台北で迎えた朝は、残念ながらあまり暖かくなく、しかも(天気予報通り)雨。
このままでいくと、滞在している期間中、ずっと雨という憂き目に遭いそうですが、天気の事だけはしょうがないと、いつもの様に諦めてます。
朝ご飯は現場の隣の有名小籠包のお店で本場の味を楽しんで、不機嫌な空模様を払拭しておきました。(笑)
初めてとなる海外での工事も終盤を迎え、仕上がりの確認や、出来上がりを見ての最終的な調整など、言葉の壁を越えながら現場であれこれと打ち合わせをして、何とか目処をつける事が出来ました。
しかし、本来ならばもう少しこうした方が良いのにな、と思える事も有り、また、前回の打ち合わせで決まった事が現場に反映されていない事も若干有ったりして、、
現場をまとめてくれている孫さんは一生懸命に対応してはくれているのですが、日台間の慣習のちがいというか、認識の違いが有るのはどうしても否めません。
実は、台北での工事が始まる前に(規模は違いますが、)私たちに先駆けて海外での事業を既に行なわれている関さんに、海外で工事を行なう時において、大事な事はなんですか?と、聞いてみました。
(豪腕経営者としてきこえていた、笑)関さんの答えは、
「あきらめることです。」
との事でした。
なるほど、と思いながら今回の工事に臨んだわけですが、知り合いを通じてご紹介頂いた職人さんは非常に真面目で真摯に対応してくれて、日本での工事とあまり変わらないという印象さえ受けました。
しかし、最後になって少しモヤモヤしたものが残るのは、いつも社員の大工が張り付いて作っている店舗工事とどうしても比べてしまうからなのだと思います。
そんなことを考えながら、昼食を摂ろうと、MRTの駅の方へ歩いていくと、日本のチェーン店のラーメン屋さんが立ち並ぶ通りに出ました。ラーメンはモチロンスープが命ですが、実は麺との相性や、調理のスピードなどとのバランスも大きく味に影響します。
試しにどんなかな?と思って行列ができている店に入ってみました。
日本式の清潔な店内に、元気のいい店員さんの声、水を汲んで出してくれる所なんかも素晴らしい!
(台湾の飲食店では基本的に水は出て来ません。)まるで日本でラーメンを食べている様な印象です。
で、結果はというと、、
やっぱり少し残念でした。
一番はスープが温かったこと。
寸胴の中のスープが温いのか、鉢を温めてないのか、調理に時間がかかり過ぎたのか、
とにかく、ちょっとしたことなのかも知れませんが、どこかのバランスが崩れてしまっておりました。
いくらカタチを整えても、魂がこもらないと、良いものは出来ないし、
いくらサービス内容を突き詰めても、見た目にいい加減な部分が有ると全体の雰囲気を台無しにしてしまいかねません。
どちらも妥協を許さずに真摯に作り込む事が絶対的に正しいことは、考えるまでもない自明の理では有りますが、そんなに簡単にこの世の中は出来ていないという現実も有り、、
悩みはつきません。
とはいえ、そのラーメン、たいそう行列が出来ておりましたよ、
目指すべき方向性はしっかり持ちつつも、郷に入れば郷に従え、という金言も有りますし、諦めではなく、許容の心を持ちながら、理想の姿に近づいていける様にしていきたいと思います。
あと一息、孫さんはじめ現地の職人さんにがんばってもらいたいと思います。
皆さん、宜しくお願いします!