何を学ぶか?ではなく、どう学ぶか!@初釜の茶事

平成31年1月28日曇り

刃を研ぐ(リフレッシュ)習慣

1月も今週で終わり、もう直ぐそこまで2月がやってきています。実はわたくし、今年は正月休みもなく、新しい年を迎えてから1日まるまるの休みが無いまま一月の月末を迎えそうになっておりましたが、昨日は新春恒例の初釜の茶事のお稽古で、ようやく忙しく走り回る日常とすっかり離れた1日を過ごすことができました。私の場合、茶道や書道のお稽古事も、自分自身のパフォーマンスを上げる刃を研ぐ習慣の1つであり、仕事と関係がないわけではありませんが、それでもお稽古に出かける前の準備から、仕事とは全く別の世界に没頭する1日は随分と心と体をリフレッシュできる良い時間になっています。茶の湯の所作はいつまで経っても拙いながらも、少しは刃を研げた様に思います。

※画像はイメージです。

研ぎ澄まされたおもてなし。

初釜の茶事のお稽古はいわば毎月通い続けている茶の湯のお稽古の集大成といった位置づけで、普段のお稽古を始めから最後まで実践で通してみるといった意味合いもあり、事前のご案内に対してお返事を出すところから始まり、お水屋お見舞いの準備をして、当日を迎え、先生がご準備してくださる八寸や千鳥の盃なども含めた茶懐石をいただき、最後にお濃茶とお薄茶を味わい、茶の湯の楽しさを満喫させて頂いて、帰ってからは御礼の書状をお送りして感謝の気持ちを伝える。単にお稽古と言うものではなく、長い伝統に支えられ、研ぎ澄まされてきたおもてなしの概念の真髄を学ばせて貰える有難い機会でもあります。

※画像はイメージです

価値交換の場の価値。

客人に一椀の茶の湯を楽しんでもらうために、心を尽くした手作りの懐石料理と吟味を重ねたお酒、和菓子、お道具の設え、炉に焚べる炭、待合での火鉢などすべての準備がなされ、時間と空間を含む五感を全て満たしてもらえるようにするのがおもてなしであると、今回も先生自ら私たちに見せて、実体験としてご教示下さいました。そして、もてなされる側の私たちも、その価値を理解した上で、作法に則った所作ができてしかるべき。気持ちや思いだけではダメで、提供される価値を理解していることを形にしてお伝えしなければならないことを(至らないながらも)学ばせていただいています。価値を学んでいるからこそ価値が分かると言う深遠な世界です。

良いモノを知る者しか良いものは作れない。

「どうして(おっさんのくせに)茶道なんか習ってるんですか?」と訊かれる度に私は建築会社を営む者として「茶室に工務店経営の全てがあるんです。」と建築関係の方にはよく申し上げます。もちろん、茶道に学べるのは建築だけにとどまる事は無いと思いますが、特に私たちの業界では茶室の中に詰め込まれた「形」と「心」と「表現」はすべて建築実務に通じるものがあると思っています。その一つが、「価値を知るには学ぶ必要があり、深く学び続ければ続けるほど、本当の価値がわかるようになる。そして、価値が分かるものだけが価値ある提案をすることができる」と言う、当たり前にすぎますが、同じ建物でも本当の価値を分かるものとわからないものが見るのでは見る人の主観では全く違う建物に映ります。しかもそれは表面的な色や柄だけではなく、もっと深く広く果てしない時空を超えて縦と横の世界が繋がっている建築の世界と同じだと思うのです。

※画像はイメージです

二次情報は体幹、一次情報こそ筋肉。

建築の世界でも茶道でも共通して言えるのは、写真や書籍などで雰囲気を掴める机上の薄っぺらい体験ではなく、実際にその中に入って自分自身の肌で空気感や印象、そこに沸き起こる感情を知ることで本来その空間が持つ本当の価値を知ることが出来ると思っていて、もっと言うと、現場に行かないと分からない事の方が圧倒的に多く、机上の学びが役に立たない事の方が多いと思っています。常日頃、出来るだけ多くの本を読んで先人の人生を間接体験する機会を持つべきだと、読書を強く推奨している私ですが、それはあくまでも知識の収納庫に入れるネタを増やしていわば体幹を鍛えるトレーニングであり、実務に直結する部分についてはパワーアップのための筋トレが絶対に必要で、学ぶべきは誰かの体験を間接的に得る知識ではなく、実際の自分自身の体験を通して経験を積み重ねていくオリジナルの一次情報の取得だと思っています。

何を学ぶか?よりも、どう学ぶか?

