3月27日 快晴の博多にて
昨夜から、先週末に発生した排水のトラブルの処理に博多に来ています。
応急処置や原因調査等は現地の業者さんにお手伝いいただいてなんとか進めてきましたが、最終的な復旧作業はさすがに現地での判断も必要になることから昨夜急遽新幹線に飛び乗りました。
(ずいぶん無理もお願いしてしまいましたが、)いつも御世話になっている博多の業者の皆さんが迅速な対応をしてくれたお陰で、最短のスケジュール感で復旧、安心して営業して頂ける様になったと思います。
M工務店のMさん始め、皆さん本当にありがとうございました。
本当に助かりました。
店舗のオーナーであるA社長は大阪に居る奥様が臨月でして、いつ出産してもおかしくない状態ということで、現場のことは気掛かりだし、、と、ずいぶん迷われておられましたが、現場の事は私に任せてもらったらいいからと、帰阪して届きました。
店舗のトラブルなどこの先何回でもあるでしょうし、今回のケースではオーナーに立ち会っていただくかなければならないほど深刻な状況でもないことから、
「ぜひ帰ってあげてください、その子供さんがこの世に生を受けて出て来る一生に1回きりのことなんだから」
と。
結果、一足早く大阪に戻って頂きました。良い判断をしていただけたと思います。(笑)
元気な赤ちゃんがこの世に生を受けてすぐに対面してもらえれば幸いです。
そういえば、15年前の夏、妻が娘を出産した時、私はいつものように現場に出てました。
「もう直ぐ生まれる」と義父から連絡を受けて病院に駆けつけようと思った丁度その時、クライアントから一般の電話がかかってきました。
「以前に修理したもらった防水の工事がちゃんと水を止めれてなくて水漏れがしてきた」
とのクレーム。
ずいぶんと逼迫した様子で、すぐに来てもらいたいとの事でした。
一生に1度の娘の出産と言う大事業に命をかけて立ち向かっている妻の元に行くか、クライアントのクレームに対応するか。
ずいぶん悩みに悩んだ挙句、その時、独立、起業したばかりだった私が下した判断は、、
現場に向かう。
でした。
クレーム処理の作業を終えて、日がどっぷり暮れた夕方になって現場から作業を着たまま病院に駆けつけた時、義父に
「こんな時まで仕事にいかなあかんのかいな、」
と小言をもらったのを今も覚えています。(涙)
現場でクレーム対応の作業しながら「今、生まれたで、母子ともに健康で、」と、かかってきた電話に涙を流したことも。
その時の涙は、安堵と悔しさと情けなさの入り交じった何とも言えない感情が込み上げてきた結果だったのを、博多の現場で思い出しました。
目的と手段を考えた時、その時確かに、これから家族に安心して暮らしてもらいたいが為、休みも無しに必死になって働いていたはずです。
しかし、一生に一回きりのイベントさえも仕事のプレッシャーに押しつぶされて後回しにしていたのは、目的を見失っている、もしくは手段を目的とはき違えている選択です。
では、その選択が間違っていたのかと言うと、決してそうでは無く、闇雲に仕事に注力することで、顧客の信頼を得て、その積み重ねでなんとか今が有るとも思っています。
今も私の選択、行動は本質的にはあまり変わっていない様な気がします。結局、選択はいつも間違っているかも、そうでは無いかもしれませんが、身体は一つで、持っている時間は決まっている以上、悔やんだところでどうにもなりません。
過去を振り返ってもしょうがなく、未来と、自分は変えられる。
その事実を見つめて、今を精一杯生きるしか無いのだと、改めて。
にしても、周りの人には出来る限りそんなタフな、苦しい選択肢を与えない様にしたいと思います。
そんな仕事が出来る様に、もう少しがんばろ。そんなことを考えながらすっかり春めいた博多を後にしました。
『在り方』をしっかりとみつめながら、ですね。