令和3年1月11日晴れ
コロナ下の成人の日
3連休の最終日、今日は成人の日と言うことで、SNSでは満面の笑みをたたえ、晴れ着に身を包んだ新成人たちの写真が多く投稿されておりました。先行き不透明で、不安定、この先何が起こるかわからない弱々しく複雑な社会に飛び込んでこられる新社会人に心からエールを送りたいと思います。コロナ下で迎えた成人の日と言うことで、神戸市では成人式が一旦中止が発表されたものの、Twitterで批判が殺到し、無期限の延期に修正したとのことです。変化に機敏に対応するのは良いですが、自治体の首長さんにはもう少し慎重に判断してもらいたいものです。そんな波乱含みの成人の日に際し、若者たちに向けてエールを込めて餞の言葉を書いてみました。
新成人への餞の言葉
平成の最後から言われていたVUCA化(不安定、不透明、曖昧、複雑)な時代が本格化したとしか思えない昨年、そして、風の時代に入り今年はさらに今までの価値観を逆転しなければついていけないフェーズに入ります。年明け早々、緊急事態宣言が首都圏で発出され、今週末には関西でも宣言が出される勢いのコロナ禍は未だ勢いが止まることなく続いています。ウイルスの変異、変態、さらに中国では新たにブルセラ菌の感染症が増加しているとの報道もあり、現在のコロナに対処したからといって、感染症のリスクは消えそうにありません。多分、何事もなかったように、以前の世界に戻ることはないのでしょう。
世の中は不条理に満ちている。
今日は成人の日で、全国で新成人達が地元に戻って、責任と自由を同時に手に入れる喜びを噛みしめる日です。しかし、残念ながら、コロナの影響で中止や延期、もしくは入れ替え制での少人数の開催など、様々な対応が取られました。女性は一年前から晴れ着を予約して準備すると言われるくらい、大切な人生に一度しかないイベントが、いとも簡単に中止になってしまう世の中に不条理と憤りを感じた新成人も多かったのではないかと思います。
自分の頭で考えて。
私としてはとにかく、このややこしい社会に飛び出してくる新成人におめでとう!というお祝いの言葉を申し上げると共に、大人としての自由と責任を満喫して、素晴らしい人生を送ってもらいたいとエールを送りたいと思います。同時に、情報が溢れかえり、VUCAなこんな時代だからこそ、これからの日本を担っていく若者達に伝えたいのは、「自分の頭で考えて!」ということです。これまでの価値観が通用しない、メディアの情報は不安を煽るばかり、大多数の意見は大まか洗脳されていて、少数意見は主観が強い、検索で出てくる情報はフェイクニュースばかり、何を信じてわからない時代に、それでも生きていくという事は毎日、何らかの選択をする訳で、自分が正しいと思う判断基準の源というか、要を是非とも持って貰いたいと思うのです。
自分の意見を持てるきっかけになる本
そもそも何が本当かわからない時代に、独自の判断基準を持てというのも簡単ではありません。そこで、オススメするのは、左右、新旧、前後、保守革新と両面の情報を一旦取得して、自分の心がどこに反応し、何に対して正しいと思えるかをはっきりさせて見る事です。その入り口として、まず、「現代の知の巨人」と呼ばれる出口治明さんの最新刊、「自分の頭で考える日本の論点」を読んでみられる事を強くオススメします。たくさんの書籍を読むのが大変なら、沢山の本を読んだ人の意見を聞いて(読んで)みて、そこから違和感がある事、疑問が湧いてきた事を自分なりに調べたり、考えてみたりするのがいいと思うのです。この本には、新型コロナに対する対応、グローバリズムの是非、日本人の働き方、気候変動に対する考え方、憲法、AI、ダイバーシティー、少子化、ネット言論、移民、社会保障、医療、経済等々、今、大人として考えて見るべき論点が一通り挙げられており、それぞれに自分の意見を持てるきっかけを与えてもらえます。
若者よ反骨心を持て。
ちなみに、私は出口さんに直接メールで疑問に思った事をぶつけたことがありますが、返信が無いままで、少し不信感を持っているのと、この本の中の同氏の見解も半分くらいは違和感を持って読みました。大学の学長が書かれた本に対し、おかしいと思うことにははっきりと自分の意見を物申す、批判出来る位に自己の価値観、判断基準を持っている若者が増えれば、日本の未来は安泰だとおもうのです。決して、この本にに書かれている出口氏が解説するまことしやかなロジックを鵜呑みにする事無く、少しばかりの反骨心を持って自分の頭で考える。是非とも一度手にとって貰えれば幸いです。
高橋剛志拝
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