因数分解と連立方程式。#つばめ学習会体験会

令和2年9月3日晴れ

無料学習塾への見学。

御朔日に霊験あらたかな大神神社のご神体に登拝した効果が早速現れているのかは分かりませんが、10月最初の週末は朝から晩までびっしりと予定が詰まり、相変わらず分刻みのスケジュールをこなしています。午前中は新築計画中のお客様とのミーティング、昼からは六甲道で新たな業態の店舗改装工事の現場打ち合わせ、夕方は着工間近な東京でのショールーム改装工事の着工前打ち合わせと忙しく走り回りました。多くのお声がけを頂けるのはほんにありがたいことです。(笑)
そんな中、今日も夜から西宮に移動、先日、神戸市倫理法人会のモーニングセミナーにご登壇頂いた、経済的に恵まれていない子供達に向けての無料学習塾「つばめ学習会」にお誘いを頂いて見学に伺いました。このところ連日連夜、夜中までアグレッシブに動き回っており、少々消耗気味ですが、ボランティアの若者が子供達を熱心に教えている姿をリアルに見せて頂けたのは本当に良かったです。お誘い下さった山本弁護士には心から感謝いたします。

ボランティアの事業モデル。

先日のブログ(無料学習塾「つばめ学習会」)にも書きましたが、理事長の庄司さんの経済的に厳しい環境に置かれている子供達にとって経済格差がそのまま教育格差になっている現在の日本の教育をなんとかしたいという熱い思いと、ボランティアはそもそも自己犠牲の上にやるものではなく、楽しんで行うものだとの超前向きな姿勢、そして、全く収益性が感じられないNPO法人の事業を持続させている経営手腕は本当に大したもので、毎月、(大人向けですが)無料の塾を7年間継続して開催し続けてきて、一般社団法人として事業化している私としては庄司理事長の全てに興味を持たずにはいられませんでした。朝活BNIと神戸市倫理法人会の両方でご一緒している山本弁護士から、「つばめ学習会に見学に行きませんか?」と誘われて一も二もなく飛びついて、今回お邪魔した次第です。

成長できるサードプレイス。

今回、生まれて初めて見学の機会を得た子供向け無料塾は、中学生を中心に中高生が10数人集まって、それぞれ自習をするスタイルで、そこに大学生と数名の社会人がほぼ同じ数でマンツーマンに近い形で勉強を教えておりました。当然ですが、同年代の子供たち同士は仲良く雑談もしますし、教師と生徒も年齢が近いせいか友達の様な感覚で話している様に見受けられました。その様は非常に和気藹々としており、庄司理事長が講演の際に口にされていた「学習のサポートと、学校でも無く、家庭でも無いサードプレイスとしての場づくり」がまさに体現されておりました。人数が増えるにつれて全体的に賑やかになり、開始当初に感じた自習スタイルとの印象は徐々に薄れて、わからない所があれば、友達や先生に気軽に訊く感じになりましたが、それでもホワイトボードを使って因数分解の解き方を完全マンツーマンで熱く教えている学生がいたり、とにかくとてもいい雰囲気でした。

日本の未来は明るいぜ。

先日、このブログ(道徳の時間。#大人の責任)で、学生、特に高校生、大学生が倫理や道徳を学んでなさ過ぎる、学校のカリキュラムでもっと道徳の時間を増やすべきでは無いか、と苦言を呈して、というか愚痴っておりましたが、今日のボランティア学生達が熱心に子供に勉強を教える姿を見て、まだまだ日本の若者は捨てたもんじゃ無い、と言うよりも私の若かりし頃のどーしようも無い暮らしを鑑みて少し恥ずかしくなりました。そして、勉強を教えにきているボランティアの学生達の多くが、このつばめ学習会の卒業生だと聞いて、この様な場を作られているのが本当に素晴らしいと心から感服した次第です。ご恩送りと言われる、誰かから受けたご恩を違う人に渡す、そこで喜びの輪が広がっていく素晴らしい経験をした学生さん達が社会に出て、活躍される様になったら、随分と日本の社会は良くなるのでは無いかと思った次第です。

