3月24日 晴れ
今日は朝から現場へ。
施工後に不備が発覚した吹き付け断熱のやり直し施工に立ち会いに行きました。
発泡ウレタンの吹き付け断熱は密着性、気密性、もちろん断熱性能と、あと大きなファクターとしてコストパフォーマンス!を考えると、非常に優れていると考えていますが、近年、急速に普及したことで、熟練の職人がいないという側面を内包しています。
今回、施工不良が発覚してやり直しをしてもらいましたが、その原因を突き詰めて行くと低単価、単純作業の職人の育成の難しさを痛感することになりました。
メーカーに対しては今後の施工を完璧なものにするために厳しい改善案を提案しましたが、方法論だけではなく根本的な問題に目を向けるべきだと感じるところがありました。
やっぱり、気密、断熱界の教祖様の鎌田先生の理論に落ち着くのかなー、なんて思ったり、、
もう少し試行錯誤を繰り返したいと思いますが、どの現場もお施主様にとっては一生に一度のかけがえのない事業です。今考え得る最善を今回の現場でも尽くしたいと思います。
で、スケールを手に今日も現場で職人にネチネチと小言をいい続けました。(笑)
さて、お題目は、先日の職人起業塾の際に、オプション?の勉強会として同業者の方向けに建築実務のレクチャーを行った流れで、地域密着の工務店さんに考えてもらいたいと思っていた住宅ローンの資金計画関連のビックニュースから。
なんと!兵庫県木材利用特別融資の金利見直しで、4月以降の適用金利が、
25年間固定金利が0.8%になる様です。(26年目以降は1.8%)
もともと県の財源が投入されてフラット35の1%引きが基準金利なので、最近の長期金利を鑑みるとやっぱり!という感じですが、それでも衝撃的な数字です。
超低金利、というか無金利時代の今、これから家を購入、もしくは建てたいと思われる方、そしてそのサポートをされる工務店の方には、とっつきやすい金利の今だからこそ住宅ローンの選択を真剣に考えてもらいたいと思います。
私としては、地場の工務店こそしっかりと金融の知識を身に付けて住宅ローンのサポートをしてあげるべきだと思っています。
最近は(私もですが、)住宅ローンアドバイザーの資格を取られる方も多いのですが、意外と、
「お金の事は銀行さんにお任せしてます。」
という同業の方も多いので、私が考える工務店が資金計画のサポートをする理由を綴っておきたいと思います。
今回はその1回目。
【住宅ローンの選択は銀行に相談すべきではない】
0.8パーセント、(フラット35では1 %台)の超低金利は金利で利益を上げる銀行さんにとっては全く商売にならない基準になっています。少しでも金利が上昇したら、資金調達する金利よりも貸し出している金利の方が低くなってしまいます。
逆に、いくら金利が安くても変動金利の住宅ローンは銀行さんにとっては、全くリスクのない、いい商売の商品であると言えます。金利が上がれば利ざやが稼げる可能性もありますし、調達金利との逆鞘になることはあり得ません。
消費者の立場に立って考えると、、
できるだけ金利を少なく安心して住宅ローンを組みたいとなりますが、当たり前ですが、銀行は金利で稼いでなりわいとしています。
原則論から考えれば、利益が相反する相手に相談して住宅ローンを決まるなんてそもそも間違いです。
私たちは兵庫県のお客様が殆どなので、上記の『兵庫県産木材利用特別融資』という商品をおススメすることが多く、この住宅ローンはメガバンクから地銀、信用金庫まで取り扱い窓口として登録されています。
しかし、実際に取り扱う銀行は非常に少なく、パンフレットに名前を連ねているにも拘らず、担当者がそんな商品知りません。と言われるところも少なく有りません。
また、TVコマーシャルまで行なって一般的にずいぶん知られる様になった『フラット35』でさえ一般的には積極的に奨められません。
【要するに、銀行は安い固定金利の商品には取り組みたくない。】
あたりまえだと思います。(苦笑)
今は空前の低金利時代なので、変動金利で優遇金利を適用すると、0.8%より低い金利になることも珍しく有りませんが、この状態が向こう何十年も続くとは考えにくく、少し金利が上がり始めると、大きなリスクを背負うことになってしまいます。
低金利な時程、固定金利を選択すべき、というのはローンアドバイザーとしてはアタリマエのセオリーですが、ふつーに「めちゃくちゃ安いですよ、」と変動金利を奨められることが非常に多いのが現状です。
ちなみに、、
不動産会社、住宅販売会社(大手住宅メーカーも同じだと思う)で住宅ローンをアドバイスしてもらった場合は、大体、「マックスこれくらいまで借りれますよ〜」というアナウンスが多いです。(企業によって様々だとは思いますが、、)
窓口は売上げのノルマを持った営業マンで、出来るだけ早く、高額で販売することが求められていますし、基本的にその担当者は住宅を販売したら、それっきり。
顧客の後のリスクまで一生懸命考える会社は非常に少ない様に思います。
【工務店は自分の為にも安心でお得な住宅ローンを選んで提案すべき】
翻って、地域に密着して営業する工務店はというと、地域での評判や口コミによる紹介が生命線です。引き渡した後のお客様の暮らしが幸せなものにならないと、これから先の紹介やリピートでの受注が発生しないコトを考えると、『家を建てたその後の暮らし』に焦点を当てた資金計画はお客様の為でもあると同時に、自分の為にもなる訳です。
これは、気持や善悪、良心の問題ではなく、構造的な問題で有り、地域に根ざす工務店だけが、お客様に取って『利益の相反』が生まれない資金計画の相談相手になるはずです。
以上が、住宅ローンの資金計画を工務店が行なうべきだと思う理由です。
超低金利な上に国の助成金も継続され、後一段階消費税が上がる前の住宅取得の絶好のチャンス!の時期でもありますし、一人でも資金計画で失敗をしない様に、このブログで引き続いて住宅ローンネタをアップしておきたいと思います。
次回は、融資額、返済額の決め方について書いてみる様にします。
一生をかけて、は少し大げさですが、生命保険にはいってまで借り入れするのに、金額を銀行や住宅会社に任せてしまうのって絶対におかしいと思うのです。。