一月七日 曇り
すみれ事務所は定休日。
とはいえ、年明け早々期限に追われた設計、プラン業務が溜まっている様子で、結局、設計メンバーの半分くらいが休日出勤されてました。
ご苦労様です。。
私も水曜日はデスクワークの日、という事で、今日は一日事務所に籠り切ってデスクワークやMKTMTG(マーケティングミーティング)に参加と、ぎっしりと実務に励みました。
昨夜は2夜連続となった『クローズアップ現代』の『地方から日本を変える②』を見てまたまた、いたく感銘を受けました。
特に、東京に行った際につい覗いてしまう『SNOW PEAK』の山井太社長が登場されたことは非常に嬉しくて、これからの中小、零細企業におけるマーケティング戦略とローカリゼーションは深い関わりを持ち始めた事を改めて実感。
一昨日に引き続き、非常に勇気をもらえました。
藻谷浩介氏がNHKの出身という事もあるかも知れませんが、NHKも(たまには)なかなかやるものです。(笑)
ローカリゼーションとは、(localization) とは、一般には局在化、局地化のこと。Wikipedia
言い換えると、地域密着化ともなり、私たちの様な地域に密着して生活関連のサービスを行なっている企業が向かう方向性とも言えます。
この月末に迫った半年に一度の取引業者、協力施工業者さんに集まって頂いて行なっているプロジェクト会議では改めて今までの15年間に渡って私たちが進めて来たローカリゼーションの取り組みと、これから一歩先に進んで皆さんと共に先行き不透明な建設業界で生き残っていく方法論、その具体的な行動を示す事が出来る様に、と準備をしています。
今回は消費増税の反動の真っ只中という事もあり、気合いを入れてスペシャルな内容をお届けしたいと思い、夕方からはその資料づくりに没頭していたのですが、その中で引用したのがお題目の『日本で初めて制定された憲法』です。(憲法論に関しては皆様、賛否あるかと思いますが、あくまで私見ですので、、)
ローカリゼーションを私なりに噛み砕いてマーケティング論に落としてみると、まず身内、隣、近所の人と、身近なところからの信頼を積み重ねて、『信頼関係』によって繋がれたコミュニティーを作り上げ、(コツコツと時間をかけてでも)大きく育てていく事だと考えています。
グローバリゼーションが目指す拡大路線、フロンティアスピリットに支えられた開拓者精神ではなく、『地に生きる』という日本人が古来から持ち続けて来た価値観こそがローカリゼーションの根幹になると。
それを凝縮して一言で表すと、『和を以って貴しとなす』になると思うのです。
聖徳太子が制定したと言われる日本で初めて(世界でもか、)の憲法の一番冒頭に書かれている理念こそが、ローカリゼーションマーケティングの本質ではないかと思っています。
本文はこちら、
夏四月丙寅朔戊辰、皇太子親肇作憲法十七條。
一曰、以和爲貴、無忤爲宗。人皆有黨。亦少達者。以是、或不順君父。乍違于隣里。然上和下睦、諧於論事、則事理自通。何事不成。
二曰、篤敬三寶。々々者佛法僧也。則四生之終歸、萬國之禁宗。何世何人、非貴是法。人鮮尤惡。能敎従之。其不歸三寶、何以直枉。
三曰、承詔必謹。君則天之。臣則地之。天覆臣載。四時順行、萬気得通。地欲天覆、則至懐耳。是以、君言臣承。上行下靡。故承詔必愼。不謹自敗。
四曰、群卿百寮、以禮爲本。其治民之本、要在禮乎、上不禮、而下非齊。下無禮、以必有罪。是以、群臣禮有、位次不亂。百姓有禮、國家自治。
