シームレス。〜激動の時代を乗り越えるスモールビジネスのコンセプト〜

平成31年1月4日晴れ

現場で己を知る。

慣れない連日の現場(ハツリ)作業ですっかり腰と背中の筋肉が張ってしまい、しかもそれがなかなか回復しない。元気そうに見えても50歳を過ぎた情けない体力の衰えを実感しています。40歳を過ぎた頃、自分の体力がガタガタになっているのを実感して始めた毎朝の筋トレと週1回のランニングは今も相変わらず継続しておりますが、現場で働くのに使う体力と、見た目だけすっきりと体重を絞り、フルマラソンを走れるようになった体力では全く筋肉の質も使い方も異なっており、目の衰えとともに建築現場ではあまり使いもんにならない自分に改めて気づかされました。こんな事ではあきませんね。

休み無しの正月。

お客様のお店の正月休みを利用して行っている手直し工事は今日は打ち直した土間モルタルの乾燥養生の日で、これといって作業自体は行えず、明日の塗装仕上げが問題なく行えるように、乾燥の具合を調整する程度、様子を見に行きジェットヒーターの位置をあれこれと動かしてみるににとどまりました。朝も少しゆっくりして、仕事始めの前に唯一お休み気分を味わおうかと思いましたが、考えても見れば明日はもう仕事始め、今年1年の経営方針や目標設定をスタッフに説明する全体会議の日でもあり、その資料作りに追われることになりました。ま、これも毎年の正月休みの恒例のタスクの1つでもありますが、、

事業計画は強みから。

すみれの2019年経営方針の説明としては、昨年新しいスタッフも加入したこともあり、古くからの社員への再確認の意味を兼ねて改めて社員に向けてすみれのビジネスモデルの解説を行うことにしました。私たちすみれ建築工房は建築施工に強みを持つものづくり企業であり、社員大工による責任施工と女性設計士による真摯なヒアリングときめ細かい設計と計画を行うことによって、建築業界の常識は世の中の非常識と言われる悪習を断ち切って、当たり前のことを当たり前にこなせる会社である事を強みとしています。

コンセプトの時代に。

当たり前のこととは具体的には、現場でのものづくりで顧客に絶対的な信頼を得ることであり、そこから派生して次の仕事を紹介してもらったり、繰り返しの注文をいただいたりすることで、この十数来お客様にとって卓越した存在になれるようにと社員と共に様々な仕組み作りにチャレンジと努力をしてきました。それを一言で表したコンセプトが、ホームページのトップに表記される「家は建ててからがスタート」であり、工事ではなくお客様のその後の暮らしで満足してもらえるようにあらゆる判断の基準をそこに集約する、そして真の顧客満足を実現するのが一切の宣伝広告や販促活動を止めた私たちのビジネスモデルを成り立たせる根本的な思想です。

概念と実践。

明日の経営方針説明では長年に渡り我々が学び続けているマーケティング理論の最も重要な概念の一つであるジェイエイブラハムが提唱した「卓越の戦略」を全員で再度共有し、我々の実業の中で卓越の戦略が業務に実際に落とし込めているかを再確認してもらう様にしました。事業コンセプトと並んで掲げているすみれの経営理念は「ものづくりの本質、作り手を守り育て地域社会に貢献する」となっておりますが、これは卓越の戦略の実装とワンセットであり、両方の概念を実務に落とし込むこと、実践する事が私達の存在意義だと考えています。そして、私たちが存在を許されるか、否かはそれをスタッフ全員が理解して顧客接点でその概念を実践出来るかにかかっています。

新しい時代を迎えるに際して。

平成最期の正月が終わり、人口減少、中小企業の景気を支える国内市場の縮小とグローバリズム、情報革命による世界企業の富の寡占化という人類がこれまで体験したことの無い激しい変化に直面する日本。これからの時代を生き残るターニングポイントとなるのが今年では無いかと思っています。Web上でポータル、プラットホームを持つ企業があらゆる業態の利益を吸い上げる構図は加速度を増しており、アメリカでトイザらスが破綻し、Whole Foods MarketがAmazonの傘下に降りました。アメリカでの現象は3年後に日本と現実となると言われますが、既に日本国中で小さな書店が次々に閉店に追い込まれているように、このままでは私たちもインターネットの覇者に利益の大部分を献上して生き長らえる様にならざるを得なくなります。それに抗うには、独自の価値を創り出し、リアルな情報を発信し、効率ではなく効果性を高めるしか無いと思っています。

シームレス化こそ、生き残り戦略。

人、モノ、カネ、情報と言われる経営資源がすべて脆弱な私たち中小零細企業にとって、生き残り戦略として独自の価値を創生し、効果性を高めるにはどのようにすれば良いかと言うこれからの世の中を生き残っていく大命題に対して私が考えついたのは、シームレス化を図ると言うことです。小さな企業が大企業に打ち勝てる強みにできる事は「小さい事」にならざるを得ず、小さいからこそできる事を突き詰めていかねばなりません。具体的にはスモールビジネスの根幹とも言うべき「人と人」に特化して顧客の近くに寄り添い、関係性を深めることによって限定された市場、ご縁を頂いた顧客にとっての唯一無二の存在になること。それは現場と経営、設計と施工、新築とリフォーム、営業とアフターサービス等、建築業界におけるあらゆる役割やサービスをつなぎ目なくシームレスにつなげることで顧客に寄り添い絶対の安心感を持ってもらうしかないと考えています。そんな思いをスタッフと共有できるように明日の全体会議で話し、個々の目標設定に落とし込んでもらいたいと思います。新しい時代の幕開け、楽しみです。(^ ^)

職人進化論的原理原則(まとめ)

  • ポスト平成は人類が経験したことのない新たな世界
  • モノからコトからコンセプトの時代へ
  • 現状維持は緩やかな破滅への道
  • 大企業の寡占化にあらがうには小さい企業の強みを見出さなければならない
  • 小さいことの強みは小さいこと。
  • 小さい事の弱みはシームレス化による効果性を高めることで強みへと転換できる
  • 目的とそれを実現する概念の共有による実践こそが逆境を乗り越える唯一無二の方法論である

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