令和2年12月5日晴れ
師走。
冬っぽくないきれいな青空が広がる良い天気の週末になりました。このところ、新築やリノベーションの相談が増えており、土日の面談の予定がぎっしりと詰まってしまっており、今日も朝から夜まで分刻みのスケジュールをこなしました。午前中、わざわざ関東から神戸市の西の果てにある弊社まで研修事業の手伝いをしたいと訪問された若者ともあまり時間が取れず、1時間の面談の後、時間が足らないと、ヘビーローテーションで通いつめている近所のラーメン屋さん、麺屋貝原さんにお連れして、ランチをとりながら話し込みました。絶品の貝出汁の塩ラーメンを食べ終わってふと時計を見ると既に1時前になっており、1時の約束に間に合わないと走って事務所に戻る慌ただしさでした。まさに師走です。(笑)
ノーショー問題。
そんな感じで、何とか時間をやりくりして予定をこなしているにもかかわらず、なんと!1時に来社予定だったお客さんは、ノーショー(連絡も無くキャンセル)で来られないと言う珍しい出来事がありました。私にとって来社予定でアポイントメントを切っているお客さんが連絡もなく来られなかった事は今まであまり記憶がないくらいに珍しいことで、何かあったのかと少し心配になりましたが、その方は誰かの紹介とかではなく、ホームページを見ての問い合わせで、電話で話した際もあちこちに電話をしておられた雰囲気もあり、きっと忘れてしまわれたんだろうなと思ったのと、連絡したところで後の予定が詰まっていたこともあり、今日のところは私の方から連絡を取るのは控えておきました。
前提条件は疑わしい。
ひと昔の私なら、約束をしておいて何の連絡もないまま、すっぽかすなんてなんて非常識な!と憤慨していたと思います。しかし、今年になって私が手にしたパラダイムシフトでの1番大きいな気づきは、前提条件は疑わしい。と言うことで、約束を守らない事はさておき、物忘れをしてしまうこと自体はそんなに悪いことでは無いのではないか?と今まで持っていた常識を疑ってみました。実際、私も(何かと)失念してしまう事がないわけではないし、来社予定だったお客さんが予定をすっかり忘れてしまっていても、程度の差が違うだけで、五十歩百歩、私の物忘れと大して変わりはありません。
忘却力。
「忘却はよりよき前進を生む。」とのニーチェの言葉は有名ですが、忘却は人間が生きていく上での知恵であるとも言われます。人は誰しも忘れることで精神を保っている部分が少なからずあると思うのです。逆から考えると、人はやりたくないことを、意識してか意識せずかは別として、忘れるようにできているとも考えられます。生きていると忘れてしまった方が幸せな事はたくさんあるし、そもそも全てを覚え続けていることなどあり得ません。自分自身を鑑みても、辛かったこと、悲しかったことをもし全て覚えていたら、多分発狂して生きていることから逃げ出てしまうと自信を持って言うことができます。
価値がないから忘れられる。
そんなふうに考えれば、忘れてしまう事は別段悪いことではなく、致し方がないことと捉えることもできます。ただ、私がこれまで歩んできた人生とは記憶であり、記憶を全て喪失してしまうと、自分の人生自体の意味も価値も失ってしまうのもまた事実だと思うのです。今日の、約束をすっぽかされると言う、なかなか体験することがない珍しい体験に対して感じたのは、忘れてしまうこと自体は悪いことではなく、忘れられる程度の意味や価値しか感じてもらえなかった私に問題があるのだと思ったのです。その人は本当はそもそも来社して私の話を聞きたかったわけでもなく、なんとなく電話してみたら私が来ませんかと言うもんだから、つい(その気もないのに)私の言葉に乗っかってしまっただけでは無いのかと思うのです。
守られない約束。
そういえば、と思い当たったのは、スタッフと(細々としたことで)約束をしたはずが、守られないことが少なからずあることです。「また忘れとるやないか」と怒ったり、詰ったりしてきましたが、そもそもやりたいと思っていないような約束を、無理矢理取り付けられても人は忘れてしまうもので、忘れたことが悪いのではなく、ちゃんと合意形成をしていないにもかかわらず、押し込むように約束を取り付ける私のほうに大きな問題があったのだと今更ながら気づかされました。深く思い返せば、私の中に約束を取り付けてしまえばこちらのもの、みたいなパワーゲーム的な考え方が根底にあったのかもしれません。冷静に考えれば、それは忘れられても仕方がない。となります。
曖昧な世界を生きる。
最近になって私に起こったパラダイムシフトは理論や理屈では何も変わらないと言う、今までの思考を全くひっくり返さなければならないものでした。それは、言い方を変えればすべての前提条件を疑い、見直す必要があると言うことになり、今まで私が長年積み重ねてきたものがガラガラと音を立てて崩れ去るような衝撃的な出来事でした。しかし、同時に理論上、うまくいくはずのものがうまくいかない、理由がわからず曖昧だったものの答えが見えてきた瞬間でもありました。平成の終わりから、令和はVUCA化(不透明、不安定、曖昧、複雑)な時代になると言われてきましたが、その時代に対する向き合い方がようやくわかりかけてきた気がします。この調子でめんどくさい世の中を楽しめるようにしたいと思います。
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