五曰、絶饗棄欲、明辨訴訟。其百姓之訟、一百千事。一日尚爾、況乎累歳。頃治訟者、得利爲常、見賄廳讞。便有財之訟、如右投水。乏者之訴、似水投石。是以貧民、則不知所由。臣道亦於焉闕。
六曰、懲惡勸善、古之良典。是以无匿人善、見-悪必匡。其諂詐者、則爲覆二國家之利器、爲絶人民之鋒劔。亦佞媚者、對上則好説下過、逢下則誹謗上失。其如此人、皆无忠於君、无仁於民。是大亂之本也。
七曰、人各有任。掌宜-不濫。其賢哲任官、頌音則起。姧者有官、禍亂則繁。世少生知。剋念作聖。事無大少、得人必治。時無急緩。遇賢自寛。因此國家永久、社禝勿危。故古聖王、爲官以求人、爲人不求官。
八曰、群卿百寮、早朝晏退。公事靡監。終日難盡。是以、遲朝不逮于急。早退必事不盡。
九曰、信是義本。毎事有信。其善悪成敗、要在于信。群臣共信、何事不成。群臣无信、萬事悉敗。
十曰、絶忿棄瞋、不怒人違。人皆有心。々各有執。彼是則我非。我是則彼非。我必非聖。彼必非愚。共是凡夫耳。是非之理、詎能可定。相共賢愚、如鐶无端。是以、彼人雖瞋、還恐我失。、我獨雖得、從衆同擧。
十一曰、明察功過、賞罰必當。日者賞不在功。罰不在罪。執事群卿、宜明賞罰。
十二曰、國司國造、勿収斂百姓。國非二君。民無兩主。率土兆民、以王爲主。所任官司、皆是王臣。何敢與公、賦斂百姓。
十三曰、諸任官者、同知職掌。或病或使、有闕於事。然得知之日、和如曾識。其以非與聞。勿防公務。
十四曰、群臣百寮、無有嫉妬。我既嫉人、々亦嫉我。嫉妬之患、不知其極。所以、智勝於己則不悦。才優於己則嫉妬。是以、五百之乃今遇賢。千載以難待一聖。其不得賢聖。何以治國。
十五曰、背私向公、是臣之道矣。凡人有私必有恨。有憾必非同、非同則以私妨公。憾起則違制害法。故初章云、上下和諧、其亦是情歟。
十六曰、使民以時、古之良典。故冬月有間、以可使民。從春至秋、農桑之節。不可使民。其不農何食。不桑何服。
十七曰、夫事不可獨斷。必與衆宜論。少事是輕。不可必衆。唯逮論大事、若疑有失。故與衆相辮、辭則得理。
— 『日本書紀』第二十二巻 豊御食炊屋姫天皇 推古天皇十二年
ちなみに、『和を以って貴しとなす』という一文を長いものに巻かれろ的な解釈をされる事もあるようですが、人間の本質、関係性を考えると非常に奥の深い、示唆に富んだ言葉だと思います。
『嫌われる勇気』と言う本の中で心理学者のアドラーは他人の問題、課題と自分のそれとを切り離す事で人間は自由になれる。と書いています。
全くの逆説の様に受け取れますが、その著書の中でのアドラーの最終的な論調は、
『人は他者貢献をすることで幸せを感じる』
とあり、人と社会との関わりの絶対性を示しています。
結局、聖徳太子が約1400年前に示した理念に戻ると考える事が出来ると思うのです。
日本古来からの価値観に支えられた人と人とのご縁を紡ぐ『信頼』を基盤とするマーケティング理論こそこれからの混迷の時代を乗り越えて新たな価値を作り、『約束された未来』へのアプローチとなるのではないかと思っています。
そう言えば、今日も谷やんから申し込みがありましたが、年明けから、すみれで開催している『職人起業塾』への入塾希望が殺到(←ウソ、数名)しております。
一年間かけて日本式マーケティング理論の基礎を一緒に学んで頂く勉強会ですので、ご興味のある方は是非私までお気軽にお声掛け下さいね。
ちなみに、無料です!(笑)