昨日のブログでは、急激な変化に晒されている今の時代、学び続けることしか生き残ることが出来ないと書きましたが、ただ、学び続けるにも「どう学ぶか?」と言う質の問題が付きまといます。本を読む、資格を取得する、情報を集めると言った学びの必要ではありますが、情報過多と言われるほど、あらゆる情報がインターネットの中に溢れかえる今、検索のリテラシーが高くなれば単なる知識に大して意味はなくなります。重要となるのは自分自身の五感で感じ、経験として熱く語れる一次情報量だと思います。そんな意味を考えると、ご縁に恵まれ、本物を体感させて頂ける茶の湯のお稽古に通い続けていられるのは本当に有難いことで、先生方には心から感謝せずにはいられません。いつまで経っても上達しない不出来に過ぎる生徒ではありますが、これからも出来るだけの精進を重ねようと思う、素晴らしい経験をさせていただきました。本当に有難うございました、そして今年も1年間、よろしくお願い致します。

職人進化論的原理原則(まとめ)

  • パフォーマンスを向上させるには刃を研ぐ時間を持つべき。
  • 定期的に学ぶ時間を持つ事は刃を研ぐ習慣になる。
  • 学びは価値を知る力を身につける術であり、本質的な価値を知らずに価値を生み出すことは無い。
  • 何を学ぶか?ではなくどう学ぶか?が重要。
  • 間接体験や情報収集による知識は本質的な学習ではなく、一瞬にして陳腐化してしまう。
  • 行動、実践を通して感じる一次体験こそが本質的な価値を知り、創造する学びとなる。

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以下はそんな時代の変化への対応をお伝えしている直近のセミナー、公開講座のご案内です。

◆1月末開催!仙台 建築業における真実の瞬間」職人起業塾オープンセミナー&入塾、助成金活用説明会

https://www.facebook.com/events/1136100266567134/
日時:2019年1月30日 水曜日 14:00~17:00
場所:PARM-CITY131貸会議室 Room 4H 仙台市青葉区一番町3丁目1-16

オープンセミナー仙台1.30

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◆長崎 職人起業塾公開講座 第13期@長崎開催  オブザーバー参加募集

https://www.facebook.com/events/1537966419636499/ 経営者、経営幹部の方に限り無料でご招待いたします。 ■1月10日 10:00~18:00 業務改革基礎研修2 スモールビジネスの鉄則 3.第2領域に取り組む 4.自分の強みを明らかにする 業務改革基礎研修3 信用と信頼で将来をつくる 5.ご縁を紡ぐ 6.大福帳こそ未来の鍵 ■2月7日 10:00~18:00 業務改革基礎研修4 リスクマネジメントと日本式マーケティング理論 7.弱みこそ胸を張って伝える 8.三方よしとWIN-WIN アクションプラン策定研修 ■2月28日 10:00~18:00 業務改革基礎研修5 目的と手段の明確化 9.なんのためにを考える 業務改革実務研修1 ■3月14日 10:00~18:00 業務改革検証研修1 ■4月25日10:00~18:00 業務改革検証研修2 ■5月23日10:00~18:00 業務改革検証研修3(卒業検定) 場所:長崎住宅センター株式会社〒854-0081 長崎県 諫早市栄田町20番31号

13期オブザーバー参加申込書チラシ

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◆大阪 職人起業塾公開講座 第12期 神戸・大阪開催 オブザーバー参加募集

https://www.facebook.com/events/282975708886246/ ■2019年2月1日 9:30~18:00 NLCセントラルビル 3階大会議室 業務改革基礎研修4 – リスクマネジメントと日本式マーケティング理論 – 7.弱みこそ胸を張って伝える 8.三方よしとWIN-WIN アクションプラン策定研修 ■2019年2月22日 9:30~18:00 NLCセントラルビル 3階大会議室 建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルアップ 検証研修1 ■2019年3月22日 9:30~18:00 建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルアップ研修5 – 目的と手段の明確化 9.なんのためにを考える ■2019年4月19日 9:30~18:00 建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルアップ 検証研修2 ■2019年5月10日 9:30~18:00 建設現場における生涯顧客獲得、クレーム撲滅スキルアップ研修 検証研修3

 

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