行くも地獄、戻るも地獄の人材採用。

令和元年12月24日晴れ

今年最後の倫理法人会。

火曜日は朝活の日。今年最後の倫理法人会のモーニングセミナーに朝起きして向かいました。12月も下旬だと言うのに今朝の神戸の気温は夜明け前にもかかわらず10度近くあり、随分と暖かいクリスマスイブの朝になりました。今日のモーニングセミナーの講話者は京都東倫理法人会から上西副会長にお越しいただき、解体業で刑務所から出所してきた元受刑者を更生させながら事業を行われている話を聞かせていただきました。従業員さんを自社ビルに住まわし、同じ釜の飯を食べながら社会復帰できるように、和気あいあいとした職場づくりをされているのが伝わり、建設業界が持つ素晴らしさを改めて感じさせてもらうことができました。

建設業の働き方改革。

上西副会長の事業所には刑務所や養護施設から働きたいと言って若者が次々に集まってくると言われておりましたが、建設業界全体を見渡すと深刻な若者離れに皆さん悩んでおられます。昨日のNPO法人ひょうご安心リフォーム推進委員会の定例会でのディスカッションでも、人材の採用についての話題でずいぶん盛り上がりました。人材募集のサイトに結構な費用を使っても良い人材も集まらないし、採用したところで長く続かずすぐにやめてしまうと。また、最近の若者は給料が高いことよりも、週休2日で休みをしっかり取れる会社を選ぶ傾向にあると多くの方が口を揃えて言っておられ、採用活動と同時に就業規則の見直しをされている方も少なからずおられました。建設業も旧態以前のグレーな働き方のままでは若者に見向きもされなくなっていると言うことなのでしょう。

要は運用。

ディスカッションの中で私に水を向けられて申し上げたのは、就業規則はいわば書きたい放題で、労働基準法に適合したものを作る事はいともたやすくできますが、大事なのは就業規則そのものではなくて、実際の運用だと言うことです。建設業は特定業種として認められ、残業時間の上限が現在は定められておりません。就業規則で労働時間を明確に定め、勤怠管理を適正に行って、休日出勤や残業手当をきっちりと支払えばそれでよかったのですが、それも昨今の働き方改革の流れで法改正が行われ、5年後の猶予期間が経過した後は上限の残業時間内に収まるような働き方が我々建設業にも求められています。適法の就業規則を作り、残業代を払えば済むのでは無く、法定時間通りの運用が出来なければならなくなります。

時間短縮ありきの罠。

経営者にとってスタッフの所得を上げつつ、労働時間を減らす事は目標にすべき重要なタスクですが、問題は事業所の売上、利益を保てるか、事業計画通りの成長が実行出来るかです。これが非常に難しいバランスで、現在、実際に商社やメーカーで働き方改革に取り組まれている中で、見積もり等のレスポンスが遅くなり、あまりの遅さに痺れを切らせて競合他社に注文を移してしまう例が私の周りでも起こっています。時は金なり、就業時間の短縮ありきで仕事の回転数が落ちてしまうと当然売り上げは下がりますし、顧客の信頼も失ってしまいます。残業禁止で業績を大きく落としてしまっては何のための働き方改革なのか分からなくなってしまいます。

行くも地獄戻るも地獄。

上述のバランスは従業員一人あたりの労働生産性に拠るところ大ですが、そもそも中小零細企業の労働生産性は大企業のそれの半分程度だと言われています。この大きな乖離を解消しなければ、主に大企業向けに始まった働き方改革の波に飲み込まれた中小企業は次々に破滅への道を歩む事になります。かと言って、改革に取り組まず今まで通りの休みも少なく、残業だらけの事業所に人は集まらず、事業は立ち行かなくなります。行くも地獄、戻るも地獄と言ったところでしょうか。

