沈黙。

令和2年12月17日 晴れ

真冬。

TVの朝のニュース番組では、「今季最大の寒波の襲来で真冬のような寒さになるでしょう」とお天気お姉さんが言ってました。えっ!12月の半ばを過ぎても真冬では無かったんだ!と改めて思い調べてみると真冬の定義は冬の最中を指すとのことで、時期的な決まりはなさそうでした。気象庁が定める真冬日は気温が氷点下になる日のことを指すようですが、私の感覚では子供の頃、雪が降り始めていた記憶がある12月の半ばから2月末頃までを真冬だとすっかり思っていました。とにかく、神戸も随分と冷え込んだ朝になりました。

年末風情。

今日は夕方から、明日の九州での若手大工育成プロジェクトの講師役に備えて前乗りで筑後入り。半年間通い続けたいつもの羽犬塚というローカル線駅前のホテルに着いたのは午後10時をゆうに回っており、九州も北のほうは南国では無く、逆に日本海に近いんだと知らされるくらい、随分と冷え込んでました。夕方までは今日も延々とスタッフとの個人面談マラソンの続きと土地探しのお手伝いをしたお客様の不動産売買契約の立会い等、朝からギッシリと予定が詰まっており、今日も年末らしく慌ただしい1日を過ごしました。

コーチングになってない、、

私は一応、これまで20年近くコーチングのセッションを受けて来ており、また自分自身でもグループコーチングの勉強会を主宰している事もあり、スタッフとの面談の際は出来るだけ話を聞く事を心掛けようと思っているのですが、予定がギッシリ詰まっている時はつい、じっくりと相手の答えを待ちきれずに話してしまいがちで、本来守るべき、私の質問に対する相手の沈黙を破って口火を切ってしまいます。一人当たり1時間以上も時間を取っているにもかかわらず時間が足らなくなる事も少なからずあり、決められた時間内に聞いておきたい、また話しておきたい事がそれなりにあるので、タイムマネジメントも必要ではありますが、答えを待てない様ではあまりいい面談にならないと反省する事しきりでした。

沈黙

沈黙というと、遠藤周作の隠れ切支丹を題材にして小説が有名です。つい最近、平戸出身の人と出会う事があり、ふと思いついてNetflixでその映画を見てみました。キリスト教とその弾圧を題材にしたこの小説は世界13カ国で翻訳された同氏の代表作であり、戦後の日本文学でも大きな評価を得ている有名な作品です。子供の頃に読んだ覚えがあるのですが、大筋のストーリーくらいしか覚えておらず、改めて映画を観てみると自分が信じる守るべき思想や信念とそれを許さない厳しい現実の狭間で苦しむ人間の葛藤のドラマは人が生きていく上での選択について、時代は変われども、姿形を変えて常について回る根源的な問いを突きつけられたように感じました。自由を謳歌しているはずの現代社会でも踏み絵を踏む、もしくは踏ますような事が少なからずあり、それは単なる弾圧といった単純なものでは無いと感じました。

正義と正義

元切支丹の奉行、井上がイエズス会の司祭に棄教を勧めるくだりでの司祭とのやりとりは正義対正義であり、どちらも相手が悪でない事を認めながらも、見せしめの切支丹を拷問して、棄教をすれば隠れ切支丹を苦しみから解き放つと、その責任を司祭に押し付ける事で、最終的に司教は踏み絵を踏ませます。井上奉行が転んだ司祭に「私があなたに勝ったのではない、日本という(キリスト教の根が根付かない)底深い沼にあなたは勝てなかったのだ」と言った言葉は、人の意志ではコントロールする事が出来ない強く大きな力がこの世には存在し、それに対して人間はあまりにも無力だと示唆しているようにも感じました。また、理念を掲げ、理想の実現に向かって突き進む事を是としている私にとっては、自分でも意識していないうちに踏み絵を踏ませる弾圧を人に強いていないか、考えてみる必要があるのかと考えさせられる事にもなりました。小説ももう一度読み直してみようと思います。

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