか程度しか金銭的なメリットは無く、効率化の恩恵を職人が得る事はありませんでした。これは大工仕事にしても同じで、丸ノコ、釘打ち機、インパクトドライバーなどの電動機器が普及して圧倒的に作業効率は上がりましたが、大工の日当、請負単価は上がるどころか下がり、却って道具代が大工を圧迫するようになりました。効率化は職人の地位向上には全く寄与して来なかったのです。

大工は元請けであるべき論。

建築主を頂点として元請け、下請け、孫請けとピラミッド型の多重構造となっている建築業界では、アッパーの金額から元請けから順番に利益を取り、残りを下請けに回していく方式が定着しており、最も末端の職人に発注される金額はなんとか日当になる程度に絞られてしまいがちです。職人不足により少しは単価が上がるのでしょうが、元請けの請負金額が増えるかというと、それもなかなか難しく、市場の通り値が上昇するには時間を要します。根本的な問題解決にはやはり、手間受けという多重構造をもっと簡略化して職人が元請けに直結し、手間をかける事が未来に繋がる様に、手間を省く事が利益に繋がる手間受けという構造的問題を解消すべきだと思います。社員、常庸、個人事業主とカタチは様々でも、大工と言った工事全般を取り仕切り、その意識次第で品質に大きな格差が生じる職人は元請けの掲げる事業の目的を共有した顧客目線に立った仕事ができる環境を整えなければ、建築業界に未来は無いと思うのです。2日間に渡って、職人の働き方改革について書きましたが、このブログの内容について「もっともだ、でもどこから手をつけるべきなのか?」とお悩みの方はお気軽に私(高橋)までご連絡を頂ければと思います。(^ ^)

_____以下は告知です!_____

◆今年最後のオープンセミナー@仙台開催します。(残り10席になりました!)

職人起業塾@オープンセミナー@仙台「建築業における真実の瞬間」

日時:2018年12月6日木曜日 14:00〜17:00
会場:PARM-CITY131貸会議室 Room 5C
住所:〒980-0811 宮城県仙台市青葉区 一番町3−1−16
受講料:3000円(受付にて職人進化論。を見たと言って頂ければ無料)
定員20名、先着順。
申し込みFacebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/736186536724033/
問い合わせ先:一般社団法人職人起業塾 〒650-0012 兵庫県神戸市中央区北長狭通5-2-19–503(MYU) Tel: (078)381-5884 メール:お申し込み/ オフィシャルページ:https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/お申し込み/お問い合わせ/

原理原則系マーケティング理論を切り口に建築現場で働く実務者向けに全国5箇所で開催している現場マネジメント改革の研修の概論のセミナーと受講説明会。決して職人を独立起業させるための研修ではなく、現場実務者に経営者感覚を身につけてもらうボトムアップ式のカリキュラムです。職人、施工管理、リフォーム営業等の実務者が主体的に考える現場マネジメント改革を通して圧倒的な現場品質向上、コミュニケーション不全の解消、顧客満足を達成し、成果に結びつける仕組みを作る事で外部環境に左右されない工務店、リフォーム会社の持続的なビジネスモデルへのシフトを目指してもらえます。理論を現場で実践する事に特化したセミナー、研修講座です。

申し込みFacebookイベントページ:https://www.facebook.com/events/736186536724033/

◆残2回となりました!仙台、東京の職人起業塾講座オブザーバー参加絶賛募集中です。

残り少なくなってきましたので、ご興味のある方は是非ご参加ください!

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◆職人的マーケティングへの入り口:一般社団法人職人起業塾オフィシャルサイト

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