1月26日 雨
天気予報がドンピシャにあたり、今日の神戸はよく雨が降りました。
雨だから、と言う訳ではありませんが、一日事務所に籠って事務作業を片付ける日にしようと決めて(アイドル犬チャックの散歩以外、)事務所から一歩たりとも外に出ない一日。
やらねば、と思いつつ、手を付けれてなかったタスクにずいぶんと手を付ける事が出来た充実した一日となりました。
雨に感謝、といったところでしょうか。
昨日に引き続き、暖かかったのもよかったです。(^^)
さて、お題目は普段から御世話になっており、私が運送会社に勤めていたときの師匠が現在も在籍されている『クロネコヤマト』さんが発表されたニュースから。
事業の柱として長年売上げに大きく寄与し、また20数年前の当時、今までに無かった運送商品として業界を変えたと言っても過言でないメインの商品の廃止を決められたとの事です。
ニュースリリースはこちら、
http://www.yamato-hd.co.jp/news/h26/h26_73_01news.html
思い切った、というか凄い決断をされたものだ、と驚いた次第です。
内容を簡単に要約すると、
2003年、総務省より「信書に該当する文書に関する指針」が告示された。
「信書」の定義は極めて曖昧であり、総務省の窓口に問い合わせても「信書か否か」即答いただけないケースが多発している。
信書をメール便で送ると、運送事業者だけでなく、送り主も罰せられる。
2009年7月以降、クロネコメール便を利用して郵便法違反容疑で書類送検、もしくは警察から事情聴取されたケースは計8件にのぼった。
総務省 に誰もが見た目で判断できる「『外形基準』の導入による信書規制の改革」を提案し、信書を送ってしまっても、受け付けた運送事業者のみが罪に問われる基準にすべきであると訴えてきたが認められず。
以上の経緯を踏まえ、法違反の認識がないお客さまが容疑者になるリスクをこれ以上放置することは、当社の企業姿勢と社会的責任に反するものであり、このままの状況では、お客さまにとっての『安全で安心なサービスの利用環境』と『利便性』を当社の努力だけで持続的に両立することは困難であると判断し、クロネコメール便のサービスを廃止する決断をした。
ヤマト運輸社がメール便という『書類』を格安で確実に翌日に届けるという画期的なサービスを始めた当時からリアルタイムで見て来た私にとっては衝撃的なニュースリリースでした。
郵便局では出来ない事を宅急便の会社が行なうことで、業界全体が揺れたのですが、サービス開始当時はそんなことをして収支が合う訳が無い、と業界の誰もが思ったものです。
しかし、顧客のニーズを捉え、あっという間にメール便という新しいマーケットを運送業界に作り上げたのは、まさに業界に革命を起こしたと言っても過言でないと思います。
さすが!と思えたのは、メール便を廃止して信書(要するに手紙のこと!)を送る場合は他社に切り替えて下さい。と胸を張って明言されている事と、新商品で法に触れない確実なもののみを扱う事にしながらも、業務委託先の雇用は守ると宣言されている部分。
顧客を守る。と言う企業姿勢をはっきりと打ち出されているのはさすがです。
また、国の郵政事業の既存権益を守る事に対する批判を理路整然とした意見として顧客目線、生活者目線の不在と、取りまとめている事にも大きく共感しました。
本当に素晴らしいと思います。
詳しくはこちら、
平成26年3月13日「総務省 情報通信審議会 郵政政策部会の中間答申に対する当社の見解」(PDF.30KB)
http://www.yamato-hd.co.jp/news/h26/pdf/h26_73_01news_02.pdf?1
長年顧客からの支持を集めて来たサービスを廃止する事は顧客満足の面から見ると、マイナスに働く様に思います。
また、業界の中に新しいマーケットを確立したのに失ってしまう事、はずいぶんと悔しい決断だとも。
しかし、今回毅然とした態度で郵政法、信書規制に一石を投じたことで、却って顧客からの信頼は増すのではないか、と思った次第です。
信頼とは4つの核(誠実、意図、力量、結果)からなると言われますが、企業の姿勢として大きな決断をする時にこの4つのファクターが計られる気がします。
「まさに4拍子揃っているな、」と思えた今回のヤマト運輸のニュースリリース、クロネコメール便の次の新商品に期待したいと思います。