待ちに待った雨のお陰で涼しい一日となりました。
着工中の新築住宅の基礎工事はまた遅れてしまいましたが、夏の雨、悪くはないですね。
さて、お題目、たまには時事問題を真面目な切り口で書いておきたいと思います。
すき家の労働問題に関する報告書が随分世間を騒がしています。
第三者機関の報告書には小林多喜二の蟹工船にも匹敵するひどさ、などと言うコメントまであり、ネットの上では集中放火が止まらない状態です。
実際にアルバイトが集団でストをして店舗の営業が滞るぐらいだったので言われてもしょうがないというのが一般的な感想だと思いますが、ゼンショーがブラック企業の代表だ、悪いなーと、簡単に一刀両断にしてしまうのは少し違う気がします。
日本の企業の97パーセントは中小零細企業だと言われています。
その企業の中で一体どれくらいが世界で1番厳しいと言われる日本の労働基準法に適合させて会社を運営しているのか?というと甚だ疑問です。 特に、我々建築業界、もしくは職人と言う同じくくりの働き手が支える飲食業界においては適法営業をしている会社の方が極々稀、というよりちゃんとした就業規則や賃金規定自体も無い会社が圧倒的に多いのではないかと思っています。
それをブラック企業という定義に簡単に嵌めてしまうのは少し違うのではないかと。
ということは、今回のすき家の問題は根本的な問題かというと、これはどちらかと言うと程度の問題であり、ごく1部の大企業を除いては胸を張ってゼンショーのことを責められないのではないかと思うのです。
自分も完璧じゃないけどここまでひどくない。 人のことを責める時って結局、(自分もやましい所はあるけど、)自分はそんなに酷くないという安心が欲しかったりするわけで、所詮程度の差しかないくせに正義を振りかざした物言いをすることが多い人には違和感をを覚えずにはいられません。
わたし達すみれが職人の正規雇用、労働法の遵守に踏み切った時は何年にも渡って決算時の利益を全て吹っ飛ばしてしまうほどの大きなリスクを負いました。 「
そんなことをしてやっていけるわけがない、アホやろ。」
という声さえ当時はずいぶん耳にしました。
実際、(特に下請けの職人として)業界内で通っている単価で仕事を請け負うと職人の給与を守りながら社会保障をつけるなど土台無理な構造だったのです。
しかし、今では正社員となり意識が変わった職人たちに守られているおかげで会社は存続していますし、世間では当たり前、でも業界では非常識と言われた道を思い切って選んで正解だったと今では思っています。
そういう意味で言うとファーストフードチェーン店の激しい競争はそもそも働き手にまともな労働環境を与えられる構図にはなっていないのかもしれません。
職人の業界と同じ様にビジネスモデル自体が問題なのではないかと思います。
そして、それも元はというとは私たち消費者に問題があるのでは無いのでしょうか。
すき家のことを擁護するつもりはさらさらありませんし、大企業になってまでそんな法を無視したのまま会社を運営していたこと自体驚きですし、経営陣のモラルの欠如は決して許されることではありません。
しかし、今回のこのニュースは私たち自身も胸に手を当てて戒めるところが多々あるような気がします。
悪人正機 。
そもそも完璧に正しいことだけを行なっている人が果たしてこの世にどれだけいるのか。
自らも(程度の差はあれ、)悪人であるという事を認めるからこそまともな道に進んでいこうと思う原動力になるのではないでしょうか、大きな自戒を込めて。
おまけ、
捨て猫のニャロ(仮称)、スクスク育ってます。(笑)