ブランディングの必要性。

では、我々のような中小の、特にグレーの会社が多いと言われる建築業を営む事業所はどうすればいいのか?と言う問いに対する答えは、気合と根性で頑張る。とかではなく、大企業との労働生産性とのギャップを埋める具体的な方法を考えるしかありません。大企業と中小零細企業との生産性の違いの根源は、IT活用や設備の違い等ももちろんありますが、実は優秀な人材を採用できるブランド力と、採用後の教育制度の充実の2点に尽きると思っています。私達も小さくても魅力的な会社だと若者に認められるブランディングをしなければならないのですが、まず初めに行うべきは、外部向けのプロモーション的なプランニングではなく、既存の従業員にモチベーションを上げて活躍してもらえる様に、社内での理念の共有や、同じ目的意識を持って業務に向き合う体制作り、顧客の感動の体験を再現し続けるインナーブランディングの構築に取り組むべきです。

人事制度とブランディングとマーケティング。

表面的にとりあえず人を集めるのではなく、理念に共感しモチベーションの高い人材を集めるには経営者が事業の目的を明確に示し、社内に共有し、 目標に対しての進捗に応じた従業員への評価制度とその基盤となる等級制度、キャリアプランを示すところから始めるべきだと言うのが人事制度の基本です。そして、従業員に未来を示すには、事業所が持続継続していく仕組みを持つ必要があり、インナーブランディングと合わせてマーケティング理論に則ったビジネスモデルの構築を同時に行わなければなりません。その入り口となる人事制度のワークショップを現在一般社団法人職人起業塾で絶賛行っていると言うわけです。ご興味がある方はお気軽に私(高橋)までお声掛けください。イベント情報は以下。(^ ^)


有限会社すみれ建築工房は「建築、暮らしだけじゃない、その先へ」をコンセプトに社名と業務内容を2020年1月19日から変更し「株式会社四方継」と変わります。

新会社「株式会社四方継」は「人、街、暮らし、文化を継ぎ「四方良し」を実現する」を理念に、
建築事業部「つむぎ建築舎」で「受け継がれる価値のある丁寧なものづくり。」
地域コミュニティー事業部「つない堂」では「人を繋ぎ、ご縁を紡ぎ、いい街を継ぐ」
二つの事業部で二つのビジョンの達成を目指します!


残席1名のみです!お急ぎください!
現場戦力化 職人キャリアプラン構築ワークショップ  インナーブランディング#2

実際の帳票や運用のファイル等を共有しながら、現場実務者に特化した人事制度の構築の足掛かりを掴んで頂けるワークショップです。職人育成に取り組まれている、もしくは今後、職人の採用、育成に注力したいと思われている経営者の方は是非ご参加下さい。

日時:1月28日(火)14時〜18時 終了後懇親会あり
参加費用:5000円 懇親会は別途5000円
場所:スペースアルファ三ノ宮
定員:10名
https://www.facebook.com/events/2742407679131715/


2020年1月東京塾締め切り間近、お急ぎ下さい!
2月福岡塾6ヶ月コース開講予定、塾生若干名募集中!
助成金活用等、お気軽にお問い合わせください!

https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/wp-content/uploads/2018/08/f4f7901fe4fbf822cb614821800a2e7f.pdf


10月31日(金) 卓越の戦略 現場マネジメント改革【6ヶ月研修】
オブザーバー参加受付中!

https://www.shokunin-kigyoujyuku.com/news/13th-nagasaki-2-4/


職人起業塾オフシャルページ&無料メルマガ登録してください。

般社団法人職人起業塾オフィシャルサイトに情報を集約しています。 原理原則系マーケティングに取り組んで見たいとお考えの方は一度のぞいて見てください。 実践型現場マネジメント理論、動画なども公開しています。 その他、研修のお申し込み、問い合わせ、補助金の活用などの情報も集約しています。 https://www.shokunin-kigyoujyuku.com

良かったらお知り合いにご紹介ください。メルマガ【職人起業塾通信】無料登録はこちら https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=ylTbGxqzg

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください