工務店経営カンファレンス2019 day2

令和元年7月25日 曇りのち晴れ

工務店経営カンファレンス 2019

昨日に引き続き東京にて。今日は千代田区麹町のベルサール半蔵門というちょっとオサレなホールで開催された新建新聞社主催の「工務店カンファレンス 2019」なるイベントに登壇の依頼を受けて、「大工育成」と言うテーマについて(いつものように暑苦しく)語る場を頂きました。2日間に渡って開催されたこのイベントには800名もの工務店経営者、また建築関連事業に携わる方が全国から集結しておられ、「史上最大規模」と銘打たれていただけの事はありました。ホットな雰囲気に包まれた非常に素晴らしいカンファレンスだったと思います。

インプット>アウトプット

私も講演をさせて頂きましたが、その他の時間は朝から夕方までみっちりと他の講演者さんのプレゼンテーションを聴かせてもらい、これがなかなか良くて、依頼を受けてアウトプットしに行った筈が、逆に学ばせてもらうことの方が多かった、と言う、良くあるパターンに今回もなりました。私は第二部「大工育成」のテーマで日本を代表するトップランナーの工務店である「大野建設」の大野常務と話させてもらいましたが、第一部は「地を読む」と言うテーマで「もるくす建築舎」の佐藤さんと「くず不動産」の鈴木組長?第三部は「新しいビジネスモデル」とのテーマで「ネストハウス」石川さんと「SOUSEI Technology」の乃村さんと建築業界で注目を集める新進気鋭の方々とご一緒させて頂いたのは本当に光栄の至りです。

徹底的業界否定。

特に、「くず不動産」の鈴木組長のお話は強烈で、ご自身が建築業から不動産業に転身したと言いながら、現状の不動産会社の仕組み、しきたり、ビジネスモデルを完全に否定。諸悪の根源は不動産業の仲介手数料で収益を上げる制度だと一刀両断にされたのは圧巻でした。30分間のプレゼンではさわりの部分しか聴く事が出来ずに消化不良を起こしかけましたが、来月は鈴木さんに京阪神木造住宅協議会の研修会に講師としてお越し頂く事になっており、2時間かけて新たな不動産業態への変革の提言をじっくり聴かせてもらうようにします。組長、楽しみにしておりますのでよろしくお願い致します。(笑)

卵が先か鶏が先か?

私が担当した30分間のプレゼンは大まかいつもと同じ話で、大工、職人を育成しなければ建築業界に未来はなく、いくら受注しても着工、完工できずに資金が回らなくなると警鐘を鳴らしておきました。そして、若い人を増やすには今活躍している職人の待遇を他業種にひけをとらないくらいまで改善する必要があり、そのコストを捻出するには職人自身が今よりも多くの付加価値を生み出す必要があります。そのためには、技術以外、コミュニケーションやマーケティング理論を学ぶべき、となるのですが、これにもやっぱりコストがかかります。卵が先か、鶏が先かの論議となり、なかなか前に進みません。(笑)

職人育成は未来への投資。

講演に続いてのディスカッションでは情熱大陸にも取り上げられた伝統工法の継承を行われている宮内建築の宮内代表と、日本を代表する優良工務店の大野建設の大野常務と一緒に壇上に上がらせて頂き、大工育成には社員化、正規雇用と、自分で稼げるようになる意識を持たせる事の重要性を確認させてもらいました。最後に水を向けられた私は、工務店経営者は大工育成の必要性を認識しているのなら、今の収益に囚われる事なく、未来に向けてコストをかけてでも大工育成に取り組むべきで、「今だけ、金だけ、自分だけ」の考えを完全に払拭すべきではないか、と言いたい事を言わせてもらいました。(笑)

オールドタイプ経営者の終焉。

カンファレンスの締めはいつもの新建新聞社の三浦社長の総括。旬の話題である吉本興業の社長の会見とその後の炎上を取り上げて、オールドタイプ、体育会系、問題設定力の欠如という新しい時代に取り残される経営者の姿勢を示唆されました。ギクっとしてしまいましたが、社員の主体性を育て、ボトムアップ型の組織を作ってきた自分自身のこれまでの取り組みは、ティール型を目指したものであり、表面的な見た目とか、強面の言動はともかく、ニュータイプの経営者の末席に座らせてもらえるかな、なんて勝手に考えておりました。ま、パワハラととられても仕方が無いような言動には注意が必要だって事ですね。(笑)

意味の時代。

毎回、三浦社長の講演は時代を俯瞰して「〜の時代」という風に風潮とかトレンドを概念化される事が非常に多く、なるほどなーと唸らされる事が非常に多くあります。3年前に私が新建ハウジング社が行う年末の一大イベント、未来予測セミナーに登壇させてもらった時には「企業の人格が問われる時代」になったと言われ、その後、経営者の姿勢が問われる報道が過熱して今に至ります。そんな三浦社長が今回は「意味の時代」になったと口にされ、職人起業塾の研修の中にも組み込まれている” Why with start”(なんの為にを考える)というコンセプトを取り上げられたのは少し驚いたのと共に、私たちが取り組んできた古典的な原理原則論に立脚したマーケティング思考がいよいよ一般化(コモディティー化)するのだと認識を新たにした次第です。

付加価値率と付加価値額。

三浦社長が最後に紹介されたのは昨日の懇親会で私も訪問の約束をさせて頂いた鹿児島のカリスマ工務店経営者、シンケンスタイルの迫社長の言葉で、工務店経営者はそろそろ、「粗利率、粗利額」という言い方を改めて、「付加価値率、付加価値額」という、顧客に対して提供した価値を測定する意識に変える必要があるのでは無いか、との素晴らしい言葉でした。私が講演で言い続けた職人が現場で今以上の付加価値を生み出せる様になるべきだ。との訴えともバッチリ一致して、ストンと腹落ちした次第です。今回は講演に呼んでいただきましたが、非常に深い学びと多くの刺激を頂く事が出来ました。三浦社長はじめ新建新聞社の皆様、また登壇者の皆様、本当にありがとうございました。

 


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