魂を燃やす生き方。

代表理事の庄司さんに学習会が終わってから一緒に食事に行った際、改めて「何故この様な無料学習塾を始めようと思ったのか?」と言う質問をされた方がいました。酒の席でもあり、庄司さんもビールを飲んでいい調子で冗談交じりに談笑していたのですが、そこだけは少し真面目な顔になり、「一度きりの自分の人生、何かできることはないか?このまま時間をただ過ごしているだけでいいのか?と自問自答を繰り返した挙句、日本の未来を託す子供達に何かできることを考えた。」と答えられていました。私は7つの習慣に書かれていた刺激と反応の間にある人間が持つ「選択の自由」は判断基準に左右され、それが信念や信条、誰もが持っている良心、人としての在り方、そして、誰かから引き継いだ想いであれば、必ず人生は意味があるものになるし、新たな価値を生むとの持論を頑なに信じていますが、庄司さんも7つの習慣を愛読されているとのことで、同じ原理原則を信じられているのを強く感じました。やはり、コヴィー博士の影響力は凄いです。

前提条件過ぎて分からない齟齬。

今回のつばめ学習会への見学でもう一つ、発見というか、気づきがありました。それは、中学生が因数分解と連立方程式の解き方を熱心に教えてもらっている姿を見ていた時で、教えている大学生が前提条件として知っているであろうと説明している連立方程式の加減法や代入法を中学生の男の子は多分知らなくて、「え、そんなんあり?」的な反応をしているのに教えている大学生は当たり前過ぎてそれに気づかない様子だったのです。私も若手の職人向けの研修講師を務めている際に何と無くそこはかとない違和感を感じることが少なからずあり、その度に自分の説明の順序や理論構築を振り返って、此れと言って穴が見つけられないのに何故かその違和感が払拭出来ないことがあり疑問に思っていたのですが、その原因が、あ、これか!と気づかされました。要するに、前提条件であるルールというか、私が勝手に知っているだろうと思い込んでいる基本的な知識が相手に無いのに、その部分をすっ飛ばしている事が少なからずあったのだと分かったのでした。

因数分解と連立方程式。

ちなみに、私は子供の頃、ろくに勉強していなかったせいで、大工になってから建築士の資格を取得するのに随分と苦労しました。特に構造に関しては因数分解や連立方程式の解き方が分からずに、本屋に行って中学生向けの参考書を買ったのは確か26歳になってからでした。そのおかげで中学生が苦しんでいた連立方程式の解き方も分かったのですが、きちんと説明しなさいと言われたら恥ずかしながら実は自信はありません。しかし、因数分解や連立方程式の問いを説く思考方法は普段の実務で非常によく使っており、大人になってからの数学の勉強はとても役に立っていると感じました。様々な条件が複雑に絡み合うマーケティングやマネジメントの構築は実は等式の性質の利用や連立方程式の加減法や代入法で単純化する作業と非常に似ていて、しょっちゅう問題に向き合い、計算をすることによって解を導き出すための数多くのルールを忘れることなく、把握しているから解を見つける事ができるのだと感じました。

おまけ

自分自身の備忘録として連立方程式の例題を以下にネットの参考書から拝借しておきたいと思います。良かったら解の導き方を考えてみてください(笑)。

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出典:発展新演習 春期テキスト 中 3 数学 指導のポイント

男子と女子が何人かずついる。30 個のあめを男子に 3 個ずつ,女子に 2 個ずつ配ると 1 個あまり,男子に 2 個ずつ,女子に 3 個ずつ配ると 1 個たりなくなる。男子,女子はそれぞ れ何人いるか求めなさい。

男子の人数を x,女子の人数を y とすると,
男子に 3 個ずつ,女子に 2 個ずつで 1 個あまる→ 3x + 2y = 30 – 1 …1①
男子に 2 個ずつ,女子に 3 個ずつで 1 個たりない→ 2x + 3y = 30 + 1 …②

①× 3 -②× 2 より,
9x+6y=87 – 4x+6y=62
 5x=25  よってx = 5

これを①に代入すると, 3×5+2y=29
y=7
よって,男子の人数… 5 人,女子の人数… 7 人

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以上、連立方程式のルール覚えておられたでしょうか?
勉強にしても仕事にしてもやっぱり基礎が大事って事がよく分かって頂けたと思います。(笑)


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