緊急事態宣言解除とローカリゼーションの勃興。

令和2年5月23日 快晴

マスク焼け。

今日の神戸の気温は28度、現場で昨日、ベースコンクリートの打設を終えたばかりのスラブの上で墨出しの作業に勤しんでいると、頭上から燦々と照りつける太陽と、コンクリートからの反射で体感温度は完全に真夏日のそれで、英語で”Farmer’s tan”と言われる日本で言うところの土方焼けに磨きがかかりました。顔と腕はもう真っ黒です。今日も新人のカズキを現場に帯同し、墨出しの相番をさせていました。昼食にラーメン屋に入ってふと見ると、くっきりとマスクの型が顔に焼き付いており、マスクを外してもまるでマスクをしているかの様でした。(笑)
緊急事態宣言の発出から、スタッフには自分がもしコロナに感染していたとしても、誰にもうつしていないと胸を張れるくらいに気をつける様に言っており、真面目な彼は四六時中、私の言いつけを守ってマスクを着用していた様で、昼からは緊急事態宣言も解除されたのでマスクを外して作業してもいいよ、と言ってあげました。

緊急事態宣言解除。

東京はもう少し先に延長された様ですが、関西では実質、今日から緊急事態宣言が解除されました。漸く普段通りの暮らしに戻れるかと思いきや、新型コロナウイルスへの感染リスクが無くなった訳でも、インバウンド景気が戻るわけでもなく、感染者が出れば事業所を2週間閉鎖しなければならない状況は依然としてあるままで、気を抜けないのが実際です。もう完全に元の世界には戻れない、感染症のリスクと共生する時代になったのだと感じています。当分の間は、不特定多数の人が多く集まるイベントや会合、繁華街の夜の飲みなどは大手を振っていけない状況が続くというか、なんとなくぼんやりした、自粛意識が薄い人は非国民的な風潮が世の中を支配するような気がしています。意識薄い系の私も、浮かれて、羽目を外すことのないように気をつけたいと思います。

起こるべくして起こったパンデミック。

ウィズコロナと言われるように、感染症と共に生きていかねばならないこれからの社会について、先日開催した月に1度の勉強会「第81回継塾」でも少し話題に取り上げました。そこで私が参加者の皆さんに伝えたかったのは、感染症との戦いは今に始まったことではなく、生物の歴史がスタートした時から続いており、人間は太古の昔から現代までウイルスと延々と戦い、打ち勝ち、そして共生してきていると言う事実です。そして、当たり前ですが、感染症は世界同時に発生するものではなく、広域の交流を通して拡散し、免疫力の低い国や地域に移動した時に爆発的な危機を発生させてきたのは誰もが理解しているところ。要するに、グローバリゼーションの隆盛によって世界が一体化した今こそ、人類史上で最も、パンデミックが起こりやすい状況になっていたから、起こるべくして起こったと言うことです。ちなみに、Wikipediaなどから紐解いて抜粋すると、その本質が少し見える様な気がしました。

感染症( infectious disease)

•感染症とは、寄生虫・細菌・真菌・ウイルス・異常プリオン等の病原体の感染により、「宿主」に生じる望まれざる反応(病気)の総称。
•感染症の歴史は生物の発生と共にあり、有史以前から近代までヒトの病気の大部分を占めてきた。医学の歴史は感染症の歴史に始まったと言っても過言ではない。
•2013年においても世界では感染症により920万人が死亡しており、全死亡の約17%を占める
•感染症は、民族や文化の接触と交流、ヨーロッパ世界の拡大、世界の一体化などによって規模が拡大していった。

黒死病(ペスト)

•中国の雲南省地方に侵攻したモンゴル軍がペスト菌を媒介するノミと感染したネズミを中世ヨーロッパにもたらしたことによって大流行したものである
•この病気が14世紀のヨーロッパ全体に拡大したのは、モンゴル帝国によってユーラシア大陸の東西を結ぶ交易が盛んになったことが背景になっている。
•ペスト流行による東地中海沿岸地域の人口の急減のために「東ローマ帝国による統一ローマの再建」というユスティニアヌスの理想は挫折を余儀なくされた。
•アルプス山脈以北の西ヨーロッパ世界はいまだ交通網が未発達で、自給自足経済の要素が強く、ペストの流行が相対的に軽くすんだために、それ以降の発展が可能になったともいわれている。

天然痘

•世界中で不治、悪魔の病気と恐れられてきた代表的な感染症である。
•165年のパルティア遠征中のローマ軍のなかで発生し、こののちローマ帝国内で流行したといわれる伝染病、これによりローマは深刻な兵力不足に陥って、国力衰亡の原因のひとつとなった。
•16世紀にスペインがアメリカ大陸を侵略した際、このウイルスを持ち込み、奴隷労働とあいまって先住民人口が激減する不幸な事態となった。
エルナン・コルテスが1521年に600人弱の部下で数百万の民を擁するアステカ王国を軍事的に征服したのみならず、文化的、精神的にも征服しえたのは、コルテス一行が持ち込んだ天然痘ウイルスによってアステカ王国の首都で天然痘が猛威をふるったことに起因するとされている
•1533年のフランシスコ・ピサロによるインカ帝国の征服も、それに先だって中央アフリカから帝国内にもたらされた天然痘による死者が膨大なものであり、人口の60パーセントから94パーセントを失ったことによるとされる。
•日本でも天平年間に遣唐使や遣新羅使を通じて侵入したと考えられる天然痘が西日本を中心に蔓延(天平の疫病大流行)し、737年平城京では政権を担当していた藤原四兄弟が相次いで死去した。聖武天皇が東大寺大仏を建立した背景にも飢饉や政治的混乱とならんで悪疫の流行があった。

予測可能な人類絶滅へのシナリオとその予防

パンデミックにより世界にもたらされる人類を絶滅に追い込む様な深刻な危機はこれまで幾度と無く、小説や映画の題材として取り上げられてきました。いわば予測可能なリスクです。しかし、地球の気候変動と同じ様に、人類はあまり本気になって予防、対策に取り組んで来なかったのが現実で、この度、世界中を席巻したコロナショックは、グローバル経済、国と地域の境をなくした社会はヤバイことを(以前から知ってはいたが、)改めて気づかされた訳で、いつ、新たな強力なウイルスが発生するか分からない以上、ヒトモノカネが制限なく、世界中を自由に移動する世界を見直さなければならない、これまで急速に進んできたグローバル化を今一度見直す時期がきたと認識すべきだと思います。

グローバルからローカルへ。

私は、自身が地域に根ざしたローカルビジネスの事業者であり、長年、地産地消、共生の精神に則った地域経済活性化主義者で、人が幸せに暮らせる社会とは自立循環型の経済圏が各地域に成り立つ状態をまず作り、その中で特色や特徴、価値あるものを他所に出し、足らないものを他所から譲り受けて全体最適化を図るべきだと思っています。過激な言い方をすれば鎖国論者となりますが、日本の江戸時代の鎖国も全く外国との交流や交易の全てを絶っていたわけではなく、取捨選択をしながら、諸外国と付き合っていたわけで、フルオープンにすることよりも、両者にとっての良し悪しをチューニングするべきだと思っています。なんだか面倒な言い回しですが、単純明快なグローバリゼーションを突き詰めると、弱肉強食の動物の世界への回帰だと思っていて、人の幸せとは自分だけが良ければいいのではないのであれば、強いものが支配する世界ではなく、助け合い、支え合うコミュニティーの複合体、集積した社会の方がいいと思うのです。コロナの教訓を生かしたアフターコロナの世界で、ローカリゼーションが勃興することを密かに期待しています。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください